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営業本部長と営業部長の責任分担はどう決める?|判断基準と会議事項を解説

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営業本部長と営業部長の責任分担はどう決める?|判断基準と会議事項を解説

▼ この記事の内容

営業本部長と営業部長の責任分担は、統括範囲、本部長に残す部門横断の判断、部長へ委ねる判断を分けて整理します。役職の定義は企業によって異なるため、自社の組織図・職務分掌・決裁規程を確認し、責任分担表に委任事項と上申条件を記入します。

複数の営業部が同じ顧客を担当したり、人員の応援を求めたりする場面では、部長に任せる判断と本部長が調整する判断を分けて確認します。責任分担を決める際は、まず自社の組織図・職務分掌・決裁規程を照らし合わせます。

営業本部長と営業部長の分担を整理する際は、部門内で完結する事項、複数部門に影響する事項、規程上の承認が必要な事項を区別します。案を選ぶ判断者と、実行を認める承認者も書き分けます。

部長へ任せる業務と決裁範囲、例外時の上申条件を責任分担表に記入し、人員・予算・顧客担当が競合する場面の確認事項を整理します。部長会議では表の空欄と未決事項を議題にし、決定・保留・上申ごとの担当者と期限を残します。

営業本部長が統括する範囲を確認する

営業本部長がどこまで統括するかは、肩書きだけでは決まりません。まず組織図で対象部門を確認し、職務分掌で担当する仕事を、決裁規程で承認できる事項を確かめます。この三つを分けて確認することが、営業部長との責任分担の出発点です。

組織図で配下の部門を確かめる

営業本部長の統括範囲は、自社の組織図で配下の営業部・支店・営業所を確認して把握します。役職の定義は企業によって異なるため、営業全体を担当するのか、特定の地域や事業だけを担当するのかを確かめます。

ラシックマーケティングの「本部長・事業部長の役割」では、本部の配下に営業部や地域の支店・営業所が紐づき、その責任者を本部長と説明しています。[1]自社に当てはめる際は、部署名の一致だけで判断せず、組織図の所属関係と報告先を確認します。

地域別や事業別に複数の営業本部がある場合は、本部同士の境界も確認が必要です。同じ顧客を担当していても、別の本部に属する営業部との調整まで、一人の本部長に任されているとは限りません。配下の部門と、協議が必要な相手を分けて記録します。

確認した内容は、対象部署、各部署の責任者、本部長への報告経路という項目で整理します。組織改編後の所属が資料によって異なる場合は、組織図の管理部署に現行の所属を確認します。ここでは担当範囲を確かめ、承認権限は別途、決裁規程で確認します。

参考:本部長・事業部長の役割|ラシックマーケティング

職務分掌と決裁規程を照らし合わせる

仕事を担当することと、その仕事に関する変更を承認することは分けて確認します。営業本部長が予算配分の案をまとめるとしても、予算総額の変更まで承認できるかは別の問題です。職務分掌で担当業務を、決裁規程で承認権限を確かめます。

職務分掌では、営業方針の策定、部門間の調整、人員配置などについて、どの役職に何が割り当てられているかを読みます。「営業組織を統括する」という記載だけで境界が分からない場合は、具体的な判断事項に分け、営業部長の職務と重なる箇所を拾います。

決裁規程では、対象事項、承認者、金額などの条件、例外時の手続きを確認します。本部長が取締役を兼務しているかどうかも、役職名とは別に確かめます。兼務しているという理由だけで、すべての営業判断の最終承認者だとは扱いません。

職務分掌と決裁規程が食い違う場合は、どちらかを独自に優先して運用せず、規程の管理部署へ照会します。不在時の代行権限も確認対象です。担当業務と承認権限を照らし合わせたうえで、部長に任せる判断と本部長が調整する判断を整理します。

営業本部長と営業部長の責任を分ける

責任分担は、役職ごとの仕事一覧を作るだけでは決まりません。同じ人員配置でも、自部門内の担当変更と、他部門からの異動では関係者が異なります。判断事項ごとに、影響する範囲と規程上の承認者を確認します。

部門内の判断と部門横断の判断を分ける

営業本部長と営業部長の責任分担は、自社規程を前提に、部門内で完結する判断と複数部門に影響する判断を分けて整理します。部長に委ねる事項、本部長が調整する事項、別途承認が必要な事項を区別します。

想定例として、自部門の営業担当を案件間で入れ替える場合は、委任範囲内かを確認して部長の判断対象にします。一方、別の営業部から担当者を移す案や、複数部門で使う予算の変更は、関係部門との調整対象として扱います。調整後も、規程上の承認が必要なら承認者へ申請します。

境界が曖昧な事項は「本部長に相談する」とだけ書かず、何を決めてもらうのかを残します。部門間の調整と規程上の承認を区別したうえで、部門内の担当業務を詰めます。売上・戦略・組織・育成などの担当領域を確認する際は、営業部長が担う仕事と責任の整理も見比べる材料になります。

営業戦略・KPI設計 営業部長の役割と責任|5領域で見る仕事とKPI

責任分担表に判断者と承認者を記す

責任分担表には、判断事項、判断者、調整相手、承認者、上申条件、報告項目を記入します。判断者は案を選ぶ人、承認者は規程に沿って実行を認める人として書き分けます。同じ人が両方を担う場合も、何の権限で判断・承認するかを確認します。

以下は、自社規程に合わせて書き換えるための想定例です。部長へ任せる事項は対象業務と条件を記し、本部長が担う事項は調整対象を記します。承認者が未確認の欄は推測で埋めず、確認先を残して部長会議の議題にします。

責任分担表の記入ひな型
判断事項の想定例判断者・調整相手承認者の確認上申条件・報告項目
自部門内の案件担当を変更します。委任範囲内なら部長が判断します。部長の承認権限内かを規程で確認します。他部門へ影響する場合は調整を依頼し、変更対象と理由を報告します。
複数部門の人員配分を変更します。本部長が関係部長と調整し、案をまとめます。異動・配置変更の承認者を規程で確認します。各部の案件対応への影響と、必要な実施時期を添えます。
同じ顧客の担当部門を決めます。本部長が関係部長と担当方針を調整します。担当決定と取引条件の承認を分けて確認します。顧客への説明窓口、協力担当、未決事項を記録します。

表を作った後は、権限の範囲と例外条件まで読み合わせます。「担当変更は部長」と書いてあっても、別部門との重複が生じたときの連絡先が空欄なら、責任の境界は未確定です。通常の判断と例外時の対応を一組で記入し、委任範囲の確認へ進みます。

部長への委任範囲と上申条件をそろえる

部長への委任は、「現場は任せる」という指示だけで済ませず、対象事項と権限の範囲を具体化します。通常時に部長が判断する条件と、例外時に誰へ何を上申するかを、同じ責任分担表に残します。

任せる業務と部長の決裁範囲を定める

委任する業務は、案件担当の変更、部門内の活動計画の修正、承認済み予算内の支出など、実際に判断する単位で記入します。これらは確認項目の例であり、すべての会社で部長に委任されるわけではありません。各事項を自社の職務分掌と決裁規程に照らして確認します。

価格、予算、人員に関わる事項は、対象範囲と承認条件を規程から転記します。「一定額までは任せる」と曖昧にせず、該当する基準と参照箇所を残します。条件付きの委任なら、その条件が変わったときに再承認が必要かどうかも確認します。

本部長からの指示と部長の権限が食い違う場合は、指示があったという理由だけで権限外の処理を進めず、承認経路を確認します。部長が不在のときも、代行者と代行範囲を規程に沿って定めます。誰に任せるかだけでなく、どの条件まで任せるかを明記します。

例外時の上申条件と報告項目を決める

自部門内で完結し、委任範囲内に収まる事項は、定めた条件に沿って部長が判断します。他部門に影響する事項は、関係部門との調整に回します。規程上の承認範囲を超える事項は、調整が済んでいても、所定の承認者へ上申します。

上申時には、決めてほしい事項、選択肢、各案の影響、希望する判断期限を添えます。人員の応援を求める想定場面なら、人数の希望だけでなく、必要な仕事と期間、応援元の案件対応への影響を記します。代替案も添え、何を比較して判断するのかを示します。

通常の報告と承認依頼は、件名や記録欄を分けて扱います。担当変更の事後報告なのか、変更前の承認を求めているのかを明示し、返答がないまま実施してよいとは解釈しません。不在時の連絡先も確認しておき、複数部門の希望が競合した場合は、共通の資料で判断材料をそろえます。

複数部門で意見が競合した際の判断事項を整理する

部門の希望が競合したときは、希望額や人数だけを並べず、何の目標に向けた要求かを確認します。本部長が調整する範囲を自社規程で確かめたうえで、配分を変える理由、影響を受ける部門、承認が必要な条件を整理します。

目標を踏まえて人員と予算の配分を確認する

まず各部門の目標と、追加の人員・予算を求める理由を並べます。どの市場や案件に使うのか、いつまでに必要なのか、現在の配分では何が不足するのかを同じ項目で確認します。「重要案件がある」という説明だけで配分を決めず、対応する仕事まで具体化します。

異なる商材や地域を担当する部門では、売上額だけで要求の優先順位を決めません。案件の進行段階、対応に必要な専門性、既存顧客への約束なども確認項目にします。比較の前提が異なる部分を記し、同じ条件として扱えるものと、個別に判断するものを分けます。

ある部門へ人員を移す案は、受け入れる側だけでなく、送り出す側への影響も確認します。想定例として、提案担当を応援に出すなら、応援元で延期する仕事や引継ぎが必要な案件を記します。現行配分を維持する案、期間を限って応援する案などを比較します。

本部長は、規程で認められた範囲の調整と、上位の承認が必要な変更を分けて扱います。配分変更を決める際は、実施条件と見直す時点も記録します。案件の延期や必要業務の変更が起きた場合に、誰が再調整を提案するかまで決めておきます。

顧客担当の重複を整理し、共通方針を調整する

同じ顧客に複数の営業部が接触している場合は、最初に各部が扱う商材、顧客側の窓口、進行中の提案を確認します。接触先が同じという理由だけで、一方の担当を外すとは決めません。顧客への説明や提案内容が重なる箇所を整理します。

主担当と協力担当は、顧客への連絡、提案の取りまとめ、商材別の説明など、行う仕事と一緒に決めます。「共同担当」とだけ書くと、誰が顧客へ返答するかが残ります。問い合わせへの返答担当と、他部門の確認が必要な事項を責任分担表に記入します。

価格や対応方針が食い違う場合は、各部が顧客へ提示した条件と、その承認状況を確認します。部門内で修正できる事項と、複数部門で合意が必要な事項を分けて協議します。合意した方針は関係担当へ共有し、規程上の承認が必要な取引条件は別途申請します。

本部長が調整に入っても、案件担当の仕事をすべて引き取る必要はありません。案件を進める担当者と、部門間の方針を調整する担当者を分けて定めます。別本部にも影響する事項や承認範囲外の条件は、所定の調整先・承認者へ回し、部長会議には未決事項を持ち込みます。

責任分担表を使って部長会議を組み立てる

部長会議では、責任分担表の空欄や、部門間で判断が分かれている事項を議題にします。報告を受ける事項と、その場で調整・決定する事項を分け、会議後に誰が何を実行するかを記録します。

会議前に未決事項と選択肢を集める

会議前には、責任分担表から判断者、承認者、上申条件が未確定の事項を拾います。規程を確認すれば解決する事項は、確認先を決めて照会します。関係部長の希望が競合し、協議が必要な事項は、何を決める会議なのかが分かる議題名にします。

人員配分や顧客担当を協議する議題には、現行の担当、変更案、各案の部門への影響を添えます。提案する部門の希望だけでなく、影響を受ける部門の確認事項も集めます。資料の形式を新たに増やす負担が大きい場合は、既存の案件一覧や配分資料に不足項目を追記します。

各議題には、判断が必要な期限と、会議の出席者だけで決められる範囲を記します。承認者が別にいる場合は、会議でまとめるのは実行決定か承認申請案かを区別します。報告のみの事項は別欄に置き、決定に不足する情報があれば、確認担当を決めて持ち帰ります。

決定事項と次回の確認内容を記録する

会議の結果は、決定、保留、上申を分けて残します。決定事項には実行担当と確認期限、保留事項には不足情報とその確認担当を記入します。上申事項は提出先と申請担当を記し、会議で賛成が得られたことを規程上の承認と混同しません。

部長会議の決定記録ひな型
記録項目記入する内容
議題と結果を記します。決める事項と、決定・保留・上申の区分を記入します。
担当と期限を記します。実行・追加確認・申請を行う担当者と、それぞれの期限を記入します。
残る確認事項を記します。不足情報、承認待ちの条件、次回に確認する内容を記入します。
分担表への反映を記します。変更する委任事項や上申条件、更新担当者を記入します。

委任範囲や上申条件を変更した場合は、会議記録だけで終えず、必要な承認を経て責任分担表にも反映します。関係部門へ更新内容を共有し、次回は未決事項の解消や、決めた担当で業務を進めているかを確認します。配分の前提が変わった事項は、改めて調整の対象にします。

共通方針を決めても、部長が現場への指示や育成に落とし込めない場合は、次の育成課題として扱います。学ぶ内容を検討する際は、課題に合わせた営業部長研修の選び方を確認します。また、部門間の決裁分担を決める作業と、マネージャーごとの営業レビュー基準をそろえる作業は分けて進めます。

営業育成・研修 営業部長向け研修の内容と選び方|成果につなぐ5テーマ

まとめ

営業本部長と営業部長の責任分担は、自社の組織図・職務分掌・決裁規程を照らし合わせ、統括範囲と承認権限を確認して整理します。部長へ委ねる部門内の判断、本部長が担う部門横断の調整、規程上の承認が必要な事項を分け、委任範囲と上申条件を責任分担表に記入します。

まずは責任分担表の空欄を確認し、判断者や承認者が未確定の事項を部長会議の議題にしてください。人員・予算の配分や顧客担当が競合する場合は、選択肢と関係部門への影響をそろえて協議します。会議後は決定・保留・上申を区別し、担当者と期限を記録して、必要な承認を経た変更を分担表へ反映します。

責任分担を確認したうえで、マネージャーごとの営業レビュー基準もそろえたい方は、以下の資料をご確認ください。


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この記事を書いた人
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元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。