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新人営業の定着率を正しく計算する方法|育成と支援の見直し方

新人営業の定着率を正しく計算する方法|育成と支援の見直し方

▼ この記事の内容

新人営業の定着率は、対象者と入社からの経過期間、在籍の扱いをそろえて確認します。割合だけで原因を決めず、本人の説明と業務記録から育成や職場の支援を見直します。変更後も人数と支援の実施状況を確認し、担当者と次の確認日を決めることが判断の前提です。

新人営業が退職し、育成や職場の支援を見直そうとしても、入社時期や在籍の扱いが異なる集計では、定着率の変化を正しく比較できません。まずは対象者と、入社からどの時点の在籍を確認するかをそろえる必要があります。

ここでいう定着は、入社した会社に在籍を続けていることです。研修への参加や、営業の仕事を自分で進められるようになったかどうかとは分けて確認します。また、定着率の数字だけで退職の理由を判断することはできません。

新人営業の育成を担当する管理者に向けて、定着率の計算方法から、集計条件の整理、本人への確認、入社後の支援の見直しまでを順に説明します。集計表と質問例を使い、人事と確認する記録や、変更する支援の担当者、次の確認日を具体化していきます。

新人営業の定着率は同じ入社集団の在籍割合で計算する

新人営業の定着率を計算するときに最初に行うのは、対象者を決め、その人たちが判定日に会社へ在籍しているかを確認することです。退職した人も採用時の人数に含めておくことで、入社した人のうち何人が在籍を続けているかを把握できます。

採用時の人数と判定日時点の在籍者数をそろえる

新人営業の定着率は、採用時に決めた対象者のうち、判定日まで会社への在籍を続けている人の割合です。厚生労働省の業種別「見える化」支援ツールでは、製造業の新規学卒採用者について、採用者数に占める在籍者数の割合を示しています。[1]この算式を新人営業の集計に用い、定着率=判定日まで在籍を続けている対象者数÷同じ対象の採用者数×100で計算します。

新人営業を対象にする場合は、入社時に営業職として採用した人を追うのか、入社後に営業部門へ配属した人を追うのかを先に決めます。新卒採用と中途採用の範囲、対象とする入社期間も記録する項目です。現在の営業部門の人数をそのまま使うと、後から入社した人や異動してきた人が混ざるため、採用時に決めた対象者と照合します。

集計前に決める項目自社の記入欄
採用時の対象範囲対象とする職種・採用区分:____
対象とする入社期間__年__月__日〜__年__月__日
確認する経過期間入社から__か月後
在籍を判定する日対象者ごとの判定日:____
人数の確認元参照する人事記録・確認日:____

架空の計算例として、同じ日に入社した新人営業が10人で、同じ経過時点に在籍している人が8人なら、8÷10×100=80%です。結果は80%だけでなく、対象10人・在籍8人と人数も添えます。この80%は計算を説明するための値であり、定着率の目標値を示すものではありません。

対象人数が0人の場合は、分母が0になるため定着率を算出できません。集計欄には0%ではなく、対象者なし・算出不可と記録します。対象者がいても在籍状況を確認できていない人がいる場合は、人事の記録で確認するまで率を確定せず、未確認の人数を別に残します。

参考:業種別「見える化」支援ツール・定着に関する指標(誌面29ページ、指標8-1)|厚生労働省

会社への定着と営業スキルの習得を分けて見る

ここでいう定着は、入社した会社に在籍を続けていることです。営業スキル、つまり商談で必要な知識や行動を身につけたかどうかは、別に確認する項目です。在籍しているという事実だけでは、任せた仕事をどこまで進められるかは分かりません。

研修の受講記録は、予定した学習に参加したかを確認するために使います。独り立ちの評価は、必要な仕事を本人がどこまで担当できるかを確かめるためのものです。研修を終えていても判定日前に退職していれば在籍者には含めず、独り立ち前でも在籍していれば在籍者に含めます。

集計では、人事の入退社記録と営業部門の育成記録を、それぞれの用途で使います。入退社記録で確認するのは、入社日や退職日、判定日の在籍状況です。

育成記録では研修への参加や業務の習得状況を確認し、本人に必要な支援を検討します。研修の参加者名簿だけで在籍人数を確定しないようにします。

営業部門から別の部署へ異動した人も、会社に在籍していれば、会社への定着を測る集計での在籍者です。営業部門に残っている人数を確認したい場合は、会社の在籍人数とは別に記録します。集計結果を比較する前には、異動や休職の扱いに加え、入社からの経過期間もそろえる必要があります。

集計期間と在籍の定義をそろえて比較する

定着率を比較する前提は、対象者の範囲、入社からの経過期間、在籍と判断する条件をそろえることです。同じ計算式を使っていても、入社直後の人と入社から1年経った人を混ぜると、同じ時点の定着を比較できません。

入社から同じ期間が経った人同士で比べる

入社月が異なる新人営業を比べる場合は、全員の在籍状況を今日の日付で判定するのではなく、それぞれの入社日から同じ期間が経った時点で確認します。確認時点の運用例として、入社から3か月、6か月、1年を設定する方法があります。これらは集計の例であり、支援の効果が確認された推奨頻度を示すものではありません。

集計日は記録を取りまとめる日、判定日は対象者が在籍していたかを確かめる日です。集計日に退職済みでも、過去の判定日に在籍していた人は、その判定時点の在籍人数に含めます。反対に、判定日より前に退職した人は在籍人数に含めませんが、採用時に決めた対象人数からは除きません。

設定した経過期間にまだ達していない人は、未到達人数として別に記録します。入社から6か月後の率を確認するなら、集計日時点で入社から6か月が経っていない人は、退職の有無にかかわらず、その時点の計算対象に含めません。対象とする入社集団の全員が判定日を迎えてから率を確定するか、先に判定日を迎えた人だけの途中集計と明記し、完成した集計と混同しないようにします。

休職・異動・未確認の状況を記録に残す

厚生労働省の定着に関する指標では、採用者に対して在籍者が占める割合を確認します。[2]自社で会社への在籍を測る場合、人事の記録で在籍を確認できる休職者や社内異動者も在籍人数に含める対象です。営業部門で現在働いているかどうかは別の欄で管理し、退職と区別します。

次の表は、自社の記録を整理するための記入欄です。横幅を抑えるため、集計条件と確認結果を2つに分けています。

同じ入社集団の名称を両方に記入し、対象人数には採用時に決めた集団全体の人数を残します。未到達者がいる途中集計では、定着率の欄に実際に計算へ使った分母も併記することが必要です。

集計条件を記録する欄
入社集団 採用時の対象範囲 対象人数 入社日 確認する経過期間 判定日
__年__月入社など 職種・新卒/中途など:____ __人 __年__月__日
異なる場合は対象者ごとに記録します。
入社から__か月後 __年__月__日
入社日と経過期間から決める日付です。
同じ入社集団の確認結果を記録する欄
入社集団 在籍人数 退職人数 未到達人数 在籍未確認人数 定着率 確認元・確認日
上の表と同じ名称:____ 判定日時点:__人 判定日までの退職:__人 設定した経過期間に達していない人:__人 判定日を迎えた人のうち未確認:__人 __%/未確定/算出不可
計算に使った分母:__人
途中集計の場合は明記します。
人事記録など:____
確認日:__年__月__日

在籍状況が分からない人は、在籍未確認人数として残します。記録が見つからないことを理由に0人や退職者として扱わず、人事の担当者が判定日時点の状況を確認するまで率を確定しません。後から記録を訂正した場合も、確認元、確認日、訂正した内容を残しておくと、前回の集計との差を説明できます。

参考:業種別「見える化」支援ツール・定着に関する指標(誌面29ページ、指標8-1)|厚生労働省

全国の新卒統計と自社の集計条件を照らし合わせる

厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」にある2022年3月卒業者の集計では、生年月日や2022年3月1日〜6月30日の雇用保険加入記録などから、学歴ごとの新規学卒就職者を推定しています。その対象者について、2022年3月1日〜2025年3月31日の離職を集計した資料です。[3]営業職だけの統計ではなく、自社の新人営業に中途採用者が含まれる場合や、入社からの経過期間が異なる場合は、対象と期間が一致しません。全国の数値をそのまま自社の合格基準や目標値にせず、どの範囲を比べているかを先に確認します。

全社員の年間離職率から、新人営業の定着率を求めることもできません。全社員を対象に一定期間の退職を数えた率と、採用時に決めた新人営業の集団を追う率では、分母と確認期間が異なるためです。100%から離職率を引けるのは、同じ対象者と同じ判定時点について、在籍と離職が重複なく全員分確定している場合に限ります。

退職後に再入社した人は、継続在籍を測るこの集計では在籍人数に戻さず、初回の退職を記録します。外部統計と条件がそろわない場合の比較先は、同じ経過期間・対象範囲で集計した自社の過去の入社集団です。数字に差があっても理由までは分からないため、次に本人の説明と業務の記録を確認し、育成や職場の支援を見直す材料を集めます。

参考:新規学卒者の離職状況|厚生労働省

本人の説明と業務記録から離職の要因を確認する

新人営業の離職後に支援を見直すときは、本人が説明したこと、業務記録で確認できたこと、管理者が推測していることを分けて整理します。定着率の数字だけで理由を決めず、どの仕事で何が起きていたかを確かめることが、変更する支援を検討する出発点です。

本人に入社前の想定と実際の仕事の違いを尋ねる

本人への確認では、入社前に想像していた仕事と、実際に担当した仕事の違いから尋ねます。J-Net21の人材定着に関する公開Q&Aでも、入社前の仕事への理解と入社後の相談体制を整えることが助言されています。[4]自社で何を見直すかを確認する際の手がかりは、本人が経験した場面です。

最初の質問例は、「入社前に想像していた仕事と、実際に担当した仕事には、どのような違いがありましたか」です。担当する顧客、訪問や電話の仕事、目標、先輩から受けられる支援などについて、本人が挙げた内容を起点に話を進めます。「研修不足が退職の理由ですよね」のように、管理者が考えた原因への同意を求める質問は避けます。

違いがあった場合に続けて尋ねるのは、いつ、どの仕事で困ったのかです。続く質問例は、「困った場面では、誰に相談できましたか」です。相談相手が決まっていたかに加え、実際に相談できたか、相談した後にどのような対応があったかまで確認すると、次に調べる業務や支援の記録が明確になります。

本人に先に伝えるのは、職場の支援を見直すために尋ねることと、回答を誰と共有するかです。回答を強要せず、答えが得られなかった項目は未確認として残します。回答がないことを不満がなかった証拠にせず、本人の説明を得られた範囲と、業務記録で確認する範囲を分けて進めます。

参考:人材の定着率をあげるにはどうすればよいでしょうか?|J-Net21

業務量や指導、相談の記録と照らし合わせる

本人の説明に関係する期間を決めて確認する対象は、担当業務、配属時の役割、仕事量、指導や相談の記録です。営業マネージャーは、担当案件や業務の割当記録、同行・指導の実施記録など、確認したい場面に対応する既存の記録から調べます。仕事量を確かめる際は、案件数だけでなく、本人が任されていた作業や期限も併せて見ます。

本人の説明と記録が異なる場合は、どちらかをすぐに誤りと決めず、何が記録されているかを確かめることが先です。確認の例として、面談予定が残っていても、実施したことや困りごとを相談できたことまでは分かりません。予定と実施、本人が相談した内容と担当者の対応を区別し、不足する情報は当時の指導担当者や人事へ確認します。

次の表は、仕事の場面ごとに確認内容を整理するための記入欄です。本人の説明は管理者の解釈と混ぜず、記録で裏づけられた内容だけを確認済みの事実へ記入します。管理者が考えた要因は未確認事項の欄に仮説と明記し、営業への適性や性格を確認済みの退職理由として記入しないようにします。

離職の要因と見直す支援を整理する記入欄
項目記入する内容
確認したい仕事の場面時期・担当業務・困っていた作業:____
本人への質問その場面について尋ねる内容:____
本人の説明本人が話した内容・確認日:____
回答がない場合は未確認と記録します。
照合する業務・支援記録対象期間・確認する記録・記録を持つ担当者:____
確認済みの事実確認できた内容・確認元・確認日:____
未確認事項分からないこと・管理者の仮説・追加で確認する相手:____
見直す支援確認した内容に基づいて変更する作業:____
判断材料が不足する場合は追加確認と記録します。
担当追加確認を行う人・支援を変更する人:____
次の確認日__年__月__日
その日に確認する内容:____
共有範囲共有する相手・目的・伝える内容:____

表を共有する前に人事と営業マネージャーで確認するのは、対応に必要な情報と共有先です。家庭事情や健康情報などを、支援を変更する担当者全員へそのまま渡さず、それぞれの対応に必要な範囲にとどめます。確認できた課題が指導機会の不足なら指導担当と実施機会を、業務負担なら仕事の分担を見直し、入社後の時期に応じた支援へつなげます。

入社後の時期に応じて育成と職場の支援を見直す

本人の説明と業務記録から確認できた課題が、具体的な支援の変更を考える出発点です。営業マネージャーは、指導担当者が教える内容と、管理者や人事が調整する仕事の範囲を分け、担当者と次の確認日を決めます。

入社直後に仕事内容と相談先を確認する

入社直後に照らし合わせるのは、本人が理解している仕事内容と、職場が任せる仕事です。J-Net21の人材定着に関する公開Q&Aでは、入社前に仕事を知る機会を設け、入社後は相談を受ける社内体制を整えることが提案されています。[5]自社では、説明した内容を本人がどう受け止め、実際の仕事で何に困っているかを確かめます。

確認時期の運用例は、初週に担当する顧客や作業、当面期待する役割を確認し、初月に実際に担当して分かった違いを尋ねる進め方です。営業マネージャーは、本人だけで進める仕事と、先輩が同席する仕事を具体的に伝えます。採用時の説明との違いが見つかった場合は、現在の担当範囲を本人と確認したうえで、人事と次回の採用案内も見直します。

相談先を伝える際は名前だけで終えず、どの内容を誰に、どの方法で相談するかまで決めることが必要です。指導担当者が不在の場合や、その人には話しにくい場合の相談先も用意します。

初月の確認では実際に相談できたかを尋ね、相談後の対応と残った困りごとを記録します。初週・初月は運用例です。困りごとが分かった場合は予定日を待たずに対応し、配属後も支援を引き継ぎます。

参考:人材の定着率をあげるにはどうすればよいでしょうか?|J-Net21

配属後に業務負担と支援の不足を確かめる

配属後は、仕事を進めるための知識や練習が不足しているのか、任された仕事量や役割に無理があるのかを確認します。指導機会が足りない場合に指導担当者と見直すのは、練習・同行の予定です。

業務負担や役割の不一致があれば、営業マネージャーが仕事の分担を調整し、必要に応じて人事と担当範囲を確認します。本人の説明や記録が足りない場合は、原因を決めず、追加で確かめる内容と担当者を残します。

次の表は、入社から3か月・6か月・1年で支援を見直す運用例です。効果が実証された確認頻度ではなく、自社の配属時期や仕事の変化に合わせて調整するための例として使います。

続く「時期別に確認することと支援を見直す例」で確認内容と変更する支援を整理し、その次の「時期ごとの担当・確認日・実施記録の記入欄」に対応する担当者と実施状況を残します。担当欄に記入するのは、役職だけでなく実際に対応する人です。予定した支援と実施した支援は区別します。

時期別に確認することと支援を見直す例
確認時期 本人と確認すること 見直す育成支援 職場側で変えること
入社から3か月 任された仕事で困る場面と、相談後に対応を受けられたかを確認します。 決めるのは、不足する知識を教える担当者と、練習・同行の機会です。 仕事の優先順位と分担を見直し、指導担当者にも支援の時間を確保します。
入社から6か月 担当案件や作業が増えた際の負担と、残っている困りごとを確認します。 指導内容と振り返りの機会を見直す題材は、実際に困った作業です。 案件数だけでなく作業内容と期限を確認し、管理者が割当を調整します。
入社から1年 当初の説明と現在の役割の違い、今後も必要な支援を確認します。 確認するのは、引き続き支援する仕事と、本人に任せる仕事です。 役割や担当範囲の変更が必要なら、管理者と人事が本人の説明を踏まえて調整します。
時期ごとの担当・確認日・実施記録の記入欄
確認時期 担当 次の確認日 支援を実施した記録
入社から3か月 育成支援の担当者:____
職場の調整担当者:____
__年__月__日
確認する内容:____
実施日・実施した内容:____
未実施の場合の理由:____
入社から6か月 育成支援の担当者:____
職場の調整担当者:____
__年__月__日
確認する内容:____
実施日・実施した内容:____
未実施の場合の理由:____
入社から1年 育成支援の担当者:____
職場の調整担当者:____
__年__月__日
確認する内容:____
実施日・実施した内容:____
未実施の場合の理由:____

確認した育成上の課題に対して研修を検討する場合は、営業研修を選ぶときの比較基準を使い、対象者、学ぶ内容、受講後に職場で確認する行動を整理します。業務量が課題なら、受講時間の追加だけでは負担への対応にならないため、仕事の分担も併せて見直すことが必要です。変更後は支援を実施した記録と同じ経過時点の在籍人数を並べ、率の差だけで効果を決めずに振り返ります。

営業育成・研修 営業研修比較の決め手は5軸|費用・形式・定着率で選ぶ実践ガイド

改善後の定着率と支援の実施状況を同じ条件で確かめる

育成や職場の支援を変更した後は、同じ経過時点の在籍人数と、実際に行った支援を並べて確認します。定着率の差だけで施策の効果を決めず、採用条件や配属、業務量の違いも踏まえることが、続ける支援と修正する支援を検討する前提です。

在籍人数と支援の実施記録を並べる

比較する入社集団ごとに、対象人数、在籍・退職人数、入社からの経過期間をそろえて記録します。予定した支援については、実施日と内容、本人がどう受け止めたかを確認します。面談の予定があることと、実際に相談を受けて対応したことは別です。

次の表は、支援を変更する前後の記録を整理するための記入欄です。実在する企業の成果ではありません。

入社集団ごとに行を追加し、人数と支援の記録を同じ名称で対応させます。本人の反応を記入する際に使うのは、確認できた説明です。回答がなければ未確認と残します。

入社集団ごとの人数と定着率の記入欄
入社集団 経過期間 対象人数 在籍・退職人数 未到達・未確認人数 定着率
__年__月入社など:____ 入社から__か月後 採用時に決めた対象:__人 判定日時点の在籍:__人
判定日までの退職:__人
未到達:__人
在籍未確認:__人
__%/未確定/算出不可
計算に使った分母:__人
途中集計であれば、その旨の明記が必要です。
同じ入社集団の支援と比較条件の記入欄
入社集団 予定した支援 実施の有無 本人の反応 採用・配属・業務量の差 次に確かめること
上の表と同じ名称:____ 内容・予定日・担当者:____ 実施済み/未実施/未確認
実施日・内容・確認元:____
未実施の場合の理由:____
本人の説明・確認日:____
回答がない場合は未確認と記録します。
採用区分・経験、配属先、担当業務や仕事量の違い:____ 確認事項・担当者・次の確認日:____

人数の表で確かめるのは比較の前提であり、支援の表で確認するのは予定と実施の違いです。在籍が未確認なら率を確定せず、未到達者が残る途中集計は、全員の判定日を迎えた結果と区別します。支援の欄が埋まっていても、その実施記録だけで定着率の変化を説明することはできません。

数字だけで結論を出さず支援を修正する

対象人数が少ない場合は、退職者が1人違うだけでも割合が大きく変わるため、率と人数を併せて確認します。同じ経過期間でも、採用時の経験や配属先、担当業務が異なれば、支援以外の条件も変わっています。率が上がった場合も下がった場合も、前後の差だけから支援の効果を断定しません。

予定した支援が行われていなければ、効果を判断する前に、実施できなかった理由を確かめます。運用例として、同行を予定していた先輩が別の案件を優先していた場合は、担当や日程、仕事の分担を見直します。支援を実施していても本人の困りごとが残る場合に本人と確認するのは、教える内容や業務量が合っていたかです。

振り返りでは、確認できた事実に基づいて、支援の継続・修正・追加確認を決めます。継続する場合も次に確かめる内容を残し、修正する場合は変更する作業と担当者を明確にします。

材料が不足する場合は原因を決めず、確認先と次の確認日を記録することが必要です。集計条件をそろえた人数の確認と、本人への支援の見直しを繰り返すことが、次の対応を決める基準になります。

まとめ:集計条件をそろえて新人への支援を見直す

新人営業の定着率を把握する出発点は、対象者と入社からの経過期間、在籍の扱いをそろえることです。人事の入退社記録をもとに人数を確認し、まだ判定日を迎えていない人と、在籍状況が未確認の人を分けて記録します。在籍状況が分からないまま率を確定しないことも判断の前提です。

次に、本人の説明と業務・指導・相談の記録を照らし合わせ、見直す支援を決めます。育成の機会が足りないのか、仕事量や役割の調整が必要なのかを確認し、変更する作業と担当者、次の確認日を残します。本人から回答を得られない内容は未確認です。管理者の推測を退職理由へ置き換えないようにします。

支援を変更した後は、同じ経過時点の在籍人数と支援の実施状況を確認します。定着率の差だけで効果を決めず、採用条件や配属、業務量の違いも踏まえて判断するのは、支援の継続・修正・追加確認です。まずは追跡する新人の範囲と判定時点を決め、人事と集計に使う記録をそろえるところから始めます。

新人営業の定着に向けて、育成面の支援を見直す場合は、独り立ちまでの進め方も確認する対象になります。育成の仕組みを整理する際の参考資料が、以下のガイドです。


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この記事を書いた人
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谷本潤哉
元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。