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営業管理ツールを無料のエクセルで作るには?|シートの分け方と入力項目・共有ルール

営業管理ツールを無料のエクセルで作るには?|シートの分け方と入力項目・共有ルール

▼ この記事の内容

エクセルを無料の営業管理ツールとして使うなら、テンプレートを選ぶ前に、表で判断すること、会議で見る指標、更新する担当とタイミングを決めます。そのうえで案件一覧・活動記録・集計のシートに分け、担当者や商談段階を選択式にし、保存場所と編集できる人を決めてから週次会議で使います。

無料のエクセルで営業管理表を作ろうとすると、配布されているテンプレートはすぐに見つかります。ところが、チームで使い始めると担当者ごとに入力の仕方がばらつき、会議で件数を数えられない、顧客情報を含む表をどこまで共有してよいか分からない、といった問題が出てきます。

この記事では、テンプレートを選ぶ前に決めておく運用のルールを起点に、案件一覧・活動記録・集計の3シートに分けて作る方法を提案します。あわせて、案件一覧に入れる項目と選択式にする項目、データの入力規則と更新ルールを具体的に示します。

後半では、共同編集に必要な環境と保存先、顧客情報を含む表の閲覧・編集の範囲、週次の営業会議で管理表を確認する手順、無料のエクセルを続けるか有料のSFA/CRMを検討するかを5つの観点で確かめる判断表まで扱います。

無料のエクセルで営業管理を始める前に決める3つのこと

エクセルの営業管理表で判断することを先に決める

無料のエクセルで営業管理を始めるときは、テンプレートを選ぶ前に3つを決めます。表で何を判断するか、営業会議で見る指標、更新する担当とタイミングです。この3点が決まると、必要な列と共有の仕方が絞れます。

ここでいう「判断すること」は、表を見て答えを出したい問いを指します。「今週どの案件を優先して動くか」「どの商談段階で止まっている案件があるか」といった問いを、最初は1〜2個に絞ります。問いが少ないほど、担当者が埋めるべき欄も少なくなります。

問いを決めないまま配布されているテンプレートを取り込むと、誰も使わない列が残ります。担当者はどの欄を埋めればよいか迷い、欄ごとに入力する人としない人が分かれます。入力の手間が増える一方で会議の判断には使えず、表が開かれなくなることもあります。

どこまで細かく決めるかは、商材や営業人数、営業プロセスで変わります。単価が高く案件数の少ないチームなら、個々の案件の次の行動と期日を確かめる問いが中心になります。案件数の多いチームなら、商談段階ごとの件数や止まっている案件の洗い出しを確かめる問いが中心になります。

テンプレートを使う場合も、決めた問いに答える列がそろっているかを基準に選びます。足りない列を足し、問いに答えるために使わない列は削ってから配布すると、担当者に何を入力してほしいかが表の形で伝わります。

営業会議で見る指標を決めてから列を作る

営業管理表の列は、会議で見る指標から逆算して決めます。会議で毎週「商談段階ごとの件数」と「今月受注予定の見込み金額の合計」を確認するなら、案件一覧には商談段階、見込み金額、受注予定月の列が必要になります。

先に列を並べてから指標を考えると、集計に使えない形で入力が進んでしまいます。商談段階を自由記述で書かせていると、「提案中」「提案済み」「見積提出」のように同じ段階でも表記が分かれ、件数を数えられません。あとから列を足した場合は、過去の案件までさかのぼって埋め直す作業も発生します。

指標は、会議で毎回確認し、次の行動を決める材料になるものに絞ります。数をあらかじめ固定する必要はありません。「見ても話題にならない数字」が集計シートに並んでいる場合は、その指標を外すか、会議で何を決めるために見るのかを定義し直します。

指標から列を決める順番にしておくと、表の目的が担当者にも説明しやすくなります。追う指標そのものをどう選ぶか迷う場合は、営業会議で追う指標の選び方と使い方を先に確認しておくと、列の候補を整理しやすくなります。

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更新する担当とタイミングを決める

3つ目に、誰がいつ表を更新するかを決めます。案件の状態と次の行動は担当する営業が商談の当日中に更新し、会議の2日前にマネージャーなどが進行中の案件の最終更新日を点検して、戻した行を前日までに直してもらう、という形が一例です。

更新のタイミングが決まっていないと、毎日入力する人と会議の直前にまとめて入力する人が混在します。同じ表の中で案件ごとに情報の新しさが異なり、会議で見た件数や金額が今の状況を表しているのかを判断できません。

更新に関わる役割は、少なくとも3つに分けておきます。案件の情報を入力する人(担当営業)、会議の前に空欄や古い更新日を確認する人(マネージャーや営業企画)、列や選択肢を変更する人です。列や選択肢を誰でも変えられる状態にすると、担当者ごとに入力の前提がずれ、集計が合わなくなるため、変更する人は1人に決めます。

更新の頻度に唯一の正解はなく、商談の進み方が速いか遅いかで適した間隔は変わります。決めたルールは、新しく加わったメンバーも同じ基準で入力を始められるように表の先頭か別シートに書いておき、数週間運用してから見直します。判断すること・指標・更新ルールがそろったら、次のセクションで扱うシート構成に進みます。

営業管理表は案件一覧・活動記録・集計の3シートに分ける

3シートそれぞれの役割

この記事では、エクセルの営業管理表を「案件一覧」「活動記録」「集計」の3シートに分けて作る方法を提案します。案件一覧は案件ごとの今の状態、活動記録は顧客との接触の履歴、集計は営業会議で見る数を受け持ちます。

3つのシートは、1行が何を表すかと、誰が更新するかで分けます。次の表に役割を整理しました。

シート記録する内容1行が表すもの主に使う場面更新する人
案件一覧商談段階、見込み金額、受注予定月、次回予定日、次の行動など、案件の現在の状態1つの案件担当営業が次にやることを確かめる、会議で個別の案件を話し合う担当営業
活動記録訪問・電話・メール・商談などの接触の日付と内容1回の接触経緯を振り返る、担当を引き継ぐ担当営業
集計商談段階ごとの件数、受注予定月ごとの見込み金額の合計など会議で見る指標1つ週次の営業会議手入力はせず、数式や列を変える担当者だけが編集

分ける基準を「1行が何を表すか」に置くのは、行の意味が混ざると数えられなくなるためです。案件一覧の行を数えれば案件数になり、活動記録の行を数えれば接触の回数になります。1つのシートに案件と接触の行が混在すると、どちらを数えているのかが表の見た目から分からなくなります。

前のセクションで決めた3点は、このシート構成にそのまま対応します。会議で見る指標は集計シートの行になり、判断に使う問いに答える欄は案件一覧の列になります。更新する担当とタイミングは、案件一覧と活動記録を誰がいつ埋めるかというルールとして、表の先頭か別シートに書いておきます。

シートの数は3つに固定しなくてかまいません。案件数が少なく、会議で1件ずつ状況を確認するチームなら、集計シートを作らずに案件一覧のフィルターで商談段階ごとに絞り込む運用でも用が足ります。会議で件数や金額の推移を毎週見るようになった段階で、集計シートを追加すれば十分です。

案件一覧は1行1案件で作る

案件一覧では、1つの案件を1行で表し、同じ案件を複数の行に分けません。商談段階が進んだときは新しい行を足すのではなく、同じ行の商談段階・次の行動・次回予定日を上書きします。行が増えるのは、新しい案件が生まれたときだけです。

同じ案件が2行にあると、集計で件数が二重に数えられ、見込み金額の合計も実際より大きくなります。商談のたびに行を追加する運用では、どの行が最新なのかを担当者本人にしか判断できなくなります。上書きで消える経緯は、次に説明する活動記録シートに残します。

各行には、先頭の列に案件IDを付けます。「2026-001」のような連番にし、失注や取り下げになった案件の番号も別の案件へ使い回しません。同じ顧客企業から複数の案件が出ることがあり、社名も「株式会社」の有無などで表記が分かれるため、活動記録や集計と案件をつなぐときは顧客企業名ではなく案件IDを使います。

案件一覧に置くのは、会議や担当者が「今どうなっているか」を判断するための情報です。商談段階、見込み金額、受注予定月、次回予定日、次の行動、最終更新日といった列が中心になります。どの列を選択式にし、どの列を自由記述に残すかは、次のセクションで項目ごとに整理します。

同じ顧客へ複数の商材を提案するチームでは、何を1案件と数えるかを先に決めておきます。商材ごとに行を分けるのか、1回の提案をまとめて1行にするのかによって、件数も見込み金額の合計も変わります。決めた数え方は表の先頭に書き、担当者ごとに行の切り方がずれないようにします。

活動記録と集計を案件一覧から分ける理由

活動記録を案件一覧に書き足していくと、表の形が保てなくなります。1つのセルに接触の経緯を追記し続ければ文章が長くなって読めなくなり、接触のたびに「3回目の訪問」「4回目の訪問」と列を右へ増やせば、案件ごとに使う列の数がばらばらになります。

活動記録シートは、1回の接触を1行にします。列は日付、案件ID、担当者、接触の手段、内容、次の行動が基本です。案件IDで案件一覧とつながるため、ある案件の経緯を確かめたいときはフィルターでその案件IDの行だけを表示します。接触の結果として次の行動が変わったら、活動記録に書いたあとで案件一覧の「次の行動」と「次回予定日」も上書きする、という順番を更新ルールに含めておきます。

集計を案件一覧から分けるのは、手作業での数え直しを避けるためです。案件一覧の下や横に件数や合計を手で書き込むと、案件が増えるたびに数え直しが必要になり、並べ替えやフィルターをかけたときに集計欄の位置もずれます。集計シートには人が数字を入力せず、案件一覧を参照する数式で件数や金額を計算します。

入力するシートと会議で見るシートを分けておくと、会議の進め方も決まります。会議では集計シートで全体の数を確かめ、気になる段階があれば案件一覧で該当する案件を開き、経緯が必要なら活動記録を見る、という順に画面を移ります。集計シートは入力しないシートと決めておけば、会議で画面を共有しても入力欄に触れる必要がありません。

営業担当者が少なく、担当の引き継ぎもほとんどないチームでは、活動記録を別シートにせず、案件一覧に「最終接触日」と「直近の接触内容」の列だけを置く運用も選べます。担当替えや経緯の確認が増えてきたら、その時点で活動記録シートを分けます。どちらの場合も、案件一覧に入れる列を先に固めておくと後から分けやすいため、次のセクションで案件一覧の項目と入力形式を具体的に決めていきます。

案件一覧に入れる項目と選択式にする項目

案件一覧の基本項目と入力形式の一覧

案件一覧の列は、項目名だけでなく、入力形式・入力する人・更新する時点の3つを1組にして決めます。項目名だけを並べた表を配ると、同じ列に日付と文章が混ざったり、誰も更新しない列が残ったりします。次の表は、会議で案件の優先度と止まっている段階を確かめるチーム向けに組んだ項目の例です。

項目入力形式入力する人更新する時点
案件ID連番(例:2026-001)案件を登録する担当営業案件を登録したとき(以後は変えない)
顧客企業名自由記述(正式名称で入力)担当営業案件を登録したとき
担当者選択式担当営業登録時と担当替えのとき
商談段階選択式担当営業段階が進んだ、または戻ったとき
見込み金額数値(円・税抜など単位を統一)担当営業見積や提案内容が変わったとき
受注予定月日付(年月)担当営業顧客の検討時期が変わったとき
次回予定日日付担当営業顧客との次の接触が決まったとき
次の行動自由記述担当営業商談や連絡のあと、当日中
失注理由選択式担当営業商談段階を「失注」にしたとき
最終更新日日付担当営業その行のどこかを書き換えたとき

表の中で入力形式が「選択式」「日付」「数値」になっている列は、集計シートの数式が参照する列です。形式がそろっていないと、件数や金額の合計が正しく出ません。見込み金額に「約300万」「300」「3,000,000円」が混在すると合計できないため、単位を列名に書き、数字だけを入れるルールにします。

最終更新日は、会議の前に古いまま放置されている案件を見つけるための列です。商談段階や次回予定日がしばらく書き換えられていない行は、最終更新日を並べ替えるだけで浮かび上がります。担当営業が行を直したら必ず日付も書き換える、という手順を更新ルールに入れておきます。

項目は営業プロセスに合わせて足し引きします。代理店経由の販売がある会社なら「販売経路」を選択式で加え、単発の商談しかない会社なら受注予定月を省く選択もあります。顧客担当者の氏名や連絡先は、この表では案件一覧に含めていません。載せるかどうかは、共有範囲を決めるときにあわせて判断します。

選択式にする項目と自由記述に残す項目

選択式にするのは、集計や絞り込みに使う項目です。担当者・商談段階・失注理由がこれに当たります。一方で、次の行動や顧客の発言のように、案件ごとに中身が違い、判断の文脈を残したい項目は自由記述に残します。

担当者を選択式にするのは、同じ人の名前が「山田」「山田太郎」「山田(営業1課)」と分かれるのを避けるためです。表記が分かれると、担当者ごとの件数を数えるときに別の人として扱われます。商談段階も同じ理由で選択式にし、表記の揺れで件数が割れないようにします。

失注理由を選択式にするのは、失注した案件をあとで振り返るときに理由ごとに数えるためです。選択肢は「価格」「導入時期の延期」「他社に決定」「要件が合わない」「連絡が途絶えた」など、チームで実際によく出る理由から5〜6個に絞ります。どれにも当てはまらない理由のために「その他」を1つ置き、隣に補足を書く自由記述の列を設けます。

反対に、すべてを選択式にすると次に何をするかが書けなくなります。「次の行動」を「電話」「訪問」「メール」の選択肢だけにすると、誰に何を確認するための連絡なのかが表から読み取れません。「決裁者の同席を依頼し、導入時期を確認する」のように、行動と目的を1文で書ける自由記述にしておくと、会議で担当者以外が読んでも次の打ち手を話し合えます。

迷う項目は、会議でその項目を数えるか、読むかで分けます。数えるなら選択式、読むなら自由記述です。顧客の発言を残したい場合は、案件一覧に長く書き込まず、活動記録シートの内容欄へ日付つきで書き、案件一覧には最新の次の行動だけを残します。

商談段階は定義を書いてから選択肢にする

商談段階を選択式にする前に、各段階が何を指すかを1行ずつ書き出します。選択肢の名前だけを決めると、担当者ごとに解釈が分かれ、同じ進み具合の案件が別々の段階に入ります。定義は別シートか、案件一覧の欄外に置きます。

定義は、担当者の感覚ではなく、顧客とのあいだで起きた出来事で書きます。「提案」を「提案書を顧客に提出した段階」と定めれば、提案書を作っている途中の案件は「提案」に入りません。「見積」も「見積書を送付した段階」とすれば、口頭で金額を伝えただけの案件との区別がつきます。

商談段階この段階に入れる条件
初回接触顧客と初めて商談の日程を設定した
ヒアリング課題・導入時期・予算の確認を始めた
提案提案書を顧客に提出した
見積見積書を送付した
受注発注書または契約書を受け取った
失注顧客から見送りの連絡を受けた、または社内で追わないと決めた

段階の数は、会議で区別して話し合いたい数にとどめます。細かく分けるほど、どちらに入れるか担当者が迷う境目が増えます。上の例は6段階ですが、単価が低く商談が1〜2回で決まる商材なら、ヒアリングと提案をまとめる判断もあります。

定義は一度決めて終わりにせず、運用しながら見直します。会議で「この案件はどちらの段階か」という議論が何度も出る場合は、その境目の条件が曖昧になっています。条件を書き直したら、定義のシートに変更日を残し、既存の案件の段階も新しい条件に合わせて付け直します。こうして決めた選択肢を実際にドロップダウンとして設定する方法と、選択肢だけでは決まらない更新のルールは、次のセクションで扱います。

入力のばらつきを防ぐ入力規則と更新ルール

データの入力規則でドロップダウンリストを作る

前のセクションで選択式に決めた担当者・商談段階・失注理由の列は、エクセルの「データの入力規則」を使ってドロップダウンリストにします。Microsoft サポートの「セルにデータの入力規則を適用する」では、この機能を使うと、ドロップダウン リストなどで、セルに入力できるデータの種類や値を制限できると説明しています。[1]

設定の流れは、おおむね次の4段階です。

  1. 選択肢の一覧を、商談段階の定義を書いたシートなど別のシートに縦に並べる
  2. 案件一覧で、ドロップダウンにしたい列のセル範囲を選ぶ
  3. [データ] タブの [データの入力規則] を開き、[入力値の種類] で [リスト] を選ぶ
  4. [元の値] に、選択肢を並べたセル範囲を指定する

選択肢を別のシートにまとめておくのは、選択肢を変えるときに1か所を直せば済むようにするためです。商談段階の定義と同じシートに並べておけば、定義を書き換えたときに選択肢の名前も一緒に見直せます。担当者の一覧も同じシートに置き、異動や入社があったときに誰が書き換えるかを決めておきます。

ドロップダウン以外の列にも入力規則は使えます。次回予定日や受注予定月の列は入力値の種類を「日付」に、見込み金額の列は「整数」などの数値にしておくと、「約300万」のような文字まじりの値を受け付けない設定になります。集計シートの数式が参照する列から順に設定していくと、どこまで設定したかが分かりやすくなります。

同じページは、Microsoft 365 のExcelやExcel 2024・2021・2019・2016などを適用先に挙げています。社内で複数の版が混在している場合は、管理表をチームへ配る前に、各担当者の画面でドロップダウンが表示されるかを確かめておきます。

参考:セルにデータの入力規則を適用する|Microsoft サポート

入力規則で決まらないことを更新ルールで補う

入力規則が受け持つのは、セルに入れられる値の制限です。選択肢以外の文字を入れさせない設定はできても、担当者が商談のあとに行を書き換えたか、空欄のまま残っていないか、選んだ段階が実際の進み具合と合っているかは、規則の設定だけでは決まりません。

気をつけたいのは、ドロップダウンを入れたことで表の見た目がそろい、中身も最新だと思い込んでしまうことです。商談段階が「提案」のまま、次回予定日が先月の日付のまま、という行でも、入力規則の上では正しい値が入っています。値の形式がそろっていることと、内容が新しいことは、別々に確かめます。

そこで、入力規則とあわせて、いつ・何を書き換えるかを文章で決めておきます。更新ルールの一例を次に挙げます。

  • 商談・電話・メールのあと、当日中に「次の行動」「次回予定日」「最終更新日」を書き換える
  • 商談段階は、定義シートの条件を満たした日に変更し、条件を満たす前に先回りして進めない
  • 失注にした案件は失注理由を選び、「その他」を選んだときは隣の補足欄に理由を1文で残す
  • 週次会議の2日前までに自分が担当する進行中の案件の行をすべて見直し、点検で戻された行は前日までに直す

ルールは、案件一覧の先頭行の上か、定義シートの下に書いておきます。口頭で伝えただけのルールは新しく加わった担当者に伝わりにくく、人によって更新のタイミングがずれやすくなります。表を開けば誰でも読める場所に置き、「いつ書き換えるか」をチームで同じ基準にそろえます。

空欄の扱いも決めておきます。次回予定日が決まっていない案件を空欄にするのか、「未定」と書くのかが担当者ごとに違うと、会議前の確認で本当に抜けている行と区別がつきません。日付の列は日付だけを入れる列として入力規則をかけておき、未定の案件は「未定」と書かずに空欄にしたうえで、次の行動の欄に「日程を打診中」のように理由を書くルールにします。

入力漏れを会議前に確認する担当を決める

更新ルールを決めても、守られているかを誰も見ていなければ、空欄や古い行は会議の場で初めて見つかります。そこで、週次会議の前に案件一覧を点検する担当を1人決めます。営業マネージャー本人が担うか、営業企画・営業推進の担当者に任せるかは、チームの体制に合わせて選びます。

点検は、受注・失注で終わった案件を除いた進行中の案件を対象に、次の3つの手順に絞ります。

  1. 最終更新日で並べ替え、前回の会議以降に書き換えられていない行を探す
  2. フィルターで「次回予定日」と「次の行動」が空欄の行を抽出する
  3. 次回予定日が今日より前の日付のまま残っている行を抽出する

見つかった行は、確認担当が代わりに埋めず、担当営業に戻して書き換えてもらいます。確認担当が埋めてしまうと、表の中身と担当営業本人の把握がずれ、次の週も同じ行が古いまま残ることがあります。会議の2日前に点検して該当の行を担当者へ伝え、前日までに直してもらうなど、戻す期限もあわせて決めておきます。

同じ担当者の行が何週も続けて戻ってくる場合は、本人の姿勢だけを問題にせず、ルールの側も見直します。入力する列が多すぎる、商談段階の定義が現場の進み方に合っていない、外出の多い担当者には当日中の更新が難しいといった理由が見つかることがあります。

入力が続かないという課題は、ツールを替えるだけでは解消しない場合があり、エクセルからSFAに移っても同じ形で残ることがあります。原因をどう切り分け、どの順に手を打つかは、SFAの入力が続かない原因と改善の手順で整理しています。表の中身がそろったら、次のセクションで扱う保存場所と編集できる人の決め方へ進みます。

営業AI・営業DX SFA入力が定着しない原因とは?改善の優先順位と会議でのデータ活用を解説

チームで共有するときの保存場所・編集権限・顧客情報の扱い

Windows版Excelの共同編集にはMicrosoft 365と保存先の条件がある

複数の営業担当者が案件一覧を同時に書き換えるなら、先にExcelの共同編集を使える環境かを確かめます。Microsoft サポートの「Excel ブックの共同編集を使用して同時に共同作業を行う」によると、Windows向けのデスクトップ版Excelで共同編集するにはMicrosoft 365 サブスクリプションが必要です。[2]

保存先にも条件があります。同じページは、ブックをOneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Onlineのいずれかに保存する手順を案内しています。SharePointのオンプレミス サイトでは共同編集はサポートされないとしています。社内のSharePointをオンプレミスで運用している会社では、そこに表を置いたまま全員で同時に書き換える前提で運用を組むと、共有を始める段階で前提が合わなくなります。

「エクセルで作れば追加の費用はかからない」と考えて始めると、この条件を見落としがちです。自社がどの契約でExcelを使っているか、表をどこに保存できるかを情報システム担当者に確認してから、共有方法を決めます。提供条件は変わることがあるため、共有方法を決めるときに同じページの記載と自社の契約内容を突き合わせます。

同時に書き換える必要がないチームは、共同編集を前提にしない運用も選べます。担当者が順番に更新する、会議前の更新時間をずらす、といった進め方です。この場合も、ファイルをメールで回したり手元に複製したりすると版が分かれてしまいます。正本として扱うファイルを1つに決め、置き場所をチームに伝えておきます。

ブラウザで開くExcelやスマートフォンのアプリから更新する担当者がいる場合は、使う環境ごとの共同編集の条件を同じページで確かめてから、更新ルールに書き込みます。

参考:Excel ブックの共同編集を使用して同時に共同作業を行う|Microsoft サポート

顧客情報を含む表は閲覧・編集できる人を決める

案件一覧に顧客企業の担当者名や連絡先を載せる場合は、共有する前に、誰が閲覧でき、誰が編集できるかを決めます。個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」では、パソコンなどの情報システムで個人データを取り扱う場合の技術的安全管理措置を挙げています。[3]そのうち表の共有に直接関わるのは、担当者と取り扱う個人情報データベース等の範囲を限定するアクセス制御と、アクセスする人の識別と認証です。

営業管理表でいえば、表を開ける人を営業チームの中でも必要な範囲に絞り、誰が開いたかを区別できるようにしておくことです。チーム全員で1つのアカウントやパスワードを使い回すと、誰が表を開き、どの行を書き換えたかを後から区別できません。保存先への招待は個人のアカウント単位で行い、URLを知っていれば誰でも開けるような共有は避けます。

閲覧と編集も分けて考えます。案件一覧を書き換えるのは担当営業と確認担当、集計シートは会議の参加者が見るだけ、というように役割ごとに範囲を決めておくと、情報システム担当者へ共有範囲を説明するときにも答えを示せます。顧客の連絡先を使うのが一部の担当者だけなら、連絡先は案件一覧に載せず、その担当者だけが開ける別の場所で管理する方法もあります。

同じガイドラインは、組織的安全管理措置として、整備した取扱いの規律に従って個人データを取り扱うことも求めています。営業管理表では、共有範囲の設定とあわせて、誰がどう扱うかを社内のルールとして書き、そのとおりに運用されているかを確かめます。

手元の営業管理表がガイドラインのいう個人情報データベース等に当たるか、どこまでの措置が必要かは、表に載せる情報や会社の規模によって変わります。同じガイドラインでも、中小規模事業者については手法の例を分けて示しています。自社の表の扱いは、法務や個人情報を担当する部署、必要に応じて専門家に確認してから共有を始めます。

参考:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)|個人情報保護委員会

共有前に決めておく取扱いのルール

情報システム担当者に共有を相談するときは、「どこに置くのか」「誰が見られるのか」「人が抜けたらどうするのか」が確認の論点になります。答えを用意しないまま共有を始めると、あとから置き場所や権限を作り直すことになります。次の項目は、共有を始める前に決めておきます。

  • 保存先:表を置く場所を1か所に決め、正本以外のファイルを作らない
  • 閲覧できる人:集計シートも含めて、表を開ける人の範囲
  • 編集できる人:案件一覧を書き換える担当営業と確認担当
  • 顧客情報を載せる範囲:担当者名や連絡先を案件一覧に載せるか、別の場所で管理するか
  • 異動・退職時の見直し:権限を外す担当者と、見直すタイミング
  • 持ち出しの扱い:ファイルのダウンロード、複製、メール添付をどこまで認めるか

決めた内容は、更新ルールと同じ場所に書いておきます。案件一覧の先頭か定義シートにまとめておけば、新しく加わった担当者が表を開いたときに扱い方も一緒に目に入ります。情報システム担当者に説明するときも、その記載をそのまま見せれば足ります。

見落としやすいのは、異動や退職のあとに残る権限です。担当者一覧のシートを書き換える日に保存先の共有設定も見直す、というように2つの作業を1つの手順にまとめておきます。そうすれば、外し忘れがないかを確かめる日が決まります。

社内に情報セキュリティや個人情報の取扱いに関する規程がある場合は、ここで挙げた項目より規程を優先します。規程で決まっている項目は規程に合わせます。そのうえで、連絡先を載せる範囲や会議での画面共有の扱いなど、規程には書かれていない営業管理表に固有の項目を書き足します。

会議で集計シートを画面に映すときは、顧客の連絡先が入った列やシートが映り込まないかも確かめておきます。集計シートを入力しないシートとして分けておけば、会議で数字を確認する間は集計シートだけを映せます。保存先と扱い方が決まったら、次のセクションで週次の営業会議での管理表の使い方に進みます。

週次の営業会議でエクセルの管理表を確認する手順

会議の前日までに担当者が案件一覧を更新する

週次の営業会議でエクセルの管理表を使うときは、会議の場で入力を始めないようにします。担当者は前日までに案件一覧の更新を済ませます。この記事では、会議の流れを次の4つの手順で組む形を提案します。

  1. 会議の2日前までに担当営業が自分の担当する進行中の案件の行を更新し、点検で戻された行を前日までに直す
  2. 会議の冒頭で、集計シートの商談段階ごとの件数を確認し、案件一覧で止まっている案件を絞り込む
  3. 止まっている案件ごとに、次の行動と次回予定日を担当者と決める
  4. 決めた内容を、案件一覧の「次の行動」「次回予定日」へ書き戻す

更新を前日までに終えるのは、集計シートの数字を会議の時点の状況と一致させるためです。会議の最中に担当者が行を書き換え始めると、画面に映した件数が話し合いの途中で変わります。そうなると、どの数字を前提に議論していたのかが分からなくなります。入力を済ませた表を見ながら話せば、会議の時間を数字の確認と次の行動の相談に充てられます。

締切は、前のセクションで決めた点検担当の作業から逆算して置きます。手順の1つ目で更新の締切と修正の期限を分けているのは、点検担当が空欄や古い最終更新日を見つけて担当営業へ戻す時間を残すためです。これで、会議の当日には点検を終えた表がそろいます。

会議の頻度は組織によって違います。隔週や月次で会議を開くチームでも、締切を会議の直前ではなく、点検と修正の時間を残した日に置く考え方は変わりません。祝日などで会議の曜日がずれた週に締切も一緒にずらすことは、更新ルールと同じ場所に書いておきます。

集計シートで件数を見て、案件一覧で止まった案件を絞り込む

会議ではまず集計シートを開き、商談段階ごとの件数と見込み金額の合計を前の週と比べます。全体の数を先に確かめておくと、どの段階の案件から話し合うかを決めてから案件一覧を開けます。

前の週と比べるには、集計シートの数字を毎週残しておく必要があります。集計シートは案件一覧を参照する数式で計算しているため、案件一覧を書き換えると先週の数字も上書きされます。会議の前日に、その週の日付とともに件数と金額を集計シートの横か別のシートへ値として貼り付けておけば、週ごとの変化を並べて見られます。

次に、止まっている案件を案件一覧の進行中の案件から抜き出します。止まっている案件の条件は、「次回予定日が今日より前の日付のまま」「次回予定日と次の行動が空欄」のどちらかに当てはまること、と決めておくのが一例です。どちらもフィルターで絞り込めます。同じ商談段階のまま動いていない案件まで見たい場合は、案件一覧に「前回会議時の段階」の列を足し、会議で決めた内容を書き戻したあとに商談段階の列を値でコピーしておきます。次の会議で「前回会議時の段階」と「商談段階」の値が同じ行を探せば、前回の会議から段階が変わっていない案件が分かります。

何を止まっていると見るか、集計シートに何を並べるかは、自社で追う指標によって変わります。受注予定月ごとの見込み金額を重視するチームなら、「今月受注予定なのに見積に進んでいない案件」を優先して確認する条件を足します。集計シートの数字のうち、会議で話題にならないものが何週も続く場合は、その行を残すかを見直します。

全案件を1件ずつ読み上げる進め方は、案件が少ないうちは時間内に収まります。案件が増えると、止まっている案件の相談に時間を割きにくくなります。集計と絞り込みで話し合う案件を先に決める手順にしておけば、案件が増えても、止まっている案件から順に話し合う対象を選べます。

会議で決めた次の行動を案件一覧へ戻す

止まっている案件について話し合ったら、決めた次の行動と次回予定日を、案件一覧の該当する行へ書き戻します。会議で決めたことが議事録や手元のメモにだけ残っていると、翌週に案件一覧を開いたとき、前回何を決めたのかを表から確かめられません。

書き戻すときは、「次の行動」に誰が何をするかを1文で書き、「次回予定日」にその行動の期日を入れ、最終更新日も書き換えます。「フォローする」「様子を見る」だけでは、翌週に実行されたかを判断できません。「決裁者との面談を打診し、導入時期を確認する」のように、行動と確かめる内容を合わせて書きます。

誰が書き戻すかも事前に決めておきます。画面を共有している進行役がその場で入力する方法と、担当営業が会議の当日中に自分で書き換える方法があります。進行役が入力すれば会議の終わりには書き戻しが済み、担当営業が入力すれば本人が決めた内容を自分の言葉で残せます。共同編集で同じファイルを開いている場合は、2人が同じ行を同時に書き換えないよう、入力する人を1人に決めます。

翌週の会議では、前回決めた次の行動が実行されたかを最初に確かめます。次回予定日が過ぎても行が書き換わっていない案件は、2つ目の手順の絞り込みで再び止まっている案件として浮かびます。更新・集計・相談・書き戻しを毎週繰り返すうちに、管理表そのものが会議の記録を兼ねるようになります。

止まっている案件を毎週絞り込めるようになっても、集計シートに並べる数字が売上の見通しとどう結び付くかが決まっていなければ、話し合う案件の優先順位は付けにくいままです。集計シートで毎週見る指標をまだ決めていない場合は、会議で追う営業KPIの選び方を整理した次の資料を、集計シートに残す数字と外す数字を見直す材料として使えます。


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この手順を何週か回すと、同時に書き換える人が増えて入力がぶつかる、集計の手作業が増えるといった変化にも気づきます。そうした変化をもとに、エクセルのまま続けるか有料のSFA/CRMを検討するかを判断する観点は、次のセクションで扱います。

無料のエクセルを続けるか有料のSFA/CRMを検討するかの判断基準

5つの観点で確認する判断表

エクセルのまま続けるか、有料のSFA/CRMを検討するかは、営業の人数や案件の数だけでは決まりません。この記事では、5つの観点で今の運用がどちらに近いかを確かめる判断表を提案します。観点は、同時に編集する人、入力ルールが守られているか、集計の手作業、顧客情報へのアクセス、他のシステムとの連携です。

観点エクセルで続けられる状態有料ツールを検討する状態
同時に編集する人担当者が順番に更新しても会議前の締切に間に合う。共同編集を使う場合も、人ごとに入力する行が分かれていて書き換えがぶつからない複数人が同じ時間帯に同じ行を書き換える場面が続き、どの入力が正しいかを会議の前に確かめ直している
入力ルールが守られているか点検担当が戻す行が特定の担当者に偏らず、戻した行は締切までに直っているルールを見直しても空欄や古い最終更新日の行が毎週同じように戻り、点検と差し戻しに会議前の時間の大半を使っている
集計の手作業集計シートの数式と、週ごとの値の貼り付けで会議に使う数字がそろう数式だけでは足りず、フィルター操作や手入力での数え直しを毎週繰り返している
顧客情報へのアクセス保存先の共有設定で表を開ける人を分けられ、連絡先を別の場所で管理する運用で足りている担当者ごとに見てよい案件や顧客の範囲を分ける必要があり、ファイルやシートを分ける運用では追いつかない
他のシステムとの連携他のシステムから案件一覧へ書き写す作業がほとんどなく、手入力で足りている他のシステムにある顧客情報や受注情報を毎週案件一覧へ書き写し、転記の漏れや食い違いを会議で直している

右の列に当てはまる観点が見つかっても、すぐに有料ツールへ移る必要はありません。まず、その原因がエクセルの中の工夫で解消できるかを確かめます。書き換えがぶつかるなら入力する行や時間帯を分け、集計の手作業が多いなら集計シートの数式を見直します。このような手当てで左の列に戻せる観点もあります。

手当てをしても右の列から動かない観点が残ったときに、有料のSFA/CRMを比べる候補に入れます。担当者ごとのアクセスの分け方と、他のシステムとの連携は、表の作り方を変えるだけでは解決しにくい観点です。保存先の権限設計や外部の仕組みまで見直すことになるため、検討を始める理由になりやすいといえます。営業の育成や商談の分析もあわせて見直したい場合は、その用途の有料ツールの一例として、FAZOMの導入ガイドで料金の決まり方と導入までの工程を確認できます。

5つの観点のうちどれを優先して見るかは、組織によって変わります。顧客情報の取扱いについて社内規程が細かく定められている会社では、顧客情報へのアクセスの観点だけが右の列に当てはまる場合でも、検討を始める理由になります。人数や案件数の目安で機械的に決めず、毎週の会議で実際に起きていることを表の各行に当てはめて判断します。

エクセルのまま続けてよい状態

判断表の5つの観点がすべて左の列に当てはまるなら、エクセルのまま運用を続けて差し支えありません。有料のSFA/CRMの情報に触れると、早く移らなければならないように感じることがあります。それでも、今の表で毎週の会議が進み、案件ごとの次の行動が決まっているなら、移行を急ぐ理由は表の中に見当たりません。

続けてよいかは、前のセクションで紹介した週次の手順が毎週同じように繰り返せているかで確かめます。確かめるのは、会議の前日までに更新がそろうこと、案件一覧で止まっている案件を絞り込めること、決めた次の行動が案件一覧へ書き戻されていることの3つです。この3つが続いていれば、表は会議で判断するための道具として使えています。

続ける場合も、表をそのまま置いておくわけではありません。商談段階の定義や選択肢、担当者一覧は、組織や営業の進め方が変わるたびに見直します。見直す時期を「四半期の最初の会議」「担当者の異動があった週」のように決めて更新ルールに書いておけば、表の中身と現場の進め方がずれたまま使い続けずに済みます。

今は左の列に当てはまっていても、営業担当者の増員や、他部署との表の共有を予定している場合は、その変化が判断表のどの観点に関わるかを先に確かめます。同時に書き換える人が増えたり、顧客情報を見てよい人の範囲が変わったりすると、同時編集とアクセスの観点が右の列へ動くことがあります。予定が見えた段階で今の運用の書き出しに取りかかっておけば、変化が起きてから比較を始めても要件がそろった状態で臨めます。

有料ツールを比べる前に今の運用を書き出す

有料のSFA/CRMを比べると決めたら、製品の資料を集める前に、エクセルで運用してきた中身を書き出します。書き出した内容は、比較のときに各ツールで同じことができるかを確かめる要件として使えます。

書き出す対象は次の3つです。

  • 管理項目:案件一覧と活動記録の列名、入力形式、選択肢、商談段階の定義
  • 会議で見る指標:集計シートに並べている数字と、止まっている案件を絞り込む条件
  • 更新ルール:誰がいつ更新するか、点検担当が確かめる内容、閲覧・編集できる人の範囲

これまでのセクションで決めてきた内容は、ほぼこの3つに収まります。定義シートや更新ルールを表の中に書き残してきたなら、それを写し出すだけで要件の下書きがそろいます。

書き出すときは、判断表で右の列に当てはまった観点も場面として書いておきます。「同じ行を複数人が書き換えて入力がぶつかる」「担当者ごとに見てよい顧客を分けたい」のように、エクセルで困った場面を具体的に残しておきます。そうすれば、比較のときにその場面が各ツールでどう扱われるかを確かめる質問になります。機能の一覧を見比べるだけでは、自社で困っている場面に合うかまでは分かりません。

書き出した項目は、ツールを替えても引き継ぐものと、移るときに見直すものに分けておきます。商談段階の定義や会議で見る指標は、ツールを替えても使い続けられる内容です。反対に、週ごとの値の貼り付けや手作業での数え直しのように、エクセルで運用するために生まれた作業は、移行後にそのまま再現する必要はありません。

判断表で右の列に当てはまった観点を社内で説明するときは、書き出した困りごとをエクセルでの営業管理が限界に近づいたときに現れるサインと照らし合わせておくと、検討を始める理由を具体的な場面で示せます。

営業AI・営業DX 営業のExcel管理が限界を迎える5つのサイン|段階別の次の一手

書き出した要件を手に候補の製品を比べる段階に入ったら、SFAを比べるときに確かめる項目と選び方で比較の進め方を確認します。書き出した3つの内容を比較の軸にしておけば、機能の多さや画面の印象だけで候補を絞らずに済みます。

営業AI・営業DX SFA比較で失敗しない選び方|営業現場に定着する5つの軸

まとめ:エクセルの営業管理は運用ルールから作る

無料のエクセルで営業管理を始めるときは、テンプレートより先に運用のルールを決めます。表で判断すること、営業会議で見る指標、更新する担当とタイミングが決まれば、必要な列と共有の仕方が絞れます。そのうえで案件一覧・活動記録・集計のシートに分け、案件一覧は1行1案件とし、担当者・商談段階・失注理由をデータの入力規則で選択式にします。商談段階は定義を書いてから選択肢にし、入力規則だけでは決まらない更新の締切と会議前の点検担当も決めておきます。

チームで共有する前には、共同編集を使える環境と保存先を確かめ、顧客情報を含む表を閲覧・編集できる人の範囲を決めます。週次の営業会議では集計シートで件数を確認し、案件一覧で止まっている案件を絞り込んで、会議で決めた次の行動と次回予定日を案件一覧へ書き戻します。有料のSFA/CRMへ移るかどうかは、同時に編集する人、入力ルールが守られているか、集計の手作業、顧客情報へのアクセス、他のシステムとの連携の5つの観点を判断表に当てはめて確かめ、比較に進む場合は今の運用を要件として書き出しておきます。

エクセルの管理表に何を集計するかを決めるために、会議で追う営業KPIの整理から始めたい方は、次の資料をご活用ください。


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この記事を書いた人
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谷本潤哉
元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。