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SFAツールとMAを併用するには?|引き渡し条件・データ連携・選定の判断軸

SFAツールとMAを併用するには?|引き渡し条件・データ連携・選定の判断軸

▼ この記事の内容

SFAとMAを併用するときは、製品を比べる前に、営業とマーケティングの担当範囲、営業へ引き渡す条件と戻す条件、連携するデータ項目と方向を決めます。決めた内容を連携方式の確認と製品比較の判断表に使うと、候補を同じ基準で比べられます。

SFAツールとMAを併用することは決まったものの、マーケティング部門とのあいだで「どの状態の見込み顧客を営業へ渡すか」「商談の結果を何として返すか」が決まらず、製品の比較も始められない。こうした状況では、製品の資料を集めても、どの基準で比べればよいかが定まりません。

SFA・CRM・MAが顧客のどの段階を受け持つかはSFAツールの機能とCRM・MAとの違いで整理しています。本記事では併用を前提に、社内で決める順番に絞って説明します。

営業AI・営業DX SFAツールとは?機能とCRM/MAの違いをやさしく解説

扱う順番は、営業とマーケティングの担当範囲、営業へ引き渡す条件と戻す条件、MAとSFAの間で引き継ぐデータ項目と方向、標準コネクタ・API・オールインワンの連携方式の確認、製品比較の判断表、併用後の運用責任者と見直しの項目です。顧客の段階ごとの主担当を書き出す「担当範囲表」、受け渡す項目と方向を決める「データ項目表」、候補製品への確認結果を並べる「製品比較の判断表」は、そのまま埋めてマーケティング責任者や情報システム担当との打ち合わせに使える形で載せています。

併用の設計と合わせて、引き渡した後に営業側で追う数字も先に整理しておきたい場合は、次の資料を使えます。


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SFAとMAを併用する前に決める営業とマーケティングの担当範囲

担当範囲とは、見込み顧客の獲得から受注・失注後の再育成までの段階ごとに、主担当の部門と主に記録するツールを1つずつ決めたものです。ここが決まっていないと、引き渡し条件も連携する項目も、話し合うための前提がそろいません。

最初に決める連携の目的と担当範囲

SFAとMAを併用するときは、製品を比べる前に、連携で何をしたいかを書き出し、営業とマーケティングの担当範囲を決めます。続けて引き渡し条件と連携する項目・方向を決めると、その内容がそのまま製品比較の判断軸になります。

シャノンの公開解説では、連携で何をしたいのかを書き出すと必要な連携項目と方向(片方向か双方向か)が決まり、ツールを比較するときの判断軸になるとの説明です。[1]Mazricaの解説でも、部門ごとに扱う情報の役割分担と、営業へ引き渡すタイミングの基準を連携前に合意しておく必要があるとしています。[2]どちらもSFA・MAを提供する事業者の解説ですが、製品より先に社内の決め事を固めるという順番は共通しています。

目的は「誰が、どの顧客に対して、何をするか」が分かる文で書き出します。「展示会で集めた見込み顧客のうち、製品資料をダウンロードした相手だけを営業が追う」「失注した商談の相手を、半年後にマーケティングのメール配信へ戻す」といった書き方です。「部門間の情報共有を進める」のような文では、どの項目をどちら向きに渡すかが決まらず、製品を比べる観点も出てきません。

書き出した目的ごとに、その場面の主担当が営業とマーケティングのどちらかを決めます。どちらのツールに記録し、どの時点で相手の部門へ渡すかは、主担当が決まってから話し合う論点です。反対に、獲得から商談までを同じ担当者が受け持つ少人数の組織では、部門の境界を細かく書き出す必要は小さくなります。その場合も、どの時点から商談としてSFAに記録するかだけは決めておくと、後から連携を広げるときに判断が割れにくくなります。

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

参考:MA・SFA・CRMの違いとは?特徴・活用方法・連携メリットを解説|Mazrica

マーケティングと営業が扱う情報の分け方

Mazricaの解説では、マーケティング部門が潜在顧客の情報を、営業部門が商談のデータを扱うといった形で、部門ごとに扱う情報を分けて合意しておく必要があるとしています。併用の設計では、この分担を「どちらの部門がその情報を更新し、どちらのツールの値を正とするか」まで決めます。

マーケティングが持つのは、まだ商談になっていない相手の情報です。問い合わせや資料請求の内容、Webページの閲覧、メールへの反応などがこれに当たり、配信を続けるか、営業へ渡すかを判断する材料になります。営業が持つのは、商談になった相手の情報です。商談の段階、提案した内容、次に取る行動、受注・失注の結果を記録し、案件をどう進めるかの判断に使います。

分担を決めずに連携すると、同じ顧客の情報を2つの部門が別々のツールで書き換える場面が生まれやすくなります。会社名や担当者の部署をMAでもSFAでも修正できる状態では、どちらが最新の値かを確かめにくくなります。項目ごとに更新する部門を1つに絞っておけば、連携で値が上書きされたときにも、どちらの記録を残すかを判断しやすくなります。

見込み顧客への初回の接触をインサイドセールスが担う組織では、マーケティング・インサイドセールス・営業の3部門で情報を分けます。インサイドセールスがヒアリングした課題や検討時期をMAとSFAのどちらに記録するかは、組織によって答えが変わる論点です。ここを空欄にしたまま製品を選ぶと、導入後に記録先が担当者ごとに分かれやすくなるため、製品を選ぶ前に決めておきます。

参考:MA・SFA・CRMの違いとは?特徴・活用方法・連携メリットを解説|Mazrica

担当範囲表で部門の境界を書き出す

担当範囲は、顧客の段階ごとに「主担当」「扱う情報」「主に記録するツール」「次の担当へ渡す時点」を1行ずつ書き出すと、部門の境界が見えてきます。次の表は、段階名を自社の呼び方に置き換えて使う、編集部が提案する担当範囲表のひな型です。

顧客の段階主担当扱う情報主に記録するツール次の担当へ渡す時点
見込み顧客の獲得(問い合わせ・資料請求・展示会)マーケティング連絡先、流入元、問い合わせの内容MA育成の対象として決めた条件に入った時点
育成(メール配信・セミナー案内)マーケティングWeb閲覧、資料ダウンロード、メール開封などの行動履歴とスコアMA営業へ引き渡す条件を満たした時点
初回の接触と商談化の確認インサイドセールスまたは営業接触の記録、課題と検討時期のヒアリング内容SFA商談として登録した時点
商談から受注・失注まで営業商談の段階、提案内容、次の行動、結果SFA受注・失注が確定した時点
失注・保留後の再育成マーケティング失注・保留の理由、再接触の時期MA再び引き渡す条件を満たした時点

書き出すときは、まず自社で使っている段階名を上から順に並べます。次に、各段階の主担当を1部門だけ書きます。2部門を併記すると、その段階で顧客に連絡する人と記録を更新する人が決まらないためです。ひな型で「インサイドセールスまたは営業」としている行は、自社の体制に合わせてどちらか1部門に書き換えます。扱う情報と記録するツールを埋めたら、最後の「次の担当へ渡す時点」は仮の言葉のままで構いません。

表を埋めると、主担当が書けない段階や、どのツールにも記録されない段階が見つかります。初回の接触を誰が行うか決まっていない段階や、失注した顧客がどの部門にも戻らない段階が見つかった場合は、マーケティング責任者との打ち合わせで最初に取り上げます。

営業マネージャーが表の案を作り、マーケティング責任者と一緒に行ごとに確認すると、合意した内容と保留にした内容を分けて残せます。仮の言葉のまま残した「次の担当へ渡す時点」の列は、次のセクションで扱う引き渡し条件と戻し条件を決めながら書き直していきます。

営業へ引き渡す条件と営業から戻す条件の決め方

引き渡し条件はMAから営業へリードを渡す基準で、戻し条件は、営業が追わないと判断したリードや失注・保留になった相手をMAへ戻す基準です。両方を同じ表に並べて決めると、どちらの部門も受け持っていない段階の顧客を見つけやすくなります。

引き渡すリードの定義を部門間でそろえる

営業へ引き渡すリードは、「どの属性の相手が、どの行動をとったら渡すか」を文で定義し、その定義をマーケティング責任者と合意してから連携の設定に使います。Mazricaの解説では、リードの定義と営業へ引き渡すタイミングの基準を部門間で統一しておく必要があるとしています。シャノンの公開解説でも、連携時の注意点の一つはリードの定義を部門間でそろえることです。

定義は、属性の条件と行動の条件に分けて書きます。属性の条件は、業種、従業員規模、役職、所在地など、営業が商談にしたい相手かどうかを判断する項目です。行動の条件は、料金ページの閲覧、資料ダウンロード、セミナーへの参加など、検討が進んでいるかどうかを判断する項目です。MAのスコアを使う場合も、何点で渡すかだけを決めるのではなく、その点数がどの行動の積み上げかを定義に書き添えます。点数だけで合意すると、後から配点を変えたときに、渡される相手の顔ぶれが変わったことに営業が気づきにくくなります。

段階の呼び方も、部門間で意味をそろえます。マーケティングが営業へ渡してよいと判断したリードをMQL、営業が商談として追うと判断したリードをSQLと呼ぶ組織もありますが、どこで線を引くかは組織ごとに異なります。用語だけを決めるのではなく、「誰が、何を確認して、その段階に進めたか」を定義の横に書いておくと、担当者が替わったときにも判断の根拠をたどれます。

スコアとは別に、例外として扱う条件も書き出します。問い合わせや見積依頼のように相手から連絡を求めてきた場合は、スコアに関係なくすぐ営業へ渡す、といった条件です。例外を書いておかないと、スコアの基準に届かない問い合わせがMAの中に残り、返事を待っている相手への連絡が遅れることがあります。

定義を決めるときは、引き渡した後に営業が対応しなかったリードをどう扱うかも同時に話し合います。引き渡しから何日たっても接触の記録がない場合に誰が確認するかを決めておくと、渡したリードの行き先を追いやすくなります。日数は営業の対応件数に合わせて組織ごとに決め、その後の扱いは、次に決める戻し条件の一つとして表に加えます。

参考:MA・SFA・CRMの違いとは?特徴・活用方法・連携メリットを解説|Mazrica

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

営業から戻す条件と戻すときの情報を決める

戻す条件は、引き渡し条件と同じ表に「営業からマーケティングへ戻す時点」と「戻すときに付ける情報」として並べて決めます。営業が追わないと判断したリードや、失注した商談の相手をいつMAの育成対象へ戻すかが決まっていないと、その顧客がどの部門からも連絡を受けないまま残るおそれがあります。

戻す場面は、主に3つあります。引き渡した後に営業が接触できなかった場面、接触したものの今は商談にならないと判断した場面、商談が失注または保留になった場面です。シャノンの公開解説では、MAとSFAで受け渡す項目の例として、商談化したリードの受け渡しと受注・失注結果の返却を挙げ、目的に直結する最小限の項目から始めるよう勧めています。[1]戻すときに付ける情報も、理由と再接触の時期のように、マーケティングが次の配信を決めるのに使う分だけに絞ります。

次の表は、引き渡しと戻しを1枚で決めるために編集部が提案する「引き渡し・戻し条件表」のひな型です。「条件」の列は自社の定義に書き換えて使います。

場面方向条件付ける情報判断する人
営業へ引き渡す(通常)MA→SFA属性の条件と行動の条件を満たした流入元、主な行動履歴、スコアマーケティング
営業へ引き渡す(例外)MA→SFA問い合わせ・見積依頼を受けた問い合わせの内容マーケティング
接触できなかったSFA→MA決めた日数のうちに接触できなかった接触を試みた記録営業
今は商談にならないSFA→MAヒアリングで検討時期が先だと分かった理由、再接触の時期営業またはインサイドセールス
失注・保留SFA→MA失注または保留が確定した理由、再接触の時期営業

表を埋めるときは、最初に「判断する人」の列を決めます。戻すかどうかは顧客と話した営業が判断し、戻した後にどの配信へ入れるかはマーケティングが判断する、という分け方が基本です。次に、戻す理由を「予算」「時期」「他社を採用」「担当者が不在」のような選択肢として決めます。自由記述だけでは理由の表現がばらつき、配信先を分ける前に分類し直す必要が生じるためです。選択肢を配信条件に使えるかは、利用するMAの設定で確認します。

戻すときに、営業の商談メモを全文渡す必要はありません。マーケティングが使うのは、次にどの内容をいつ届けるかを決める情報です。

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

引き渡し条件の合意で割れやすい論点

引き渡し条件の合意で意見が分かれた場合に論点になるのは、件数と質のどちらを優先するか、スコアの配点を誰が決めるか、引き渡した後に営業が対応しなかったリードをどう扱うか、の3点です。いずれも各部門の作業量や見ている数字に関わるため、条件の文言を詰める前に論点として並べておくと、どの論点から話し合うかを先に決められます。

件数と質の論点で向き合うのは、条件を緩めると営業が対応する件数が増え、厳しくするとMAで育成を続ける相手が増えるという関係です。マーケティングは渡した件数を、営業は商談になった割合を見ている場合、同じ条件でも両部門の評価が分かれます。この論点では、営業が1週間に追える件数を営業マネージャーが示し、そこから条件の厳しさを逆算すると、両部門が同じ件数を前提に話し合えます。

スコアの配点をMAで設定するのがマーケティングであっても、どの行動を高く評価するかの判断材料になるのは営業の商談経験です。シャノンの公開解説では、連携時の注意点として、データクレンジングとスコアリングの初期設定に手間がかかることを挙げています。最初の配点で決めきろうとせず、配点を変えるときは営業へ知らせる手順だけを先に決めておくと、両部門が同じ数字を見続けられます。

対応しなかったリードの論点では、マーケティングからは渡したリードが放置されているように見え、営業からは優先度の低い相手を後回しにしただけに見えます。前の表で決めた「接触できなかった」の戻し条件を使い、決めた日数を過ぎたらMAへ戻すのか、先に営業へ確認するのかを決めておきます。戻す流れが決まっていれば、放置かどうかを個別に議論する場面を減らせます。

3つの論点のうち合意できないものが残る場合は、引き渡しの範囲を絞って始めるのが一つの方法です。問い合わせや見積依頼のように相手から連絡を求めてきたリードだけを引き渡しの対象にし、スコアによる引き渡しは運用しながら条件を足していきます。範囲を絞った場合も、引き渡すリードに何の情報を付けるかは必要になるため、次のセクションでMAとSFAの間で受け渡す項目と方向を決めます。

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

MAとSFAの間で引き継ぐデータ項目と連携の方向

MAとSFAの間で受け渡す項目は、MAから渡すリード情報・行動履歴・スコアと、SFAから返す商談の結果に分けて決めます。項目ごとに発生元・受け手・方向・確認者まで決め、最初は受け手が判断に使う項目だけに絞ります。

MAからSFAへ渡す項目|リード情報・行動履歴・スコア

MAからSFAへ渡す項目は、リード情報、行動履歴、スコアの3種類に分けて決めます。リード情報で相手が誰かを、行動履歴とスコアで検討がどこまで進んでいるかを、営業がSFAの画面だけで把握できるようにするのが、この方向の連携の目的です。

Mazricaの解説では、MAで獲得したリード情報と、Web上での行動などの行動履歴(アクティビティログ)をSFA・CRMの側で扱えることを、連携のメリットとして挙げています。[2]セールスフォース・ジャパンの解説でも、Webページの閲覧履歴、資料ダウンロード、メール開封といったMAの行動データとスコアリングの結果を、営業の活動に生かす使い方を紹介しています。[3]

リード情報は、会社名、氏名、部署、役職、連絡先、流入元などの項目です。前のセクションで決めた引き渡し条件のうち、属性の条件に使った項目もここに含めます。SFAで商談を登録するときの基本情報になるため、営業がMAを開かなくても、相手が誰で、どの経路から来たかが分かる範囲をそろえます。

行動履歴は、MAに記録されたすべての行動を渡す必要はありません。引き渡し条件に使った行動と、引き渡し直前に見ていたページや資料に絞ると、営業は初回の連絡で相手の関心を確かめる材料として使えます。スコアを渡す場合は、点数だけでなく、その点数がどの行動の積み上げかという定義を営業と共有しておきます。定義が伝わっていないと、営業は点数の高さを見ても、何を話題にすればよいかを判断しにくくなります。

連携できる項目と方向は、製品の組み合わせ、契約プラン、設定によって異なります。この段階では「営業が初回の連絡で使う項目は何か」を決めるところまでにとどめ、その項目を実際に渡せるかどうかは、連携方式を確認するときに製品提供元へ確かめます。

参考:SFA・CRM・MAの違いや活用方法とは?連携のメリットや事例も解説|セールスフォース・ジャパン

参考:MA・SFA・CRMの違いとは?特徴・活用方法・連携メリットを解説|Mazrica

SFAからMAへ返す項目|受注・失注の結果

SFAからMAへ返す項目の中心は、商談の結果です。受注・失注・保留の結果と、失注・保留の理由、再接触の時期を返すと、マーケティングはどの相手を育成に戻し、どの相手への配信を止めるかを判断できます。

シャノンの公開解説では、MAとSFAで受け渡す最小限の項目の例として、商談化したリードの受け渡しと、受注・失注結果の返却を挙げています。引き渡しだけを連携して結果が戻らないと、マーケティングは渡したリードがその後どうなったかを確かめられません。引き渡し条件が営業の判断と合っているかを見直す材料も手に入らなくなります。

返す項目は、商談になったかどうか、受注・失注・保留の結果、理由、再接触の時期の4つを基本にします。理由は、引き渡し・戻し条件表で決めた「予算」「時期」「他社を採用」のような選択肢のまま返すと、MAの側で「時期が理由の失注は半年後に再配信する」といった条件に使えます。受注した顧客を新規向けの案内から外す判断に使うのも、同じ結果の値です。

返す値はSFAに記録された値を正とし、その値を更新するのは顧客と話した営業です。マーケティングはその値を受け取り、配信の条件に使う側に回ります。結果や理由がMAの側で書き換えられると、営業の記録とマーケティングの配信条件が食い違うため、この方向の項目はSFAからMAへの片方向を基本にします。

結果の返却を最初の連携から外すかは、失注後の再育成だけでなく、受注済み顧客の配信除外や引き渡し条件の見直しに、その結果を使うかで判断します。これらの判断に必要な情報をSFAの共有画面などで別途確認できる場合は、自動返却を後回しにする選択もあります。先送りする場合は、確認する担当者と方法を決めておきます。

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

データ項目表で発生元・受け手・方向・確認者を決める

受け渡す項目は、「項目」「発生元」「受け手」「方向」「確認者」の5列で1行ずつ書き出すと、誰がどの値に責任を持つかが決まります。次の表は、ここまでに挙げた項目を行に置いた、編集部が提案するデータ項目表のひな型です。項目名は自社のMAとSFAで使っている名称に置き換えて使います。

項目発生元受け手方向確認者
会社名・氏名・部署・連絡先MA(フォーム入力・名刺の登録)SFAMA→SFA(引き渡し時)マーケティング
流入元(問い合わせ・資料請求・展示会など)MASFAMA→SFAマーケティング
引き渡し条件に使った行動履歴MASFAMA→SFAマーケティング
スコアMASFAMA→SFAマーケティング
商談化の有無SFAMASFA→MA商談化を判断する部門(営業かインサイドセールスのどちらか1つ)
受注・失注・保留の結果SFAMASFA→MA営業
失注・保留の理由(選択肢)SFAMASFA→MA営業
再接触の時期SFAMASFA→MA営業

書き出すときは、最初に連携の目的ごとに必要な項目を行に並べます。「発生元」にはその値が最初に入力されるツールを、「受け手」にはその値を見て判断する側のツールを書きます。「方向」は片方向が基本で、双方向にするのは両方のツールで値を更新する必要がある項目だけです。双方向にした項目は、値が食い違ったときにどちらの値を残すかも同じ行に書き添えます。

「確認者」には、値が正しいかを確かめ、誤りがあれば直す部門を1つだけ書きます。発生元のツールを使う部門を確認者にする利点は、値を入力する人と直す人が同じになり、修正の依頼が部門をまたがない点です。確認者を書けない項目は、連携しても誤りを直す人がいないため、最初の連携から外すか、保留として残します。

表を埋め終えたら、各行が次の2つの確認に使えます。1つは、項目ごとに「この値をこの方向に連携できるか」を製品提供元へ確かめる確認リストとしての使い方です。もう1つは、製品比較の判断表の「連携できる項目と方向」の行に、確認する条件として転記する使い方です。

最小限の項目から始める理由

SFAとMAの連携は、項目が多いほど役立つわけではありません。判断に使う目的が決まっている最小限の項目から始め、運用しながら足していくと、作業負荷と初期設定の手間を見積もれる範囲に収められます。

シャノンの公開解説では、連携時の注意点として、すべてを連携すると作業負荷が増えることを挙げ、目的に直結する最小限の項目から始めるのが現実的だとしています。Mazricaの解説でも、連携前のデータクレンジングが注意点の一つです。項目を1つ増やすごとに、表記ゆれをそろえる作業、MAとSFAの項目の対応づけ、値が食い違ったときの確認が増えていきます。

絞り込みに使うのは、データ項目表の各行に「受け手がこの値で何を判断するか」を書き添える方法です。判断の内容が書けない行と、確認者が決まらない行を、最初の連携から外します。外した項目は削除せず、表の下に「後で検討する項目」として残しておくと、運用中に必要になったときに、発生元や確認者を決め直して追加できます。

予算や工数を承認する立場の人へは、最初に連携する項目の一覧と、後で検討する項目の一覧を分けて示します。最初の範囲が小さいほど、製品提供元へ確認する項目もデータクレンジングの対象も絞られるためです。全項目の双方向連携を前提に見積もりを取ると、確認と設定の範囲が広がり、導入後にどの項目が実際に使われているかも見えにくくなります。

すでにMAとSFAの間で多くの項目を連携している組織の出発点は、使われていない項目の棚卸しです。受け手が判断に使っていない項目と、確認者のいない項目を洗い出し、連携を止めるか、確認者を決めるかを項目ごとに選びます。最初に連携する項目が決まったら、次のセクションでその項目をどの方式で連携するかを確認します。

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

参考:MA・SFA・CRMの違いとは?特徴・活用方法・連携メリットを解説|Mazrica

連携方式の確認手順|標準コネクタ・API・オールインワン

連携方式は、データ項目表で決めた項目と方向を実現できるかどうかを基準に、製品提供元への確認を通じて絞り込みます。進め方は、自社の状況から候補になる方式を選び、方式ごとの確認項目を尋ね、連携前の準備作業を見積もる順番です。

3つの連携方式の違い

SFAとMAをつなぐ方式は3つあります。1つ目は製品提供元が用意した標準コネクタを使う方法、2つ目はAPIを使って連携を個別に開発する方法です。3つ目は、SFA・CRM・MAの機能を1つにまとめたオールインワン型のツールを使う方法です。3つのうちどれが候補になるかは、いま使っている製品と、これから選ぶ製品の組み合わせで決まります。

シャノンの公開解説が挙げるMAツール選びの確認点の一つは、SFA・CRMとの連携に標準コネクタを使えるか、APIで個別に開発する必要があるかです。Mazricaの解説でも、連携する方法としてAPI連携と、機能を1つにまとめたオールインワンツールを紹介しています。[1][2]標準コネクタがあるかどうかと、そのコネクタで連携できる範囲は、製品の組み合わせごとに異なります。

自社の状況ごとに、候補になる方式と方式を決める前に確かめることを次の表に並べます。

自社の状況候補になる方式方式を決める前に確かめること
使っているSFAとMAの組み合わせに標準コネクタがある標準コネクタデータ項目表で決めた項目と方向を、そのコネクタで連携できるか
組み合わせに標準コネクタがない、またはコネクタで連携できない項目があるAPI連携APIで扱える項目、開発と保守を担う部門または外部の委託先
SFAとMAを新しく一式選ぶ、またはSFAとMAの両方の入れ替えを検討しているオールインワン型担当範囲表で決めた部門ごとの画面と権限を分けられるか、既存データの移行範囲

表の「確かめること」は、方式の良しあしを決めるものではありません。前のセクションで作ったデータ項目表の行を、それぞれの方式で実現できるかを確かめるための入口です。既存のSFAかMAのどちらかを使い続ける場合は、標準コネクタとAPI連携の2つから検討を始め、両方を入れ替える予定がある場合にオールインワン型を候補に加えます。

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

参考:MA・SFA・CRMの違いとは?特徴・活用方法・連携メリットを解説|Mazrica

連携方式ごとに製品提供元へ確認する項目

製品提供元への確認は、データ項目表の行をそのまま質問に変えて進めます。「この項目を、この方向に、どの方式で連携できるか」を1行ずつ尋ね、回答を表の横に書き足していくと、方式ごとの対応範囲を同じ形式で比べられます。シャノンの公開解説でも、連携で何をしたいのかを書き出すと必要な連携項目と方向が決まり、ツールを比べる判断軸になるとの説明です。

標準コネクタを候補にする場合は、連携できる項目と方向、双方向にした項目で値が食い違ったときの扱い、コネクタを使える契約プランと追加費用の有無を確認します。API連携を候補にする場合の確認点は、APIで読み書きできる項目、開発を自社で行うか外部に委託するか、製品の仕様が変わったときに連携を直す担当です。オールインワン型を候補にする場合は、営業とマーケティングで閲覧・編集できる範囲を分けられるか、いまのSFAやMAから移せるデータの範囲を確認します。

確認の場には、営業マネージャーとマーケティング責任者に加えて、情報システム担当が同席できる日程を選びます。認証の方式、顧客情報を扱う権限、連携の設定を変更できる人といった論点は、情報システム担当が判断に必要な材料を持っているためです。回答があいまいだった項目は「未確認」と書いたまま残し、確認できた項目と区別しておくと、候補製品を並べて比べるときに、どこがまだ比べられていないかがすぐに分かります。

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

連携前に見込むデータクレンジングと初期設定の手間

どの方式を選んでも、連携の前にはデータクレンジングと初期設定の作業が発生します。シャノンの公開解説では、連携時の注意点として、データクレンジングとスコアリングの初期設定にかかる手間を見込むことを挙げています。Mazricaの解説でも、連携の前にデータを整えることを注意点の一つとしています。[1][2]

データクレンジングでは、MAとSFAの両方に登録されている同じ顧客の重複をまとめ、会社名や部署名の表記ゆれをそろえます。連携した後に重複や表記ゆれが残っていると、同じ顧客の商談が別々に登録されたり、戻した結果が別の顧客に付いたりするおそれがあります。スコアリングの初期設定で行うのは、引き渡し条件に使う行動と点数の付け方を、営業と合意した内容に合わせる作業です。作業の量は、登録されている件数と連携する項目の数で変わるため、最初に連携する項目を絞っておくと見積もりの範囲も狭まります。

見積もりを依頼するときの注意点は、連携そのものの設定と、クレンジング・初期設定の作業を分けて尋ねることです。どこまでを製品提供元や委託先が行い、どこからを自社の担当者が行うかを項目ごとに確認し、自社側に残る作業には担当者の名前を書き入れます。方式ごとの対応範囲と自社側に残る作業が出そろったら、次のセクションの判断表に書き写し、候補製品を同じ基準で並べて比べます。

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

参考:MA・SFA・CRMの違いとは?特徴・活用方法・連携メリットを解説|Mazrica

SFAとMAの製品を比較するときの判断表

製品比較の判断表は、担当範囲・引き渡し条件・連携する項目と方向・連携方式の4つについて、候補ごとに製品提供元の回答を並べる、編集部が提案する表です。評価や順位は付けず、回答の中身と未確認の残り方で候補を比べます。

決めた内容を製品比較の判断軸に変える

SFAとMAの製品を比べるときは、これまでに決めた内容を判断表の各行に置き、候補製品を列に並べます。判断軸にするのは、担当範囲、引き渡し条件と戻し条件、連携する項目と方向、連携方式の4つです。機能の多さや画面の見やすさから比べ始めるより、自社が連携に求める条件を満たすかどうかで候補を並べる方が、比較の結論を社内で説明しやすくなります。

担当範囲表、引き渡し・戻し条件表、データ項目表の3つは、シャノンの公開解説が比較の判断軸になるとしている「連携で何をしたいか」を、部門の分担と項目の単位まで分けて書いたものです。表の行や列を製品提供元への質問として使えば、回答の違いがそのまま比較の差として手元に残ります。

置き換える作業の中心は、各表から比較に使う観点を取り出すことです。担当範囲表からは、段階ごとの主担当に合わせて画面と権限を分けられるかを取り出します。引き渡し・戻し条件表から取り出すのは、決めた条件をMAの条件設定やスコアで再現できるか、戻す理由をSFAの選択肢で返せるかです。データ項目表からは、決めた項目を決めた方向で連携できるか、確認者が値を直せるかを取り出します。製品の機能一覧に載っていても、自社の表のどの行にも対応しない機能は、この段階では比較の観点に加えません。

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

製品比較の判断表の使い方

判断表は、行に判断軸、列に候補を置き、各セルには製品提供元の回答と確認した日付を書き込みます。評価記号や点数は付けません。回答は「対応」「条件付き」「非対応」「未確認」に分け、条件付きの場合は必要な契約プランや追加作業も記録します。非対応と未確認を分けると、候補から外す判断と追加確認が必要な判断を区別できます。

判断軸転記元の表候補に確認すること候補A候補B候補C
連携方式連携方式の確認結果標準コネクタ・API・オールインワンのどれで連携するか、その方式を使える契約プラン
連携できる項目と方向データ項目表表の各行を決めた方向で連携できるか、双方向の項目で値が食い違ったときの扱い
引き渡し条件の設定引き渡し・戻し条件表属性と行動の条件、スコアの基準をMA側で設定できるか、戻す理由を選択肢で扱えるか
部門ごとの画面と権限担当範囲表主担当ごとに閲覧・編集できる範囲を分けられるか
運用責任者の負荷連携方式の確認結果設定の変更、連携の修正、データクレンジングのうち、自社の担当者に残る作業
未確認の項目すべての表回答がなかった点、回答があいまいだった点

候補を比べるときは、連携できる項目と方向に加え、自社に残る設定変更や保守の作業を確認します。この違いを確かめるため、表は次の3段階で使います。

  1. 判断軸・転記元の表・候補に確認することの列だけを埋めた表を、候補の製品提供元へ事前に送ります。
  2. 打ち合わせやデモで受け取った回答を、候補ごとの列に書き写します。
  3. 営業マネージャー、マーケティング責任者、情報システム担当の3者で表を読み合わせ、「条件付き」の条件と「未確認」の残り方を候補ごとに比べます。

すべての行が埋まった候補を探すのではなく、未確認の行がどの判断軸に残っているかを見て、次に確認する相手と質問を決めます。

判断軸の各行には、初期運用に欠かせない条件を「必須」、初期運用では使わない条件を「後で確認」として優先度を付けます。必須条件が非対応の候補は除外し、条件付きの候補は必要な費用・作業・権限を自社で用意できるか確かめます。必須条件が未確認の候補は選定を保留し、製品提供元へ確認を戻します。

SFA単体の比較と併用前提の比較で変わる点

SFAを単体で比べる場合は、案件管理や入力のしやすさ、レポートといった、SFAの中で完結する観点が中心になります。MAとの併用を前提にすると、MAとの間で項目をどちら向きに連携できるか、引き渡し条件をどちらのツールで管理するか、連携を保つために誰が作業するかという観点が加わります。

加わる観点のうち、連携方式と、連携できる項目・方向は、製品単体の機能一覧からは判断できません。シャノンの公開解説では、連携時の注意点として、すべてを連携すると作業負荷が増えることや、データクレンジングとスコアリングの初期設定に手間がかかることを挙げています。この手間の大きさも、組み合わせる製品と連携の範囲次第です。そのため併用前提の比較では、SFAの候補とMAの候補を別々に比べず、組み合わせを1つの候補として判断表の列に置きます。いま使っているMAを残す場合は、そのMAと組み合わせるSFAごとに候補の列を作ります。

SFAそのものの機能や操作性は、SFAを単体で選ぶときに比べる観点に沿って、判断表とは別に確認します。判断表で連携の条件を満たした組み合わせに候補を絞ってから機能と操作性を比べれば、連携で条件を満たせない候補を細かく比べる作業を省けます。候補が絞れたら、次に決めるのは、導入後に誰がこれらの表の条件を更新していくかです。

営業AI・営業DX SFA比較で失敗しない選び方|営業現場に定着する5つの軸

参考:SFAとCRMの違いを4つの軸で比較|選び方とMA連携も解説|シャノン

併用後に決めておく運用の責任者と見直しの項目

併用を始めた後に決めておくのは、引き渡し条件・データ項目・連携設定を誰が変更し、何をどの間隔で確かめるかです。変更の担当と見直す項目が決まっていれば、片方の部門だけで条件が変わる状態が起きにくくなります。

引き渡し条件とデータ項目の更新責任者を決める

SFAとMAの連携を始めた後も、引き渡し条件、データ項目、連携の設定は、扱う商品や営業体制、マーケティング施策の変化に合わせて変わります。変更のたびに部門間の相談が一から始まらないよう、3つの対象ごとに、変更を提案する人、合意する人、ツールに反映する人を分けて決めておきます。

部門間でそろえたリードの定義と引き渡しの基準は、導入時に一度合意すれば済むものではなく、条件を変えるたびに両部門で確かめ直すものです。反映の手順が決まっていないと、MAのスコア設定だけが先に変わり、営業が受け取るリードの基準が合意した内容から離れていくことがあります。

3つの更新対象ごとに、変更を提案する人・合意する人・ツールに反映する人を分けたひな型が次の表です。

更新の対象変更を提案する人合意する人ツールに反映する人
引き渡し条件・戻し条件営業またはマーケティングの担当者営業マネージャーとマーケティング責任者MAの条件設定・スコアを管理する担当
データ項目(追加・削除・方向の変更)データ項目表でその項目の確認者になっている部門営業マネージャーとマーケティング責任者連携設定を管理する担当
連携の設定・不具合の修正連携設定を管理する担当変更で影響を受ける項目の確認者連携設定を管理する担当

引き渡し条件とデータ項目の変更は、営業マネージャーとマーケティング責任者が合意します。連携設定の変更や不具合の修正は、影響を受ける項目の確認者が内容を確かめます。「ツールに反映する人」には、MAの条件設定を管理する担当と、連携設定を管理する担当を対象ごとに書き込みます。同じ人が兼任する場合も、合意の記録を受け取ってから設定を変える順番を決めておきます。

見直しで確認する項目と頻度の決め方

見直しでは、ツールの設定そのものより、決めた条件どおりに受け渡しが行われているかを確認します。確認する項目は、営業が受け入れたリードと戻したリードの内訳と戻した理由、データ項目表の各項目に値が入っているか、連携の不具合が起きていないかの3つです。

頻度は、項目ごとに変化の速さで決めます。連携の不具合や値の欠けは、気づくのが遅れるほど直す件数が増えるため、日々の運用の中で見るのはデータ項目表の確認者です。戻した理由と引き渡し条件は、判断に足る件数がたまる間隔を決めて、営業マネージャーとマーケティング責任者が一緒に読み合わせます。データ項目の追加や削除は、条件を見直す場で必要が分かったときに合わせて検討する対象です。適した間隔は、引き渡すリードの件数と商談の期間によって変わるため、最初の数回の見直しで調整していきます。

引き渡し条件を見直した結果を営業側の数字で確かめるには、引き渡した後に営業が追う指標を先に決めておきます。商談化、提案、受注といった段階ごとに何を数えるかが決まっていれば、条件を変えた後に、どの段階の数字を比べればよいかを営業とマーケティングで共有できるためです。段階ごとの指標の決め方は、営業KPIを決める手順と使い方で確認できます。

営業AI・営業DX 営業kpiとは?意味と実務での使い方

営業側の入力が止まると連携データも欠ける

連携は、SFAに入力された値をMAへ運ぶ仕組みであり、入力されていない値を補うことはできません。営業が商談の結果や失注・保留の理由をSFAに記録しなくなると、MAへ返る結果も同じ範囲で欠けます。

データ項目表でSFAからMAへ返すとした受注・失注の結果は、SFA側の記録を前提にしています。結果が欠けた相手については、再育成や配信停止を決める前に営業へ状況を確認します。引き渡し条件の見直しでも、結果が記録されていないリードを失注や未対応と決めつけず、結果の判明分と未確認分を分けて扱います。

見直しの場では、返ってこない値を連携の不具合と分けて扱い、どの項目がどの担当者の記録で欠けているかを確認します。MA連携のために営業へ入力を求める項目は、データ項目表で「SFA→MA」とした行を基準に整理します。案件管理や次の営業活動に必要なSFAの記録は、それぞれの業務目的に合わせて残します。連携に必要な項目でも入力が続かない場合は、SFAへの入力が定着しない原因と改善の手順に沿って理由を確かめ、対処を決めます。

営業AI・営業DX SFA入力が定着しない原因とは?改善の優先順位と会議でのデータ活用を解説

まとめ

SFAとMAの併用は、製品を選ぶ前に社内の決め事を固めると検討しやすくなります。連携で何をしたいかを「誰が、どの顧客に対して、何をするか」の文で書き出し、顧客の段階ごとに営業とマーケティングのどちらが主担当になるかを担当範囲表で決めるところが出発点です。

次に、営業へ引き渡す条件と、接触できなかった相手や失注・保留の相手をMAへ戻す条件を同じ表で決めます。そのうえでデータ項目表に、MAから渡すリード情報・行動履歴・スコアと、SFAから返す受注・失注の結果を並べ、発生元・受け手・方向・確認者を埋めます。項目は目的に直結するものから始め、使いながら足していくのが基本です。

連携方式の候補を分けるのは、使っているSFAとMAの組み合わせに標準コネクタがあるか、APIで補う項目があるか、一式を選び直すかの違いです。データ項目表で決めた項目と方向を製品提供元に確認し、回答を製品比較の判断表に転記すると、候補を同じ判断軸で比べられます。データクレンジングや初期設定に誰の手が必要かも、このときに確かめておきます。

併用を始めた後は、引き渡し条件とデータ項目の変更を誰が提案し、誰が合意し、誰がツールに反映するかを決めておきます。見直しでは引き渡した件数だけでなく、営業側の記録が欠けていないかもあわせて確認します。

引き渡し条件を決めたら、次は営業側で追う数字を決める段階です。条件を見直すときに比べる数字を売上目標から逆算して決めておきたい場合は、次の資料が使えます。

候補の試行条件と確認結果を営業・マーケティング・管理者で共有する際は、SFAの試行判断確認票(PDF)に、役割ごとの確認結果と未確認の条件を記入できます。


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この記事を書いた人
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谷本潤哉
元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。