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新人営業の挨拶回りで何を伝える?訪問前の準備から記録まで

公開日: 更新日:

新人営業の挨拶回りで何を伝える?訪問前の準備から記録まで

▼ この記事の内容

新人営業の挨拶回りでは、担当範囲と訪問の用件を伝えます。訪問前に取引の背景と同行者の役割を確認し、相手が忙しい・不在・断る場合にどう対応するかを決めます。訪問後は相手の言葉と新人の対応、未確認事項を記録し、上司が次に任せる範囲を判断します。

新人に既存取引先への挨拶回りを任せる前に、上司は訪問先で何を伝え、どこまで確認するかを教えておく必要があります。担当の紹介だけなのか、前任者から引き継いだ用件の確認も必要なのかによって、準備する内容は変わります。

自己紹介を練習するだけでは、忙しい相手や担当者が不在の場合の対応まで決まりません。会話を終える条件、答えられない質問の持ち帰り方、訪問後に上司へ報告する内容も、出発前に確認します。

ここでは、既存取引先への担当挨拶を中心に、訪問前の準備から受付・自己紹介、相手の反応に応じた対応、訪問後の記録まで整理します。上司が新人の対応を確認し、次の訪問で任せる範囲を決めるための記入表と、架空の記入例も紹介します。

訪問の目的

既存取引先への挨拶回りを新人に任せるときは、上司が訪問の目的と、現地で確認する用件を先に伝えます。担当の紹介だけなのか、引き継いだ質問への対応も必要なのかを決めておくと、新人は何を伝えて訪問を終えるか判断できます。

配属後の初訪問か担当変更かを見分ける

配属後の初訪問では、新人がどの仕事を担当するかを取引先に伝えます。前任者から担当を引き継ぐ訪問では、新しい窓口を紹介することに加え、対応中の用件を確認します。上司は、新人が初めて訪問するという理由だけで、両方を同じ挨拶として教えないようにします。

先輩が担当を続けながら新人を紹介するなら、新人が加わる業務の範囲を明確にします。訪問前には、取引先からの連絡を新人が受けるのか、引き続き先輩が受けるのかも決めます。新人の紹介だけで、窓口や責任者まで変更されたと相手に受け取られない説明が実施条件になります。

担当変更なら、前任者が受けた質問や、回答を待ってもらっている用件を確認します。新人が名前と連絡先を伝えただけでは、相手が気にしている質問への対応は終わりません。回答が未確認の場合は、引き継いだ事実と、確認してから回答することを区別して伝えます。

上司から新人への指示には、訪問目的、紹介する担当範囲、確認する用件を残します。新人には、その内容を自分の言葉で説明してもらい、上司の指示と理解が合っているか確かめます。季節の挨拶や新規開拓も含む指示を受けた場合は、既存取引先への担当挨拶とは分けて、今回どこまで任せるかを確認します。

挨拶で終えるか用件を確認するか決める

新人営業の挨拶回りは、担当の紹介が目的なら自己紹介と連絡先の案内で終えます。引き継いだ用件があれば、相手の了承を確かめて確認します。挨拶に応じてもらったことを、商品説明や商談への同意と扱わないことが判断の前提になります。

SKYPCEの新人の挨拶回りに関する解説でも、自己紹介と担当になった用件を伝え、無理に商品説明まで進めずに挨拶を終える対応が紹介されています。[1]事前に商談の合意がない訪問では、会えたからといって提案を始めず、今回の用件を伝えたところで会話を終える選択を残します。

引き継いだ用件を確認する場合も、相手が対応できるかを確かめてから話します。忙しいという反応があれば、その場で確認を続けず、未確認の用件として持ち帰ります。相手から商品説明を求められた場合は、求められた範囲を確かめ、新人が説明できない条件は上司に確認します。

訪問後の報告では、担当を紹介したこと、用件を確認したこと、確認できずに残ったことを分けて記録します。名刺を渡せたという報告だけで、引き継ぎや商談の了承まで得たとは判断しません。訪問で何を伝えるかが決まったら、取引の経緯と同行者が補う説明を訪問前に確認します。

参考:SKYPCEの営業の挨拶解説|SKYPCE

訪問前の準備

訪問の目的が決まったら、新人が説明するために必要な取引情報と、同行者が補う内容を確認します。上司は、訪問先の名前だけを伝えるのではなく、担当者との関係、引き継いだ用件、現地で新人に任せる対応まで共有します。

取引の経緯と引き継ぎ事項を確認する

新人は訪問前に、前任者や上司と、訪問先の担当者、現在の取引、今回引き継ぐ仕事を確認します。担当者の部署や氏名に加えて、これまで誰が連絡窓口を務めていたかも確かめます。名刺や過去の記録だけで情報が現在も有効だと決めず、変更の有無を確認することが判断の前提になります。

引き継ぐ用件は、対応が終わったものと、相手が回答を待っているものに分けます。未回答の質問がある場合は、質問の内容、社内で確認している担当者、相手へ伝えた回答予定を確かめます。新人が経緯を説明できないまま訪問し、回答済みの話を聞き直したり、未回答の用件を見落としたりしないための準備です。

訪問への了承についても、誰がどの用件で確認したかを共有します。担当挨拶への了承だけなら、商品説明や契約条件の相談まで予定されているとは扱いません。訪問の日時や用件が確認できない場合は、前任者や上司に確かめ、取引先が了承済みだと推測して受付へ伝えないようにします。

最後に、新人が持参する名刺と連絡先が、今回任せる担当範囲に合っているかを確認します。取引情報に分からない点が残る場合は、確認先と未確認の内容を手元のメモに残します。上司は出発前に、新人が訪問目的と引き継いだ用件を自分の言葉で説明できるかを確かめます。

受付対応と説明の役割を新人と同行者で分ける

同行する場合は、新人が受付で名乗るのか、先輩が訪問の用件を伝えるのかを出発前に決めます。セレブリックスの営業同行マナー解説でも、訪問情報の共有と同行時の役割確認が紹介されています。[2]先輩が一緒にいる場合も、新人が担当する対応を事前に確かめます。

担当挨拶なら、新人が所属・氏名と担当になったことを伝え、先輩が取引の経緯や引き継ぎの説明を補う分担を検討します。上司は、新人がどこまで話したら先輩へ説明を渡すかも共有します。先輩が最初からすべて話すと、新人が用件を説明したかを確認できないため、任せる部分を明確にしておきます。

質問への回答は、事前に確認した内容を新人が伝え、未確認の商品仕様や契約条件は同行者に確認します。同行者も判断できない用件は、相手の質問を記録して持ち帰ります。その場で回答期限を求められても、社内の確認に必要な時間が分からなければ、新人だけで期限を確約しないようにします。

同行なしで任せる場合も、上司は新人が説明する内容と、判断せず持ち帰る内容を決めます。困ったときに確認する上司と連絡方法を共有し、連絡がつかない場合には未確認の回答をしないことも確かめます。役割を決めた後は、新人が受付で伝える用件と担当者への自己紹介を声に出して確認します。

参考:営業同行のマナーに関する解説|セレブリックス

受付・紹介で伝える情報

受付では誰が何のために訪問したかを伝え、担当者への自己紹介では今後どの仕事を受け持つかを説明します。上司は新人に、受付で伝える用件と、担当者に伝える担当範囲を分けて教えます。

受付で会社名・氏名・訪問の用件を伝える

受付では、会社名、氏名、訪問の用件の順に伝えます。担当者への挨拶が目的なら、担当者の部署・氏名と、新しく担当になったことを説明します。新人という立場だけを伝えて終わらず、誰へのどの用件かが受付に伝わる言葉を準備することが判断の前提になります。

上司は出発前に、新人が受付で伝える内容を声に出して確認します。会社名と氏名の後に、担当変更の挨拶なのか、先輩と一緒に担当する新人の紹介なのかを説明する練習です。実際には担当を引き継がない場合に、新しい担当者になったと伝えないよう、任せる仕事と説明を合わせます。

以下は受付での説明を練習するための架空の例です。〇〇・△△・□□は、確認済みの会社名・氏名に置き換えます。

  • 担当変更の場合:「〇〇株式会社の△△と申します。□□さんの後任として担当することになり、ご挨拶に伺いました。」
  • 先輩が担当を続ける場合:「〇〇株式会社の△△と申します。担当の□□と一緒に、今後はご注文の受付を担当します。本日はご挨拶に伺いました。」

担当を引き継ぐ場合と、一部の仕事に加わる場合では、受付へ伝える担当範囲が変わります。例文の担当範囲が実際に任された仕事と一致するかを、上司と確認します。

訪問の約束がある場合は、確認済みの日時と相手を伝えます。約束がない場合は、その事実を伝え、担当者に対応してもらえるかを受付で確認します。前任者から紹介されたことや、取引が続いていることだけを理由に、訪問の了承を得ているとは説明しません。

受付から用件を聞き直されたら、商品や取引の説明を広げる前に、今回の訪問目的を伝え直します。担当者への案内を待つよう求められた場合は、その案内に従います。訪問後は、受付へ伝えた用件と案内された内容を記録し、担当者と会えたかどうかとは分けて上司へ報告します。

自己紹介で担当範囲と連絡先を伝える

担当者への自己紹介では、所属と氏名に加えて、今後受け持つ仕事と連絡先を伝えます。新人であることや意気込みを長く話すより、相手がどの用件を誰に連絡すればよいかを明確にすることを優先します。名刺は自己紹介を補うために使い、渡しただけで担当範囲が伝わったとは判断しません。

前任者から担当を引き継ぐ場合は、引き継ぐ仕事と、新人が連絡窓口になる範囲を説明します。先輩が担当を続ける場合は、新人が受け持つ仕事と、引き続き先輩が対応する仕事を区別します。同行者が紹介してくれた場合も、新人自身が担当範囲を伝え、説明に違いがあれば同行者と確認します。

担当者への自己紹介の架空例です。注文受付だけを任された場合は、「〇〇株式会社営業部の△△と申します。今後、ご注文の受付は私が担当します。契約内容のご相談は、引き続き先輩の□□が担当します。ご注文の際は、名刺に記載した私のメールアドレスへご連絡いただけます」と伝えます。担当する仕事と連絡先は、訪問前に上司と確認した内容に置き換えます。

名刺を渡す際は、電話番号やメールアドレスなど、上司と確認した連絡先を案内します。名刺に記載された連絡先と、実際に用件を受ける窓口が異なる場合は、その違いも説明します。名刺交換ができない場合は交換を求め続けず、連絡先の案内や名刺を預ける対応が可能か、相手の意向に沿って確認します。

上司が訪問後に確認するのは、名刺を交換したかだけではありません。新人が担当範囲と連絡先を説明したか、説明できずに残った内容は何かを報告してもらいます。名刺を受け取ってもらったことを、商品説明や次回訪問への同意には変えず、相手が忙しい場合や不在の場合にどう対応するかも確認します。

反応別の失敗回避

挨拶回りでは、担当者と会えない場合や、会えても話を続けられない場合があります。上司は新人に、相手の反応に応じて会話を終えること、受付の案内に従うこと、連絡停止の要望を持ち帰って報告することを教えます。

忙しい相手には用件を伝えて会話を切り上げる

担当者から忙しいと伝えられたら、新人は説明を広げず、会話を切り上げます。用件を伝えられる場合は、担当の挨拶に来たことを簡潔に伝えます。すぐに退出するよう求められた場合は、自己紹介を最後まで話すことより相手の意向を優先します。

上司は訪問前に、忙しい相手へ商品説明や質問を続けないことを確認します。新人が引き継いだ用件を持っていても、担当者が対応できなければ未確認として持ち帰ります。挨拶に応じてもらえたことだけで、その場で用件の確認まで進めてよいとは判断しません。

相手が再連絡を望む場合は、希望する連絡方法と、伝えられた連絡時期を確認します。忙しいという返答だけなら、次回訪問や商談への了承は得ていません。新人から別の日の訪問を決めたり、面談の予定ができたと上司へ報告したりしないようにします。

訪問後は、相手から伝えられた言葉、用件をどこまで説明したか、再連絡について確認できた内容を記録します。再連絡の希望がなかった場合も、その事実を残します。上司は面談の予定を作れたかだけで評価せず、新人が相手の都合に合わせて会話を終えたかを確認します。

不在時は受付の案内に沿って訪問内容を記録する

担当者が不在の場合、新人は受付の案内に従い、会えなかった事実と訪問の用件を記録します。不在という案内だけでは、再訪や電話連絡への了承は確認できていません。次の連絡方法が分からなければ、その場で決めずに上司へ報告します。

受付から名刺を預かる案内があれば、その案内に沿って対応します。名刺を預けてよいか分からない場合は、受付へ確認し、受け取りを断られたら渡すことを求め続けません。名刺を預かってもらった場合も、担当者への到達や閲覧まで確認できたとは扱いません。

戻るまで待つよう案内された場合は、どこで待つかを確認します。待機の案内がないのに居続けたり、担当者の予定を繰り返し尋ねたりしないことも、上司が事前に伝えます。受付が案内できない内容は未確認として残し、新人の判断で再訪の日時を決めないようにします。

報告には、訪問日時、受付へ伝えた用件、不在の案内、名刺を預けたかどうかを残します。担当者本人からの回答と受付の案内は区別し、連絡の了承が確認できていなければ、その点も記載します。上司は既存の連絡条件や引き継ぎ事項を確認してから、次に取る対応を新人へ伝えます。

訪問の断りと連絡停止の意思を尊重する

訪問や提案を断られた場合は、相手が何を断ったかを実際の言葉に沿って記録します。今の訪問を断ったのか、商品提案を断ったのか、今後の連絡を止めるよう求めたのかで、その後の対応は異なります。新人は都合よく解釈せず、求められた対応を守ります。

今は対応できないという返答を、連絡停止の要望へ置き換えることも、次回訪問への了承へ置き換えることもしません。商品提案を断られた場合も、担当挨拶や取引上の用件まで同じ返答が当てはまるとは推測しません。判断に迷うときは説明や接触を進めず、返答の内容を上司へ報告します。

今後の連絡を止めるよう求められたら、新人は了承して会話を終え、要望を上司へ報告します。電話を断られたからメールを送る、別の担当者から連絡するなど、相手の停止意思を避けるために手段を変えません。対応中の取引用件が残っている場合も、新人だけで連絡を再開せず、上司へ残る用件を伝えます。

記録には、誰からどの用件について断られたかと、新人がどう返答したかを残します。上司は、相手の言葉を単に忙しかったという報告へ弱めていないか、次の連絡を勝手に予定していないかを確認します。引き継いだ用件が未確認で残った場合は、その内容も共有し、誰が対応を判断するかを決めます。

用件と連絡の確認

担当挨拶の後に用件が残る場合は、相手が希望する連絡方法と、社内で確認する内容を整理します。上司は新人に、連絡先を知っていることと連絡への了承を得ていることを区別し、答えが分からない質問は持ち帰るよう伝えます。

相手が希望する連絡先と連絡方法を確かめる

引き継いだ用件について連絡が必要なら、新人は既存の連絡先に変更がないかと、相手が希望する連絡方法を確かめます。自社の連絡先を案内したことや名刺を受け取ったことだけで、次回訪問や商品提案への了承まで得たとは判断しません。

確認する内容は、今回の用件への対応に必要な範囲に絞ります。前任者が使っていた窓口を引き続き使うのか、担当者から指定された別の窓口へ連絡するのかを確かめます。会社の窓口で対応できる用件について、個人の携帯番号や私用の連絡先まで求める必要はありません。

相手が回答をメールで受け取ることを希望した場合は、回答の送付先と、連絡時期について伝えられた条件を確認します。その了承は今回の回答に関するものとして記録します。別の商品案内や継続的な連絡にも同意したと広げず、確認した用件と方法に沿って対応します。

相手が忙しく確認に応じられない場合は、質問を重ねず、連絡方法が未確認であることを上司へ報告します。連絡停止を求められている場合も、別の方法を尋ねて接触を続けません。記録には、確認できた連絡先・方法・対象の用件と、確認できなかった内容を分けて残します。

答えられない用件は担当者と回答期限を確かめる

新人が答えられない用件は、質問を記録して持ち帰り、上司と回答担当を決めます。相手が回答を必要とする時期と、社内で確認にかかる時間を照らし合わせて、回答期限を確認します。未確認の商品仕様や契約条件を、その場の推測で回答しないことが基本です。

質問を記録するときは、何について、どの条件を確認したいのかを残します。引き継ぎ事項と関係する質問なら、前任者がどこまで説明したかも社内で確認します。相手の質問と新人自身の解釈を混ぜず、不明な部分があれば、会話を続けてよい場合に限って内容を確かめます。

同行者がいる場合は、確認済みの範囲で回答を補ってもらいます。同行者も判断できなければ、上司へ質問を共有し、誰が内容を確認し、誰が相手へ回答するかを決めます。新人は質問を上司へ渡しただけで対応済みとせず、自分が次に確認することも明確にします。

相手が希望する期限に回答できるか分からない場合は、希望を受け止めたうえで、社内確認が必要であることを伝えます。回答予定を確認してから連絡する場合も、その連絡方法と時期を相手と確かめます。希望日を聞いたことを期限の合意に変えず、決まらなかった項目は未確定として残します。

訪問後の記録には、質問の内容、社内の回答担当、相手と確認した期限・連絡方法を残します。期限に間に合わないと分かった場合は上司へ共有し、確認済みの連絡条件に沿って対応を相談します。上司は、回答そのものに加えて、新人が何を確認し、何を持ち帰ったかも記録から確かめます。

訪問後の行動確認

訪問後は、担当者に会えたかだけでなく、新人が何を伝え、相手の反応にどう対応したかを確認します。上司は記録を新人と見直し、次の訪問で任せる仕事と、事前に練習する行動を決めます。

相手の反応と自分が取った対応を記録する

新人は訪問後に、伝えた用件、相手の言葉、自分が取った対応を分けて記録します。忙しいと言われた事実と、次回なら会ってもらえそうだという自分の推測は混ぜません。上司へ報告するときも、確認できた内容と、判断を相談する内容を区別します。

記録方法として、以下の6列の表を提案します。訪問日時と訪問先は既存の訪問記録に残し、表には実際に起きた場面の対応を記入します。経験しなかった場面は未経験、聞けなかった内容は未確認と記載し、空欄だけで対応済みと判断しないようにします。

挨拶回りの行動確認表(空欄の記入用)
場面名乗りと用件相手の反応新人が行うこと記録する内容上司が確認する行動
受付
初対面
多忙
不在
断り

新人が行うことの欄には事前に決めた対応を、記録する内容の欄には実際の対応と未確認事項を残します。予定どおりにできなかった場合も、その違いを上司と確認します。

以下は書き方を示す架空の記入例です。各行は別々の訪問場面を想定しており、実在の顧客との会話や製品の出力ではありません。

挨拶回りの行動確認表(架空の記入例)
場面名乗りと用件相手の反応新人が行うこと記録する内容上司が確認する行動
受付 会社名・氏名と、担当変更の挨拶に来たことを伝えます。 受付から、案内するまで待つよう伝えられました。 受付の案内に従い、指定された場所で待ちます。 用件を説明し、指定の場所で待ちました。訪問の約束はありませんでした。 約束があると偽らず、用件を伝えて案内に従ったかを確認します。
初対面 所属・氏名と、今後受け持つ仕事を伝えます。 担当者から、連絡窓口が変わるか質問されました。 確認済みの担当範囲と連絡先を説明します。 新人が窓口になる用件と、先輩が引き続き対応する用件を説明しました。 名刺を渡しただけで終えず、担当範囲を説明したかを確認します。
多忙 担当の挨拶に来たことを伝えます。 担当者から、今は対応できないと伝えられました。 説明を広げず、会話を終えます。 商品説明はせずに退出しました。再連絡の方法と時期は未確認です。 会話を切り上げ、次回訪問への了承を得たと報告していないかを確認します。
不在 会社名・氏名と、担当者への挨拶の用件を伝えます。 受付から担当者の不在を伝えられ、名刺を預かる案内がありました。 案内に沿って名刺を預け、訪問を終えます。 受付に名刺を預けました。担当者への到達と、次の連絡への了承は未確認です。 受付に預けた事実と、担当者本人に確認できた内容を区別したかを確認します。
断り 担当の挨拶に来たことを伝えます。 担当者から、今後の営業連絡は不要だと伝えられました。 要望を受け止めて会話を終え、上司へ報告します。 今後の営業連絡を止める要望を受け、了承しました。再連絡はしていません。 停止の要望を報告し、別の担当者や手段で接触を続けていないかを確認します。

同じ会えなかったという結果でも、多忙、不在、連絡停止の要望では、上司が確認する対応が異なります。記録の量を増やすより、誰から何を伝えられ、新人がどう対応したかを残すことを優先します。回答待ちの用件がある場合は、質問の内容、回答担当、確認済みの期限も記録し、未確定の項目を上司へ共有します。

記録をもとに任せる範囲と次に教える行動を決める

上司は新人と訪問記録を確認し、用件を説明したか、相手の意向を守ったか、不明点を持ち帰ったかを確かめます。訪問件数や名刺の枚数だけでは、これらの行動を確認できません。担当者に会えなかった訪問でも、案内に従って対応し、未確認事項を報告した行動は確認の対象にします。

同行した先輩が説明を補った場合は、新人が自分で伝えた部分と、先輩が引き受けた部分を分けます。先輩の説明で用件が伝わったことを、新人だけで説明できたという評価には変えません。同行していない場合は新人の報告に基づく確認とし、記録だけでは分からない対応をできたと推測しないようにします。

次の訪問では、受付は任せるが引き継ぎの説明は先輩が補うなど、仕事ごとに任せる範囲を決めます。以下の表には、自社で確認した内容を記入します。記録が足りない行動は確認方法も決め、未確認のまま単独訪問を任せる理由にしないことが判断の前提になります。

次の訪問で任せる範囲を決めるための記入表
対象の行動記録で確認した対応・未確認事項次の訪問で新人に任せる範囲上司・先輩が補うことと確認方法
受付で名乗りと用件を伝えます。
担当範囲と引き継ぎ事項を説明します。
相手の反応に合わせて対応し、不明点を持ち帰ります。

任せる範囲を決めた後は、次に教える行動を具体的にします。忙しいと言われても説明を続けたなら、会話を終える言葉を訪問前に練習します。受付で用件が伝わらなかったなら、自己紹介全体を覚え直すより、会社名・氏名の後に訪問目的を伝える部分を確認し、次の訪問記録で実行したかを見直します。

挨拶回り以外の商談でも、準備や質問、訪問後の振り返りを教える必要がある場合は、育成する行動を広げて整理します。新人営業の準備・質問・振り返りの基本では、商談前後に新人と上司が確認する内容を扱っています。挨拶回りで残した改善点を、今後どの仕事で確認するかを決める際に参照できます。

営業育成・研修 新人営業のコツ|商談前後の準備・質問・振り返りで成果を出す育成サイクル

まとめ:訪問目的と相手の意向を確かめる

新人営業の挨拶回りは、訪問目的と任せる仕事を決めるところから始めます。上司は取引の背景と引き継ぎ事項を共有し、新人が受付で伝える用件、担当者へ説明する担当範囲、同行者が補う内容を確認します。

訪問先では相手の都合と意向に合わせて対応します。忙しい場合は説明を長引かせず、不在の場合は受付の案内に従います。連絡停止を求められた場合は会話を終えて上司へ報告し、答えられない用件は推測で回答せず持ち帰ります。

訪問後は、相手から伝えられた言葉、新人が取った対応、未確認の用件を分けて記録します。上司は訪問件数や名刺の枚数だけで判断せず、用件を説明したか、相手の意向を守ったか、不明点を持ち帰ったかを確かめます。その確認をもとに、次の訪問で任せる範囲と事前に練習する行動を決めます。

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この記事を書いた人
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元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。