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営業育成・研修

SaaS管理職研修の設計方法|営業プロセス別の管理行動と指標を整理

SaaS管理職研修の設計方法|営業プロセス別の管理行動と指標を整理

▼ この記事の内容

SaaS管理職研修は、役職別の一般論だけで組み立てず、営業プロセス上の停滞箇所、管理職が見る行動、研修後に確認する指標を結び付けて設計します。研修の実施自体が営業成果を保証するものではありません。

SaaS営業組織では、IS、FS、CS、営業企画の役割が分かれるほど、管理職が確認する数字や案件レビューの基準も分かれます。一般的な管理職研修の内容をそのまま当てはめると、現場で何を変えるかが曖昧になりがちです。

研修会社を比較する前に、対象者、営業プロセスの課題、管理行動、確認指標、研修後の運用条件を整理しておきます。人事と営業責任者が同じ条件で提案を比較できる状態を目指します。

人事と営業責任者が同じ設計図を持てるよう、部門別の違いと案件レビューの観点を順に確認します。

SaaS管理職研修で事前に決める設計条件

本記事では、対象者、営業プロセス上の課題、管理行動、確認指標を一枚で対応させる表を「研修・案件レビュー接続表」と呼びます。研修テーマを増やす前に、この四要素から管理職が変える仕事を具体化します。

対象者営業プロセス上の課題研修で扱う管理行動研修後の確認指標
IS管理職商談化前の情報不足仮説・確認済み課題・次回確認事項を分ける引き継ぎ情報の記録
FS管理職案件進行条件の不一致次の営業行動と確認事項を分ける案件レビューでの確認項目
CS管理職導入後の確認事項の不一致利用状況と次の対応を区別するレビュー後の次の行動
営業企画部門ごとの指標定義の不一致会議目的と指標定義を揃える同じ条件で確認できた指標

対象者と求める管理行動を定める

新任管理職、既任マネージャー、営業企画では、研修で扱う管理行動が異なります。対象者の役職名だけでなく、案件をどう確認し、誰へどの情報を渡すかまで定義し、必要な能力は営業スキル研修で扱う能力と照合します。

たとえば、案件レビューが中心なら、レビューの頻度だけでは不十分です。失注理由、次の確認事項、担当者へのフィードバックを同じ条件で見られるかを確認します。

研修の範囲は組織規模や販売プロセスで変わります。設計手順は研修効果や営業成果を保証するものではないため、現状の課題と照合して決めます。

営業プロセスの課題からテーマを選ぶ

テーマは、一般的なリーダーシップ論から選ぶのではなく、商談化率の低下、案件進行の停滞、引き継ぎ情報の不足などから選びます。課題が曖昧なままでは、受講後に確認する行動も曖昧になります。

商談記録や会議メモがある場合は、管理職ごとに判断が分かれる場面を拾います。記録がない場合は、営業責任者と管理職への聞き取りで、確認したい場面を仮置きします。

仮置きした内容は、研修後の案件レビューで再確認できる形で残します。研修前後で同じ営業場面と判断基準を見比べ、次に扱うテーマを決めます。

一般的な管理職研修に営業プロセスの視点を加える

一般的な管理職研修に、案件の進捗や部門間の引き継ぎを確認する視点を加えます。

評価面談と案件レビューを混同しない

評価面談は個人の成長を扱い、案件レビューは次の営業行動を扱います。同じ会話に詰め込むと、メンバーが何を準備すべきか分かりにくくなります。

研修では、面談で確認することと案件レビューで確認することを分けます。管理職が持ち帰る質問を分けたうえで、営業研修が実務で機能しない要因と照合し、会議の目的と研修後の確認方法を揃えます。

一般的な研修内容を残すかは、労務や評価制度の運用状況にも左右されます。営業成果との因果関係を断定する材料にはしません。

対話や評価の基礎へ営業プロセス上の判断を重ねる際は、Salesforceの営業モデルの解説を、自社の営業活動を整理するための確認資料として使えます。一般的な管理職研修と営業固有の判断のどちらか一方に偏らず、現場の仕事に合わせて範囲を定めます。

参考:営業モデルの解説|Salesforce

IS・FS・CS・営業企画別の管理行動とレビュー観点

部門名ではなく、顧客との接点と引き継ぎ時に必要な判断で管理行動を分けます。共通KPIを増やすより、部門ごとに次の行動を決めるための観点を揃えます。

ISは商談化前の情報を確認する

ISの管理職は、商談数だけでなく、どの条件で次の会話へ進めたかを確認します。引き渡す情報が不足すると、FS側の案件レビューで前提確認が増えます。

研修では、仮説、確認済みの課題、次回確認事項を分けて記録する練習ができます。記録形式は既存の営業プロセスに合わせて決めます。

営業支援の考え方を日々の管理業務に取り入れる方法は、育成と成果管理をつなぐ考え方も参考になります。

FS・CS・営業企画は引き継ぎの判断基準を揃える

FSは案件の進行条件、CSは導入後に確認する利用状況、営業企画は指標と会議の設計を扱います。全員に同じ研修テーマを割り当てる前に、判断が接続する地点を見ます。

部門間で確認する言葉が違う場合は、共通化する語と部門固有の語を分けます。共通化は、全員の仕事を同じにすることではありません。

連携や導入条件を確認したい場合は、導入前に確認したい提供条件を参照できます。

研修後に確認すべき行動指標と成果指標

研修後は、管理行動を示す指標と営業プロセスの指標を分け、事前に定義した同じ条件で確認します。指標を分けても、研修による成果やROIが確定するわけではありません。

管理行動を示す指標を先に設定する

行動指標には、案件レビューの実施状況、確認項目の記録、フィードバック後の次の行動などがあります。どの指標を使うかは、管理職が実際に変える仕事に合わせます。

結果だけを追うと、何を直すべきか分からなくなります。レビューの質を誰がどう確かめるかも、研修設計と同時に決めます。

営業研修の定着に必要な運用条件は、研修後の運用条件で確認できます。

営業プロセスの指標は比較条件を固定する

営業プロセスの指標を確認するときは、対象チーム、期間、商材、定義を揃えます。条件が違う数値を並べても、研修の影響とは判断できません。

受注率や解約率には、研修以外にも商材、顧客構成、営業施策などが影響します。対象チームや期間を揃えても、研修だけの影響とは判断できません。

指標が動かなかった場合も、研修が無意味だったと即断せず、管理行動とプロセスのどこが未確認かを見直します。

研修会社を比較する前に確認する質問

研修会社の比較では、提供形態だけでなく、自社の課題、社内の担当、研修後に残る運用を確認します。未使用のサービスを優劣で並べず、必要な質問を先に揃えます。

比較表の作成前に社内の質問を揃える

まず、誰を対象にするか、どの営業場面を扱うか、研修後に誰がレビューを続けるかを確認します。この三点が曖昧だと、提案内容の違いを比較しにくくなります。

費用を比べる場合は、初期準備、参加者の時間、管理者のレビュー工数、支援範囲を分けます。不明な価格や運用負荷を推測で埋めません。

比較軸の整理には、営業研修を選ぶ前に見る比較軸も使えます。

汎用研修で終わらせないための運用条件

研修を一回の受講で終わらせず、案件レビューと次の練習テーマへ戻す条件を決めます。運用に残る作業を隠さず、担当者と確認の場を明確にします。

管理職が更新する判断基準を残す

研修で使う評価基準は、一度決めたら固定するものではありません。商材、顧客像、営業プロセスが変われば、確認する問いも見直す必要があります。

更新を担当者任せにしないため、誰が根拠を確認し、どの会議で基準を変えるかを決めます。AIやツールを使う場合も、この判断は組織に残ります。

汎用研修が合わないという結論を急ぐ必要はありません。まずは、今の案件レビューに足りない判断材料を特定します。

まとめ

SaaS管理職研修は、対象者、営業プロセス上の課題、管理行動、確認指標を結び付けて設計します。役職別の一般論だけで終えず、案件レビューで何を確認するかを具体化します。

研修後は、管理行動の指標と営業プロセスの指標を分け、同じ条件で確認します。指標の変化を研修だけの成果と断定せず、未確認の条件を残します。

研修会社を比較する前に、対象者、扱う場面、社内に残る運用を整理してください。自社に必要な質問が揃うと、提案内容を比較しやすくなります。

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この記事を書いた人
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谷本潤哉
元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。