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早期離職のデメリットとは?本人・企業・残る社員への影響を整理

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早期離職のデメリットとは?本人・企業・残る社員への影響を整理

▼ この記事の内容

早期離職のデメリットは、本人の経験・収入と、企業の採用・育成費、案件・顧客対応、残る社員の負担に分けて確認します。既支出と追加支出、作業時間、見込案件額を混同せず、確認元と未確認事項を記録し、人事と営業で担当・期限を決めます。

新人営業の早期離職が決まったときの出発点は、本人への影響と、会社が対応すべき仕事を分けて整理することです。採用費だけに目を向けず、経験や収入、案件の引継ぎ、残る社員の業務量を確認します。

在籍期間の短さだけで再就職への不利益を決めたり、担当していた案件額をすべて損失とみなしたりせず、本人の意向と実際の業務記録を確かめます。

新人営業本人と企業それぞれの確認項目を整理するために使うのが、費用・作業時間・案件への影響を記入する確認表です。人事と営業で、未確認事項の担当者と確認期限を決める際にお使いください。

早期離職で本人と企業に生じるデメリット

早期離職による影響は、本人の事情と会社が引き継ぐ仕事を分け、業務記録と当事者への確認で整理します。同じ在籍期間でも離職理由や担当業務は異なるため、デメリットを残留の説得材料にせず、本人の意向を確認しながら必要な手続きと業務上の対応を進めます。

本人と企業で異なる影響を整理する

早期離職のデメリットは、本人の経験の積み上げや再就職の準備、収入への影響と、企業の採用・育成費、案件対応、残る社員への負担に分けられます。新人営業の場合は、経験した業務と引き継ぐ仕事を具体的に確認します。

本人側では、入社から退職までに何を経験し、どの業務を途中で終えるのかが確認点です。商談への同席だけを経験した人と、提案から受注後の対応まで担当した人では、次の仕事に向けて整理する内容が異なります。

企業側で確認するのは、採用や教育に使った費用と、退職に伴って新しく必要になる仕事です。過去に支払った採用費と、これから発生する募集費や引継ぎの稼働を分けると、すでに負担したものと今後調整するものを区別できます。

当事者確認項目確認元
新人営業本人経験した業務、次の就業予定、収入の見通し本人が共有を希望する内容、業務記録
企業採用・育成の既支出、再採用などの追加支出請求書、採用記録、研修記録
案件を引き継ぐ社員未対応の仕事、顧客との約束、対応期限案件記録、メール、予定表
育成担当者これまでの指導時間、今後の教育業務、分担育成計画、業務予定、本人への確認

確認する際は、退職者本人の事情と、会社が引き継ぐべき業務を別々に扱います。「新人が辞めたので全体に悪影響が出た」とまとめず、誰にどの負担が生じているのかを、記録と当事者への確認で整理してください。

早期退職制度と入社直後の離職を区別する

ここで扱う早期離職は、新人営業が入社後の早い段階で会社を離れることを指します。企業が一定の条件で退職希望者を募る早期退職制度とは、確認する対象を分けて考えます。

早期退職制度について知りたい場合の確認先は、募集条件や制度の案内です。一方、新人営業の離職による影響を整理する場合は、在籍中の経験、採用・育成費、担当業務の引継ぎが中心になります。

社内で確認対象を決めるときは、入社日と退職日だけでなく、どの配属先や雇用区分を含めるかもそろえます。「入社直後」という言葉の受け取り方が部署ごとに違う場合は、今回対象にする在籍期間を明記してください。

新人営業の経験・再就職・収入に及ぶ影響

新人営業本人への影響は、経験した業務と経験を積む途中だった業務、次の就業予定、収入が入る時期に分けて確認します。在籍期間の短さだけで能力や再就職への不利益を決めず、本人が共有を希望する範囲で状況を整理します。

営業経験の継続性と次の仕事への準備を確認する

業務の棚卸しでは、見込み顧客への連絡、商談準備、ヒアリング、提案、受注後の対応などを挙げます。そのうえで、自分で進めた仕事と先輩の支援を受けた仕事を区別すると、本人が経験の範囲を説明する際の材料になります。

途中で担当を離れる案件がある場合は、本人がどこまで関与したかも記録の対象です。提案まで担当し、その後の顧客判断には関わっていないのであれば、未経験の工程まで成果としてまとめず、担当範囲を具体的に残します。

次の仕事への準備は、本人が希望する職種や働き方に沿って考えます。営業を続けたいのか、別の仕事を選びたいのかを確認し、共有を希望された範囲で経験を整理してください。早期離職だけを理由に、採用で必ず不利になると伝えることは避けます。

次の仕事が決まるまでの収入と離職理由を分けて考える

収入への影響を確認する際に分けて扱うのは、退職後の就業予定と、収入が入る時期です。次の勤務先が決まっている場合も、退職前後の支払時期まで同じとは限らないため、本人が必要とする確認事項を整理します。

次の仕事が決まっていない場合は、就業開始の見通しや、仕事探しに充てる期間が本人側の検討事項になります。営業マネージャーが生活費の詳細まで聞き出すのではなく、手続きや相談先について案内を希望するかを確認してください。

離職理由の確認と、生活上の見通しの確認は目的を分けます。収入への不安があることを、そのまま退職を思いとどまる理由として扱わず、本人が話したい内容と会社の対応に必要な内容を区別します。

最終給与の支払予定や退職後に必要な書類などは、人事担当者と確認する項目です。本人から質問があった場合は、マネージャーの推測で答えず、確認先と回答時期を伝えます。再就職後の給与や給付の条件も、個別の確認を経ずに断定しません。

採用・育成にかかった費用と追加負担を整理する

企業の負担は、採用・育成の既支出、再採用などの追加支出、社員の作業時間を分けて整理します。在籍中に担当した業務や残された成果物もあるため、既支出の全額をそのまま離職による損失とせず、どの費用を何の目的で評価するかを決めます。

採用費とOJTにすでにかかった費用を整理する

企業の費用を整理する際は、すでに支払った金額と、社員が育成に充てた時間を分けて記録します。一橋大学 国際・公共政策大学院に掲載された神谷翔吾の2016年の講義最終報告書では、早期離職に伴う採用・OJT費用と本人の能力蓄積への影響を挙げています。[1]

採用費の確認元は、求人掲載や人材紹介など、対象者の採用に関係する支出の請求書や採用記録です。複数人の採用に共通して支払った費用は、全額を退職者一人の費用にせず、どこまでを対象者分として扱ったかを残してください。

実際の仕事を通じて教えるOJTでは、商談同席、提案書の確認、振り返りなどに使った時間を整理します。育成担当者の業務記録や予定表を参照し、記録がない時間を推測で実績に置き換えないようにします。

参考:若年時のキャリア形成が将来の離職行動・就業形態に与える影響|神谷翔吾|一橋大学 国際・公共政策大学院

再採用や引継ぎで発生する追加費用を確認する

追加費用は、退職後の人員配置や採用方針に応じて、これから必要になる支出です。退職者の補充を行うか、既存の社員で担当を分けるかによって、確認する費用は異なります。

再採用を行う場合は、新しい募集に必要な求人掲載費や紹介費などを確認します。以前の採用で支払った費用とは欄を分け、見積段階の金額、発注済みの金額、実際の支払額を混ぜずに管理してください。

引継ぎや再教育では、案件情報の整理、後任への説明、業務手順の確認などに必要な時間も把握します。社内で対応する時間と、外部への追加支払がある作業を区別し、作業ごとの担当者に確認します。

費用を合計する前の確認点は、給与と、その給与を基に換算した作業時間の金額が重なっていないかです。まだ決まっていない採用費や教育時間は未確認事項に残し、人事と営業それぞれの確認担当を決めてください。

案件情報と顧客対応の引継ぎを確認する

営業活動への影響は、案件ごとの進捗、顧客との約束、次の対応日、引継ぎ先から確認します。見込案件額は進行中の案件の規模であり、追加費用や確定した損失額とは別に扱います。退職を理由に全案件額を損失へ振り替えず、顧客の検討状況や実際の受注・失注結果を確認して評価します。

担当案件の進捗と次の対応日を記録する

営業活動への影響は、退職する新人が担当していた案件ごとに確認します。案件名だけの一覧で終えず、現在の進捗、顧客と約束したこと、次の対応日、引継ぎ先をそろえて記録します。

商談の進捗として残すのは、提案済み、顧客の社内確認待ち、追加資料の準備中など、次の担当者が動くために必要な内容です。「対応中」とだけ書かれている案件は、最後のやり取りを確認し、どちらの返答を待っているのかを明確にしてください。

顧客との約束は、次のような作業と期限を対にして確認します。

  • 資料送付
  • 見積回答
  • 再連絡
  • 訪問

直近のメールや予定表を参照し、退職日より後に予定された対応も引継ぎの対象に含めます。

情報の所在として記録するのは、顧客情報を管理するCRM、案件管理表、共有フォルダーなどです。後任が資料を開けるかも確かめたうえで、引き継いだ内容と次の行動について受け手の確認を取ります。

顧客対応の空白期間と見込案件額を分けて把握する

顧客対応で確認すべき点は、連絡や回答を受け持つ人が決まっているかどうかです。担当者が離職したことだけで失注と判断せず、未回答の問い合わせや次の対応予定を案件ごとに確かめます。

後任がすぐに決まらない場合は、正式な担当を決めるまでの窓口を置きます。顧客からの連絡を誰が受け、どの内容を責任者へ相談するかを決め、窓口だけ決まって回答が進まないことを避けてください。

未回答事項には、質問の内容、社内で確認する相手、回答期限を記録します。顧客への回答日が不明な場合は、そのまま引継ぎ済みにせず、約束の有無を確認する担当者を置きます。

残る社員の業務量と育成担当者の負担を把握する

残る社員と育成担当者の負担は、引継ぎや後任教育で加わる仕事と、現在の営業活動・育成予定を見比べて確認します。新人の離職だけを指導者の責任とせず、上司が担当の分担や予定の変更を決める業務上の問題として扱います。

引き継ぐ仕事と受け手の業務量を確認する

残る社員への影響は、引き継ぐ仕事と、その社員がすでに担当している仕事を並べて確認します。引き受ける範囲を決める際の確認点は、案件数だけでなく、直近の締切や顧客対応に必要な準備です。

引継ぎの対象は、商談だけとは限りません。見積作成、日程調整、社内への申請、受注後の連絡なども確認し、同じ顧客に関する作業が担当者の間で抜け落ちないようにします。

受け手の予定を確認するときは、既存の商談や提案書の締切と、新しく引き継ぐ仕事の期限を見比べます。期限が重なる場合は、営業マネージャーが優先順位や担当を調整し、本人の残業だけで対応する前提にしないでください。

社員への確認では、対応が難しい仕事と、判断や支援があれば進められる仕事を聞き分けます。負担が増えているかは業務の内容から把握し、離職が起きたことだけを根拠に、士気低下や次の退職を決めつけないようにします。

育成担当者の稼働状況と必要な支援を整理する

育成担当者について分けて確認するのは、これまで使った指導時間と、今後必要になる教育業務です。退職した新人への指導が終わる一方で、引継ぎや後任育成が加わる場合もあるため、今後の予定を改めて整理します。

再教育が必要な仕事は、後任の経験や担当範囲に合わせて挙げます。社内手続きの説明、商品知識の確認、商談への同席などを分け、以前の育成計画をそのまま繰り返すかどうかも検討してください。

ほかの新人を育成している場合は、指導予定が重なる日や、確認待ちの仕事を確かめます。育成担当者には「負担は大丈夫か」とだけ聞かず、どの指導や確認に時間が必要なのかを具体的に聞きます。

自社での早期離職の影響を確認表に整理する

確認した内容は、本人、費用、作業時間、案件・顧客対応、残る社員に分けて一覧にします。金額だけに集約せず、何が判明し、何を追加で確かめる必要があるかを同じ表に残してください。

費用・工数・案件の影響を分けて記録する

以下の確認表は、自社の情報を記入するためのひな型として使えます。金額、時間、担当者、期限は確認後に記入し、情報を取得していない欄は空欄のまま、確認すべき内容を「未確認事項」に記録します。

対象者・項目既支出追加支出工数案件・顧客への影響確認元未確認事項担当確認期限
本人の経験・就業予定本人が共有を希望する内容、業務記録
対象者の採用・育成請求書、採用記録、育成記録
再採用・後任教育募集の見積書、教育計画
担当案件の引継ぎ案件記録、メール、予定表
受け手・育成担当者の業務業務予定、当事者への確認

集計する際の確認点は、同じ支出を複数の項目に入れていないか、給与と時間換算の金額を重ねていないかです。案件額は費用の合計に含めず、未確認の金額もゼロで埋めないようにします。

人事と営業で未確認事項の確認担当を決める

確認表を共有したら、人事と営業で確認する項目を分担します。担当者を決める際は、採用費や手続きは人事、案件の進捗や業務の受け渡しは営業など、実際に記録へアクセスできるかが基準です。本人に関する情報は必要な範囲で扱います。

確認の順番は、顧客への回答期限や引継ぎの予定など、対応日が迫っている事項から決めます。すぐに答えが出ない項目も、確認する相手と次に報告する日を置き、「不明」のまま担当がいなくなることを避けてください。

まずは今回の確認表で、未対応の仕事と追加確認の担当を確定させます。その後、部署全体でどの程度離職が起きているかも調べる場合は、営業の離職率を対象者と期間をそろえて確認する方法を参考に、人事と集計条件を確認します。

営業育成・研修 営業の離職率はどう計算する?|対象者と期間をそろえる際の注意点

まとめ:本人と現場に及ぶ影響を分けて確認する

新人営業の早期離職は、本人の経験や次の就業予定、収入の見通しと、企業側の負担を分けて確認します。在籍期間だけで将来の不利益を決めつけず、本人が共有を希望する範囲で状況を整理してください。

企業側では、採用・育成の既支出と追加支出、引継ぎの作業時間を区別します。案件ごとの次の対応日と引継ぎ先を確かめ、残る社員や育成担当者の予定と見比べて分担を決めます。見込案件額は、確定した損失額として扱わないようにしましょう。

確認表に確認元と未確認事項を残し、人事と営業で担当・期限を決めてください。そのうえで、新人育成の進め方も見直したい方は、以下の資料をご確認ください。


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この記事を書いた人
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元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。