▼ この記事の内容
保険営業のコツは、初回面談で商品説明を急がず、顧客の状況や考えを聞き取ってから提案する流れにあります。チームでは信頼形成・意向の聞き取り・提案と説明・意向との合致の確認を共通の観点にし、同行や記録をもとに次の面談で試す行動を一つに絞って振り返ります。
同じチームで同じ保険を扱っていても、初回面談の入り方や聞き取りの順番は担当者ごとに違いがちです。同行のあとに「もう少し聞いたほうがいい」と伝えても、次の面談で進め方が変わらないと感じているマネージャーもいるでしょう。
保険営業のコツは、トークの言い回しよりも面談の流れにあります。商品説明を急がず、顧客の状況や考えを聞き取ってから提案する流れです。この流れをチームでそろえ、面談を同じ観点で振り返れば、同行後の指導を共通の言葉で話し合えます。
この記事では、まず保険営業が難しいと言われる理由とチームで起きやすいつまずきを確認し、そのうえで初回面談で信頼を得る進め方を扱います。続いて、金融庁の監督指針に示された、意向の把握から確認までの流れを整理します。さらに、信頼形成・意向の聞き取り・提案と説明・意向との合致の確認という4つの観点で振り返る手順を示します。避けたい行動とその見直し方も、表にまとめています。
読み終えるころには、自チームの面談をどの観点で振り返り、担当者ごとに次の面談で何を試すかを決められるはずです。
保険営業が難しいと言われる理由とチームで起きやすいつまずき
保険営業のコツは、聞き取りから提案への流れにある
保険営業のコツは、初回面談で商品説明を急がず、顧客の家族や仕事、今後の予定、保障への考えを聞き取ってから提案する流れにあります。話し方の上手さを磨く前に、この順番をチームでそろえることが育成の出発点になります。
順番を重視するのは、必要な保障の中身が顧客ごとに違うからです。結婚や出産、住宅の購入、転職といった生活の変化が保険を考えるきっかけになることもあれば、今の契約への漠然とした不安から相談が始まることもあります。先に状況を聞かなければ、どの商品のどの説明が顧客に関係するのかを、営業担当者自身が判断できません。
聞き取りから提案への流れは、「信頼を得て話してもらう」「状況と考えを聞く」「聞いた内容をもとに提案し、説明する」「提案が顧客の考えに合っているかを確かめる」の4つの段階に分けて捉えます。のちほど詳しく扱う意向の把握と確認は、この流れの後半に当たります。
マネージャーの立場では、コツを流れとして定義しておくと指導の言葉がそろいます。担当者ごとにトークの言い回しが違っても、流れのどこで止まっていたかは共通の言葉で話せるからです。「今日の面談は、聞き取りの途中で商品説明に移っていた」と具体的に伝えれば、同行後の指導が個人の好みの話で終わりにくくなります。
形のない商品だからこそ説明を急ぐと警戒される
保険は手に取って確かめられる商品ではなく、保障が役に立つのは病気や事故、死亡といった、顧客がふだん考えたくない将来の場面です。そのため、面談の時点で顧客自身が「今の自分に必要だ」と感じていないことも珍しくありません。
必要性を感じていない段階で商品の特徴や保険料の説明から入ると、顧客には自分の事情を聞かれないまま売り込まれているように映ります。警戒されたまま面談が進むと、家族の予定やお金の不安といった、提案に欠かせない話を顧客が出しにくくなります。
Knowledge Suite(株式会社ブルーテック)の保険営業の解説でも、初回の面談では商品を売り込むより、顧客との信頼関係づくりを優先する進め方を勧めています。[1]同じ解説では、営業担当者が商品を深く理解したうえで、顧客にとっての利点として伝えることも売り方のコツとして挙げています。
マネージャーが担当者の面談を見るときは、説明の上手さを評価する前に、「説明に入る前に、顧客がその説明を聞きたい理由を話していたか」を確かめます。この順番が逆になっている面談では、説明の資料や言い回しを磨いても、顧客の反応が変わらないことがあります。
顧客がすでに候補を絞り込み、特定の商品の説明を求めて面談に来ている場合は、聞き取りに時間をかけすぎると要望とすれ違います。その場合も流れ自体は変えず、説明を求めている理由と比べたい点を短く確認してから説明に入ります。
参考:保険を売るのが難しい訳と売り方のコツ5つ!成約する営業を目指そう|Knowledge Suite(株式会社ブルーテック)
チームでは面談の進め方と見方が人ごとにずれる
チームで保険営業のコツを共有しようとすると、つまずきは話法の違いより、面談の進め方と振り返りの見方が人ごとに違うところに表れます。ある担当者は最初に家族構成を聞き、別の担当者は今の保険料の話題から入るというように、同じ初回面談でも順番がそろっていません。
見方のずれは、同行後の振り返りで目立ちます。マネージャーが「もう少し聞いたほうがいい」とだけ伝えても、どの場面で何を聞けばよかったのかは担当者に伝わりにくくなります。先輩は「説明が長い」と指摘し、マネージャーは「提案の理由が顧客の話とつながっていない」と感じているとき、担当者はどれから直せばよいのか判断しにくく、次の面談でも同じ進め方を繰り返すことがあります。
このずれを減らすには、面談のどこを見るかを先にそろえます。ここでは、信頼形成、意向の聞き取り、提案と説明、意向との合致の確認の4つを「面談の観察観点」と呼び、振り返りで共通して使う見方として扱います。4つの観点は、先に示した聞き取りから提案への流れの各段階に対応しています。
どちらから手を付けるかは、チームの構成で変わります。新人が多いチームなら、まず面談の流れそのものを共有します。どの順番で何を聞くかが決まっていないと、振り返りで観点を当てはめる材料がそろわないためです。経験者が多いチームなら、各自の進め方がすでに固まっているため、流れを一律に変えるより、振り返りの見方を先に共有するほうが受け入れられやすくなります。
流れと見方のどちらから始める場合も、最初にそろえる場面は初回面談です。次のセクションでは、初回面談で顧客の信頼を得るための具体的な進め方を整理します。
初回面談で信頼を得る保険営業のコツ
最初に面談の目的と進め方を顧客と共有する
初回面談の冒頭では、商品の話に入る前に、今日の面談で何をするのかを顧客と共有します。「今日はご家族やお仕事の状況、保険について気になっていることを伺い、どんな備えが合いそうかを一緒に整理する時間にしたいと考えています」と伝えてから聞き取りに入ると、顧客は何を話せばよいのかが分かります。
目的を先に伝えるのは、顧客が「保険の話を聞いたら契約を勧められるのではないか」と身構えて面談に来ていることがあるからです。今日は商品を決める場ではないと最初に分かれば、顧客は家族や仕事の事情を話しやすくなります。反対に、目的があいまいなまま雑談や質問が続くと、顧客は話の行き先が見えず、答えを控えめにしがちです。
マイナビ転職エージェントの保険営業の解説でも、初回の訪問では商品を案内せず、顧客の状況に寄り添って悩みを聞くことを勧めています。[2]冒頭で目的を共有することは、この聞き取り中心の面談を顧客にも了解してもらうための準備に当たります。
共有する内容は、面談の目的、話を聞く順番、今日は契約を決めないこと、次回に何をするかの見通しで足ります。面談の終わりにあらためて次の予定を決めるため、冒頭で「最後に次回の進め方をご相談させてください」と伝えておくと、終わり方も自然になります。顧客が昼休みなど限られた時間で面談に来ている場合は、目的の共有を一言にとどめ、聞き取りに時間を回します。
マネージャーが同行したときは、担当者が冒頭で目的と進め方を伝えたか、顧客がそれに同意してから聞き取りに入ったかを確かめます。冒頭の言い回しは担当者ごとに違って構いません。一方で、目的を伝える一言があるかどうかは、チーム内でそろえておきたい点です。
参考:保険営業成功のコツを解説!難しい理由や加入のきっかけは?|マイナビ転職エージェント
商品より先に家族や仕事、今後の予定を聞く
保険営業の初回面談では、商品の説明より先に、家族構成、仕事、住まいやライフイベントの予定、今の保障への考え、心配していることを聞きます。提案の前提になる顧客の状況を、顧客自身の言葉で把握するためです。
- 家族構成:配偶者や子ども、扶養している家族、親の状況
- 仕事:勤め先の種類や働き方、会社員か自営業か
- 住まいとライフイベントの予定:住宅の購入、子どもの進学、転職や独立の予定
- 今の保障への考え:加入中の保険、勤務先の保障、保険についての考え方
- 心配していること:病気やけが、老後のお金、家族に残すお金など、顧客が気にかけていること
聞く順番は、答えやすい話題から始めるのが基本です。家族や仕事の話から入り、そこで出てきた今後の予定、今の保障、心配ごとへと広げていくと、顧客は質問に答えているというより、自分の話をしている感覚で話せます。収入や健康状態のように話しにくい事柄は、なぜその情報が必要なのかを添えてから尋ねます。
UPWARD株式会社の保険営業の解説でも、成功する人の行動として聞くことを徹底する点を挙げ、初回面談で何を聞くかをあらかじめ設計しておく進め方を示しています。[3]担当者がその場の思いつきで質問すると聞き漏れが出るうえ、面談ごとに聞く内容が変わり、あとから提案の根拠を確かめにくくなります。
面談の入り方は、顧客が面談に来た経緯によって変えます。紹介経由の面談なら、まず紹介者との関係や、紹介者からどんな話を聞いてきたかを尋ね、顧客が期待していることを確かめてから聞き取りの方向を合わせます。既契約の見直し相談なら、今の契約で気になっている点から聞きます。顧客の関心は見直しを考えたきっかけに向いているため、家族や仕事の話は、その気になる点の背景として後から聞くほうが自然です。
マネージャーは同行や面談記録を見るとき、上の項目のうち何を聞けていて、何が抜けていたかを確かめます。聞けなかった項目を責めるより、次の面談でどの項目をどの順番で聞くかを担当者と決めるほうが、次の行動につながります。項目の一覧をチームで共有しておけば、担当者ごとに聞けた項目と抜けた項目を同じ一覧で見比べられます。
参考:【実践】保険営業のコツを解説!成功する人の7つの行動とNG例|UPWARD株式会社
次回までに双方が準備することを決めて面談を終える
初回面談は、聞き取った内容を振り返り、次回までに顧客と営業担当者のそれぞれが準備することを決めてから終えます。準備の中身が決まっていれば、次の面談は初回の続きとして始められ、顧客も何のために再び会うのかが分かります。
顧客側の準備には、加入中の保険証券や勤務先の福利厚生の資料を手元にそろえる、配偶者など家族と保障について話し合っておく、といったものがあります。営業担当者側は、聞き取った状況をもとに考え方の整理や比較の材料を用意し、初回で答えられなかった質問を調べておきます。
面談の終わりには、聞き取った内容を顧客に短く伝え返し、理解に誤りがないかを確かめます。「ご家族の生活費の備えと、お子さまの進学費用が気になっているということで合っていますか」のように顧客の言葉を使って確認すると、次回の提案がどの話にもとづくのかを双方で共有できます。聞き違いがあれば、その場で直してもらえます。
次回の日程や連絡方法も、準備の内容とあわせて決めます。いつまでに何をそろえるかは顧客の都合に合わせて決め、担当者はその約束どおりに連絡します。準備を決めずに「また連絡します」と面談を終えると、顧客は次に何が起きるのかが分からず、連絡を受けたときに保険の話を急に持ちかけられたように感じることがあります。
マネージャーが振り返りで確かめるのは、担当者が面談の最後に伝え返しをしたか、双方の準備を具体的な言葉で決めたか、次回の見通しを顧客と共有したかの3点です。初回面談で聞き取った内容と決めた準備は、顧客の意向を把握して提案と説明につなげるときの材料になります。次のセクションでは、聞き取った意向を提案と説明に活かす進め方を整理します。
顧客の意向を把握して、提案と説明に活かす
意向の把握から確認までは4つの段階で進める
顧客の意向を提案と説明に活かす流れは、4つの段階で進めます。意向を把握し、その意向に沿って提案し、契約内容を説明し、最後に意向と契約内容が合っているかを顧客が確かめます。面談の後半は、この順番で組み立てます。
この流れは、保険募集のルールにも示されています。金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」II-4-2-2(3)によると、保険業法第294条の2に関して、保険募集では次の対応が求められています。[4]
- 顧客の意向を把握する
- 把握した意向に沿った保険契約を提案する
- 提案した保険契約の内容を説明する
- 顧客の意向と契約内容が合っていることを、顧客が確認する機会を設ける
初回面談で聞き取った家族や仕事、今後の予定、心配していることは、最初の段階の材料になります。提案はその意向に沿って作り、説明では提案した契約の中身を伝えます。最後の段階は、担当者が「合っている」と判断して終わるものではありません。顧客自身が確かめる機会として設けるものです。
マネージャーが面談を振り返るときは、4つの段階のどこが抜けていたかを見ます。説明が丁寧でも、その前に意向を聞けていなければ、提案の理由を顧客に示せません。監督指針の記載は改正されることがあるため、社内の研修資料に引用する場合は、最新の記載と所属会社の社内規則をあわせて確認します。
参考:保険会社向けの総合的な監督指針(II-4 業務の適切性)|金融庁
顧客の言葉で意向を記録し提案の根拠にする
聞き取った意向は、担当者の要約に置き換える前に、顧客が話した言葉のまま記録します。顧客が「子どもが大学を出るまでは、自分に何かあっても学費は払えるようにしておきたい」と話したなら、「教育費の保障を希望」とまとめる前に、その言葉を残しておきます。
顧客の言葉を残すのは、要約するときに担当者の解釈が混ざるからです。提案を考える段階になると、担当者は勧めたい商品に合う方向へ、意向を知らないうちに読み替えてしまうことがあります。元の言葉が記録にあれば、提案が顧客の話から離れていないかを、担当者自身もマネージャーもあとから確かめられます。
記録から提案、説明までは、次の順番で結び付けます。
- 面談中に、顧客が備えたいことや心配していることを、話した言葉のまま書き留める
- 面談後に、その言葉を「何に備えたいか」「いつまで備えたいか」「どれを優先したいか」に分けて整理する
- 提案の各項目に、どの言葉にもとづくのかを書き添える
- 説明では「学費の心配をされていたので」のように、顧客の言葉を示してから提案の理由を話す
顧客は、自分の話した言葉が提案の理由として使われていると分かれば、その提案が自分の事情に合っているかを判断しやすくなります。反対に、どの言葉にも結び付かない項目が提案に含まれている場合は、その項目を外すか、顧客にあらためて考えを尋ねます。記録の様式や残す項目は、所属する保険会社や代理店の定めに従います。
記録に残す言葉の質は、面談中の質問の組み立てで変わります。聞き取りの質問をどの順番で組み立てるかを見直したい場合は、顧客の状況を聞き出す質問の組み立て方と聞き取りの流れもあわせて確認するのがおすすめです。
商談・営業スキル 営業ヒアリングのコツと流れ|質問例とシート項目
説明後、意向と契約内容の合致を確認する
契約内容の説明が終わったら、最初に聞いた意向と、これから申し込む契約の内容が合っているかを顧客と一緒に確かめます。判断の目安は、顧客が自分の言葉で「この契約は何に備えるためのものか」を話せるかどうかです。
前述の監督指針でも、意向と契約内容が合っていることを顧客が確認する機会を、流れの最後に置いています。この確認は、担当者が説明し終えたかを確かめる作業とは別のものです。「ご不明な点はありませんか」と尋ねて顧客が「大丈夫です」と答えても、意向とのずれは見つかりません。記録した顧客の言葉と契約内容を並べて見せ、「学費の備えとして考えていた内容と合っていますか」と具体的に尋ねます。
面談を重ねるうちに、顧客の意向が最初と変わることもあります。家族と話し合った結果、保険料の上限を下げたいと考えが変わるといった場合です。そのときは、何がどう変わったのか、なぜ変わったのかを顧客と確かめ、記録に残してから確認に進みます。説明の途中で顧客が別の保障を気にし始めた場合も、意向の聞き取りに戻るサインとして扱います。
確認に使う書面や記録の残し方、確認のタイミングは、所属する保険会社や代理店の社内規則で定められています。面談の進め方を見直すときは社内規則の手順を優先し、判断に迷う点はコンプライアンス部門に確認します。この4つの段階を担当者全員が同じ順番で実践するには、面談を振り返る観点をチームで共有しておく必要があり、次のセクションではその進め方を整理します。
面談の振り返りをチームでそろえる
ここまでの進め方を担当者が身に付けるには、同行や面談記録をもとに振り返る場を持つことが役立ちます。見る観点は面談の流れに合わせて、信頼形成、意向の聞き取り、提案と説明、意向との合致の確認の4つにそろえます。印象ではなく担当者の発言や顧客の反応を事実として記録し、次の面談で試す行動を一つに絞ります。
観点ごとの事実をもとに指摘を伝える具体的な手順は、感想ではなく観点ごとの事実として指摘を伝える方法で詳しく扱っています。
営業戦略・KPI設計 募集品質フィードバックの方法|保険営業の指導観点
金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」II-4-2-9によると、保険業法第294条の3の保険募集人の体制整備義務に関して、募集に従事する者の育成と資質の向上を図るため、教育・管理・指導を社内規則等に定めて行うことが求められています。[5]振り返りを始める前に、所属する保険会社や代理店の社内規則で教育や指導の進め方がどう定められているかを確認し、観点の用語や順番を社内の意向確認の手順とそろえます。
参考:保険会社向けの総合的な監督指針(II-4 業務の適切性)|金融庁
同行のたびに見るところが変わってしまうなら、振り返りで確認する項目を先にそろえておきましょう。社内規則と照らしながら自チームの確認項目として整えておくと、同行後の話し合いを同じ観点から始められます。
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保険営業で避けたい行動と見直し方
商品説明から入り顧客の話を途中で遮る
顧客の話を途中で遮って説明を始める担当者は、疑問に先回りして答えるのが親切だと考えている場合があります。しかし顧客の側には、話そうとしていた事情を最後まで聞いてもらえなかったという印象が残り、その後の面談で自分の事情を話さなくなることがあります。
チームで起きやすい避けたい行動を、起きやすい場面と見直し方に分けて整理すると次のとおりです。
| 避けたい行動 | 起きやすい場面 | 見直し方 |
|---|---|---|
| 商品説明から入り、顧客の話を途中で遮る | 顧客が保険料や保障の名前を口にした直後 | 顧客の話が終わるまで待ち、要点を言葉で返してから説明に入る |
| 意向を確かめないまま提案内容を決める | 面談前に勧める商品を決めて臨んだとき | 提案の各項目を、記録した顧客の言葉と照らして確かめる |
| 振り返りが結果への指摘だけで終わる | 契約にならなかった面談の直後 | 4つの観点で事実を拾い、次に試す行動を一つ決める |
3つの行動は、いずれも面談の流れのどこかを飛ばしたときに起きています。見直すときは、4つの観点のどこが抜けていたかを先に特定してから、次に試す行動を決めます。
見直すときは、振り返りの「意向の聞き取り」の観点で、話を遮った場面の顧客の発言と、その後に顧客が話さなくなった話題を拾います。次の面談で試す行動は「顧客の話が終わったら要点を言葉で返し、そのあとで説明を始める」のように一文で決めます。
顧客が面談の冒頭から特定の商品の説明を求めている場合は、説明に入っても話を遮ったことにはなりません。求められた説明に答えたうえで、説明を求めた理由と家族や仕事の状況を聞き、流れを聞き取りへ戻します。
意向を確かめないまま提案内容を決めてしまう
面談の前に勧める商品を決めてしまい、聞き取りを形式的に済ませる行動も避けたいものの一つです。判断の目安は、提案の各項目について、記録した顧客の言葉のどれにもとづくのかを担当者が説明できるかどうかです。説明できない項目がある提案は、意向を確かめないまま決めた可能性があります。
見直すときは、提案書を作る前に面談記録を読み返し、根拠となる顧客の言葉がない項目を洗い出します。該当する項目は提案から外すか、次の面談で顧客にあらためて考えを尋ねます。意向の把握から確認までの流れは前述の監督指針にも示されているため、社内規則で定める意向確認の手順と照らし合わせ、流れのどこが抜けていたかもあわせて確かめます。
マネージャーは振り返りで、「提案と説明」の観点から「この項目は、お客様のどの話から提案したのか」を担当者に尋ねます。担当者が答えられない項目があれば、それが次の面談で聞き直す内容になり、担当者自身が抜けに気付くきっかけにもなります。
振り返りが結果への指摘だけで終わる
「今回は契約にならなかった」「次は決めてこよう」といった結果だけを話題にする振り返りでは、担当者は次の面談で何を変えればよいのかを決めにくくなります。結果の原因が面談の流れのどこにあったのかが分からないまま、同じ進め方を繰り返しやすくなります。
見直すときは、結果の話を振り返りの最後に回します。先に4つの観点で面談の事実を一つずつ拾い、次の面談で試す行動を一つ決めてから、結果について話します。次回の振り返りでは、結果より先に、決めた行動を試せたかどうかを確認します。
決めた行動を実際の面談で使えるようにするには、面談の前に練習しておくと安心です。初回面談やヒアリングなど場面ごとの練習を組みたい場合は、場面別の台本を使った保険営業のロープレの進め方で、台本の作り方と評価の観点を確認できます。
商談・営業スキル 保険営業ロープレ台本の作り方|場面別トーク例と評価項目・NGトーク集
まとめ
保険営業のコツは、初回面談で面談の目的を顧客と共有し、商品より先に家族や仕事、今後の予定、心配していることを聞き取ってから提案する流れにあります。聞き取った意向は顧客の言葉のまま記録して、提案と説明の根拠にします。そのうえで、意向と契約内容が合っているかを顧客と一緒に確かめます。
意向の把握から確認までのこの流れは、金融庁の監督指針にも示されています。担当者ごとの振り返りでは、信頼形成、意向の聞き取り、提案と説明、意向との合致の確認の4つの観点を共有します。そして、同行や面談記録から拾った事実をもとに、担当者ごとに次の面談で試す行動を一つ決めます。観点表や振り返りの進め方は、所属する保険会社や代理店の社内規則と照らし合わせたうえで使い始めます。
次の面談から同じ観点で振り返るために、確認項目を一枚にまとめておきましょう。営業レビューの基準をチームでそろえるためのテンプレートは、自チームの観点表を作るときの下書きとして使えます。
マネージャーごとのレビューのズレを、7つの観点と1点・3点・5点の基準で整理できます。
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