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チャットボット導入の進め方|対象業務の選定から本番運用まで

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チャットボット導入の進め方|対象業務の選定から本番運用まで

▼ この記事の内容

チャットボット導入は、目的と現状、対象業務を確認し、方式・費用・体制を比較して試験運用へ進めます。回答と有人対応への引き継ぎ、効果と運用負担を確かめて本番移行を判断し、公開後も回答と運用を更新します。各工程では担当者と次へ進む条件を決めます。

チャットボット導入を任されても、どの問い合わせから試し、誰に何を確認すればよいか迷うことがあります。回答資料がそろっていても、内容を承認する人や更新担当、答えられない場合の連絡先まで決まっているかを確認しましょう。

まずは自動化する業務と人が対応する範囲を決め、質問や情報源に合う方式を比較します。費用と担当者の作業時間を見積もり、試験で回答内容と有人対応への引き継ぎを確かめてから、本番移行を判断します。

工程判断表、対象範囲票、方式条件表、費用・体制の見積欄、試験評価票を順に使い、自社の準備状況を整理しましょう。公開後に確認する自己解決や再問い合わせ、回答更新の負担まで含めて、各工程で必要な作業と担当者を確認できます。

導入目的と現状の問い合わせを確かめる

チャットボット導入では、まず解決したい問い合わせ対応の課題を決め、現在の問い合わせ記録を確認します。自己解決を増やしたいのか、受付時間外の案内を用意したいのかを整理し、対象の質問群と現状を確認する指標を決めましょう。

各工程の成果物と次へ進む条件を明確にする

各工程の資料には、作成担当者、承認者、未解決事項、次へ進む条件を記入します。対象範囲票から試験評価票、公開判定、運用記録まで、同じ質問群と回答資料を追えるように、資料名と更新日も残しましょう。

CS責任者が整理して情報承認者に確認してもらうのは、対象業務と期待する回答です。情シスには権限、連携、記録の扱いを、予算承認者には費用と社内作業の負担を確認してもらい、誰がどの条件を承認するかを分けて記録します。

受付時間の回答が完成していても、臨時休業を誰が反映するか決まっていなければ、未解決欄に担当者の決定を残します。承認者や更新担当が未定のまま公開へ進めず、担当者と対応期限を決めてから確認し直しましょう。

試験を始める前には、効果を確認する指標であるKPIと現状値も運用記録に用意します。自己解決を何で確認するか、再問い合わせをどの期間で数えるかを決め、試験結果と更新作業の負担を合わせて公開範囲を判断しましょう。まずは問い合わせ記録を使い、最初に自動化する業務と対象外の質問を整理します。他社の取り組みも参考にする場合は、チャットボットの導入事例を読み、自社でも同じ対象業務や運用体制を用意できるか確認しましょう。

営業AI・営業DX チャットボット導入事例から学ぶ成功パターン|業種別の選定軸と失敗要因

チャットボットに任せる業務と人が対応する業務を決める

最初の試行範囲は、問い合わせの多さだけで決めず、回答の根拠と確認する担当者をそろえて選びます。答えられない場合の案内と有人対応への引き継ぎも、対象業務と一緒に決めましょう。

対象とする質問と回答の情報源を決める

最初は、承認済みの情報から標準回答を用意できる質問を対象にします。個別判断が必要な質問は対象外とし、質問ごとに情報源、回答の承認者、更新担当を決めてから、試す範囲を確定しましょう。

問い合わせ記録を読み、質問の頻度、標準回答の有無、情報が変わる頻度、例外条件、誤回答時の影響を確認します。件数を取得できていない質問は空欄のまま残し、担当者の印象を集計値として扱わないようにします。

受付時間の質問で確認するのは、通常営業日の案内に加え、祝日や臨時休業の扱いです。以下の対象範囲票には、回答に使う資料と担当者、試行の可否を記入しましょう。件数は自社の問い合わせ記録から埋めます。

質問群の想定例件数の取得状況回答の情報源承認者・更新担当誤回答時の影響対象可否の判断条件
通常の受付時間を尋ねる質問確認する情報源は、窓口の営業カレンダーと公式案内です。窓口責任者が承認し、案内の更新担当者を記入します。利用者が受付時間を誤認する可能性があります。試行対象にする条件は、休業日の扱いまで承認できることです。
一般的な手続きの準備物を尋ねる質問確認する情報源は、現行の手続き案内と適用条件です。手続きの責任者と更新担当者を記入します。不足書類による再手続きが必要になる可能性があります。試行の条件は、共通の案内に限定し、例外は人へ渡すことです。
個別契約の変更や返金可否を尋ねる質問担当者が確認するのは、契約内容と個別の対応履歴です。判断権限のある担当部署を記入します。金銭や契約条件に関わる誤案内が生じる可能性があります。最初の試行では、自動判断の対象外です。

同じ定型質問でも、情報源や担当者が未定なら、公開に必要な準備が残っています。よくある質問と回答をまとめたFAQが未整備の場合も、承認できる質問群から回答を用意し、まず内部で試しましょう。内部試行を始めることと、顧客へ公開することは分けて判断します。

答えられない質問と有人対応への引き継ぎを設計する

回答できない質問には、回答を控える理由と次の連絡方法を用意します。契約の判断、クレーム、個人情報を含む相談は、質問の内容や本人確認の要否を確認し、どこから人が対応するかを決めましょう。

引き継ぎ条件には、回答根拠がない場合、質問の意図を確認できない場合、利用者が有人対応を希望した場合も含めます。移管先には質問内容、すでに案内した内容、未解決の点を渡す手順を決めます。本人確認や個人情報の取得が必要なときは、社内で承認した窓口へ案内しましょう。

引き継ぐ条件利用者への案内移管先へ渡す情報事前に決めること
承認済みの回答がありません。この窓口では回答できない旨と、問い合わせ方法を伝えます。質問内容と、回答できなかった点を渡します。事前に決めるのは、担当部署と連絡方法です。
契約判断や苦情への対応が必要です。担当者による確認が必要な旨を伝えます。相談内容と、それまでの案内を必要な範囲で渡します。事前に決めるのは、判断権限のある移管先と優先対応の条件です。
受付時間外で担当者が不在です。受付時間と、時間外に使える連絡方法を案内します。受付記録を残す場合は、相談内容と受付日時を渡します。事前に決めるのは、翌営業日の確認担当と、約束できる対応予定です。

受付時間外は、担当者につながるかのような案内を出さず、実際に利用できる窓口を示します。折り返しを案内するなら、記録を誰が確認するかまで決めましょう。FAQがあっても承認者や更新担当がいない場合は、担当を決めるまで公開を保留し、必要に応じて試行範囲を縮めます。

電話対応を含む業務では、オペレーターの受付時間や本人確認の手順も合わせて検討します。契約相談や時間外の問い合わせを有人対応へ渡す条件も確認し、自社の対象範囲票に反映しましょう。対象質問、情報源、移管条件が決まったら、それらを満たす回答方式を比較します。

営業AI・営業DX コールセンターのチャットボット導入判断|自動化と有人移管の設計

回答方式と導入後の作業を同じ条件で比べる

対象範囲票で決めた質問、情報源、有人対応への引き継ぎ条件を使って、候補方式を比較します。回答の出し方だけでなく、情報を更新する作業や参照権限まで確認し、自社で運用を続けられる候補を選びましょう。

質問の形式と参照情報に応じて方式を絞る

質問を選択肢で案内するか、登録済みの回答を提示するか、文書を参照して回答文を作るかを、対象業務に合わせて検討します。同じ質問と回答資料を使い、期待する案内と必要な準備を候補ごとに確認しましょう。

FAQは、よくある質問と回答をまとめた情報資産です。NTT東日本の導入方法を扱うコラムでは、RAGを、社内データから情報を検索して回答を生成する仕組みとして説明しています。[2]製品名だけで分類せず、選択式の案内やFAQ内検索を組み合わせるかも確認しましょう。

比較する回答方式質問形式・参照情報根拠提示の確認情報更新・権限の確認候補にする条件・先に必要な作業
選択肢で案内する方式を検討します。用意するのは、利用者が選ぶ項目と、選択先の登録回答です。案内文と承認済み資料の対応を確認します。確認事項は、回答変更時に直す分岐と、利用者ごとの表示範囲です。受付時間や手続き案内など、分岐と回答を事前に決められる質問から検討します。選択先がない場合の案内も用意します。
検討するのは、登録FAQから回答候補を探す方式です。自由入力された質問に対し、登録した質問・回答との一致を確かめます。どのFAQを提示したか、利用者と担当者が確認する方法を確かめます。確認事項は、FAQの承認・差し替え手順と、公開対象を分ける方法です。承認済みの標準回答を用意できる質問から検討します。質問の言い換えと、候補が見つからない場合の案内を試します。
検討するのは、文書参照と回答生成を組み合わせる方式です。自由入力された質問に対し、承認済みの文書から関連箇所を探して回答を作ります。回答と参照箇所の対応、根拠がない場合の動作を確認します。確認事項は、参照対象の文書、更新の反映方法、閲覧権限の扱いです。候補は複数の文書を参照する質問で、必要性を試験で判断します。先に進める作業は、文書の整理、承認、権限設定です。

受付時間を案内する想定なら、通常営業日、臨時休業、対象窓口が不明な質問を同じ条件で試します。生成した文章の自然さだけで選ばず、正しい案内と根拠、答えられない場合の動作を確かめ、候補を残す理由を方式条件表に記入しましょう。

参考:チャットボットの導入方法とは?種類・メリット・費用・失敗しない選び方をわかりやすく解説|NTT東日本

権限やシステム連携、情報更新の負荷で採否を判断する

候補を絞ったら、必須条件ごとに確認担当者と試験方法を決めます。参照権限、既存システムとの連携、回答記録の確認、情報の承認と更新を確認し、個別製品で未確認の仕様は未確認のまま残しましょう。

必須条件試験・確認する方法担当と記録する事項
必須条件は、参照権限を守って回答することです。閲覧権限の異なる利用者で同じ質問を試し、回答と参照元の表示を確認します。情シスと情報管理者が確認し、対象資料、権限、未解決事項を残します。
必須条件は、必要な情報を既存システムから受け取ることです。取得する項目と更新のタイミングを確認し、接続できない場合の案内も試します。情シスと業務担当者が確認し、連携対象と障害時の対応を残します。
必須条件は、回答記録を確認して修正することです。質問、回答、参照元、引き継ぎ結果を確認する手順と、記録の閲覧範囲を確かめます。運用担当者が確認し、確認頻度、保存期間、修正担当を記入します。
必須条件は、承認した情報へ更新することです。受付時間を変更する想定で、承認、差し替え、再試験、反映確認までを試します。情報承認者と更新担当者が確認し、記録するのは必要な作業と所要時間です。

回答資料の承認や更新担当を確保できない場合は、FAQの整備を先に進めるか、対象範囲を縮めて有人対応を続けます。内製で内部試行する案も含め、実装と保守を誰が担うかを確認しましょう。必須条件を満たせない候補は採用を保留し、導入を見送る選択も残します。

社内問い合わせにも適用する場合は、社内問い合わせにAIチャットボットを使う場合の検討事項も確認しましょう。部署や役職による閲覧範囲と、規程の改定を回答へ反映する担当者を追加で確認します。採用候補が決まったら、設定や連携だけでなく、承認、更新、再試験に必要な自社作業も一覧にし、費用・期間・担当体制を見積もります。

営業AI・営業DX 社内問い合わせAIチャットボット導入|承認ナレッジ・権限・更新設計の条件

費用・導入期間・担当体制を見積もる

候補方式を選んだら、提供者への支払いと自社で担う作業を整理します。回答資料の承認、システム連携、試験と修正に必要な時間も含め、予算と担当者の予定を確認しましょう。

初期費用と継続費用に社内の作業時間も加える

費用は、導入時の支払い、運用中の支払い、社内の作業時間を分けて見積もります。NTT東日本の導入方法を扱うコラムでも、初期費用、月額費用、カスタマイズ費用を区別して説明しています。[3]

見積依頼には、対象の質問群、利用量の想定、連携先、回答資料の整備状況を添えましょう。提供者には契約期間、料金に含まれる作業、追加料金の条件、解約時のデータの返却・削除を確認します。次の記入欄は、自社作業と見積もりの対象を並べて整理するためのものです。

費目・作業初期・継続の区分料金に含まれる範囲の確認自社で担う作業見積確認先金額記入欄
初期設定導入時に計上します。初期登録、画面設定、設置作業の範囲を確認します。自社で決めるのは、設置場所と必要な設定です。提供者と導入担当者が確認します。
月額利用・従量利用継続費用として計上します。確認事項は、基本料金の上限、利用量の数え方、超過料金です。問い合わせ記録から利用量を想定し、運用後も確認します。提供者と予算承認者が確認します。
システム連携・追加設定計上の区分は、導入時と変更時です。接続設定、改修、保守の費用を確認します。連携項目、権限、接続試験の担当を決めます。確認担当は提供者と情シスです。
回答資料の整備導入時と情報変更時に作業時間を見積もります。資料整理や回答登録を依頼する場合の範囲を確認します。自社作業は、古い情報の見直しと回答内容の承認です。情報承認者と提供者が確認します。
試験・修正・再試験導入時と変更時に作業時間を見積もります。確認事項は、試験支援と設定修正の範囲です。質問、期待する回答、引き継ぎ結果を確認します。業務担当者、情シス、提供者が確認します。
回答レビュー・更新見積もり上の区分は、継続する作業です。運用支援、問い合わせ対応、更新代行の範囲を確認します。回答記録を確認し、情報の承認と更新を続けます。確認担当は運用担当者と提供者です。

月額料金が予算内でも、回答資料の整備や更新を誰が担うかまで確認しましょう。受付時間の案内なら、臨時休業の承認、回答の変更、再試験にも作業時間を見込みます。金額が未確認の欄は空欄で残し、社内作業は時間で別に記録します。候補を比べる条件は、同じ期間と対象範囲です。

参考:チャットボットの導入方法とは?種類・メリット・費用・失敗しない選び方をわかりやすく解説|NTT東日本

工程の依存関係を踏まえて期間と担当者を決める

導入期間は、設定作業だけでなく、回答資料の承認、情シスの確認、連携試験、修正後の再試験まで含めて見積もります。作業にかかる時間と承認を待つ期間を分け、各工程の着手条件と担当者の予定を確認しましょう。

CS責任者は対象範囲と全体の予定をまとめ、情報承認者は回答内容を確認します。情シスには権限や接続条件、予算承認者には支払いと社内作業、運用担当者には更新と引き継ぎの受け入れを確認します。次の表で、担当者が使える時間と着手条件を工程ごとに記入しましょう。

工程着手条件担当・確認者利用可能工数の記入欄所要期間の記入欄遅延時の対応
回答資料の整理・承認対象の質問群と参照資料をそろえます。整理担当はCS責任者、確認担当は情報承認者です。承認できた質問群に試行範囲を縮めます。
権限・記録の扱いの確認示す情報は、設置場所、参照情報、保存する記録です。情シスと情報管理の担当者が確認します。確認前の接続や情報投入を保留します。
設定・外部連携着手条件は、回答資料、接続条件、必要な予算の承認です。提供者と情シスが作業範囲を確認します。遅延時の対応は、連携が不要な範囲での試行か、予定の見直しです。
試験・修正・再試験設定を終え、試験用の質問と期待動作を用意します。確認担当は業務担当者、情シス、修正担当者です。問題のある範囲を保留し、修正と再試験の時間を確保します。
公開承認・運用への引き継ぎそろえるのは、試験結果、未解決事項、更新担当、有人対応先です。CS責任者と必要な承認者が判断し、運用担当者が引き継ぎます。遅延時の対応は、公開の延期か、確認を終えた範囲への限定です。

設定が完成していても、回答の承認者が不在なら、その確認待ちを予定に含めます。受付時間の質問だけを先に試す場合も、承認済み資料と試験担当者をそろえましょう。日数を一律に当てはめず、担当者の稼働と承認予定から試験開始日を決め、その後は回答と引き継ぎの動作を確かめます。

試験運用で回答と引き継ぎの動きを確かめる

試験運用では、回答内容だけでなく、答えられない場合の案内と有人対応への引き継ぎを確認します。期待する動作と公開を止める条件を先に決め、試験結果と未解決事項から本番移行の可否を判断しましょう。

よくある質問と例外的な質問で応答を試す

試験には個人情報と顧客固有情報を除いた質問を用意し、対象内の質問だけでなく、曖昧な質問や対象外の質問でも回答と引き継ぎを確かめます。CS責任者と情報承認者が期待する動作を先に決め、実際の回答、参照元、移管結果を試験評価票に記録しましょう。

受付時間の案内を試す想定なら、通常営業日、臨時休業、窓口名が不明な質問を用意します。根拠が足りない場合は確認の質問や回答不可の案内を、対象外なら有人窓口への案内を期待動作にします。次の表は自社で記入するための例です。実回答や再試験結果は空欄にして、試験後に埋めます。

試験条件の想定例期待する動作確認する参照元実回答・移管結果問題の影響・再試験結果
対象内の代表的な質問期待する動作は、通常営業日の受付時間を対象窓口とともに案内することです。承認済みの営業カレンダーと窓口案内を確認します。
意図が曖昧な質問「いつまでですか」という質問では、何の期限や受付時間かを確認します。確認する参照元は、対象範囲票と確認質問の案内です。
回答に必要な情報が足りない質問未承認の日程を推測せず、回答できない旨と確認先を案内します。回答資料の適用期間と回答不可の条件を確認します。
回答資料の更新前後期待する動作は、更新前にはその時点の承認済み情報を使い、変更の適用後には新しい受付時間を案内することです。改定前後の資料と適用日時を確認します。
対象外の質問と閲覧権限の差個別の契約判断は人へ渡します。権限がない利用者には、回答にも参照元にも非公開情報を表示しません。対象外の条件、権限設定、移管先を確認します。
有人担当者の不在・受付時間外その場でつながると案内せず、利用可能な連絡方法と受付時間を伝えます。確認事項は、時間外の案内と、受付記録を確認する担当者です。

試験評価票には、試験ID、実施日、確認者と、使った回答資料の版も残します。合格率だけで公開を決めず、どの条件で何が起きたかを確認しましょう。問数や合格率を一律に決めるのではなく、自社の対象業務と誤案内の影響に合わせて試験項目を承認します。

効果と運用負担を確かめて本番移行を判断する

本番移行は、回答と引き継ぎの試験結果に加え、試験前と同じ定義で確認した自己解決・再問い合わせの状況と、整備・レビュー・更新に必要な作業時間を踏まえて判断します。効果や負担をまだ確認できない場合は、範囲を限定して試行を続けましょう。有人対応・更新・停止の担当者や障害時の対応が未確認の場合も公開を保留し、承認者名、判断日、対象範囲、未解決事項、再開条件を記録します。

自己解決率と再問い合わせを同じ条件で測定する

自己解決率は、解決を確認したセッション数を対象セッション数で割って確認します。あわせて、同じ用件で再び問い合わせていないかを調べましょう。画面を閉じたことだけで解決とせず、解決確認への無回答や追跡できない利用は、結果が不明なものとして記録します。

集計前に、対象期間、問い合わせ種別、セッションの区切り方、解決を確認する方法を決めます。次の表を自社の記録に合わせて埋め、分子と分母を同じ対象範囲から取得しましょう。利用者の回答と担当者の確認を混ぜる場合は、確認方法も分けて残します。

確認する指標分子分母取得元・欠測の扱いそろえる比較条件
利用率分子は、チャットボットを利用したセッション数です。設置ページなど、利用対象に定めた接点数を数えます。ページと利用の記録を使い、取得できない接点は別に記録します。固定する比較条件は、設置場所、対象者、集計期間、接点と利用の数え方です。
自己解決率事前に決めた方法で解決を確認したセッション数を数えます。評価対象の問い合わせセッション数を数えます。解決確認の回答などを使い、未解決・無回答・観測不能を解決数へ加えません。対象質問、解決確認の方法、期間をそろえ、不明件数も併記します。
有人移管率分子は、有人対応への移管を試みたセッション数です。評価対象の問い合わせセッション数を数えます。移管操作や受付の記録を使い、操作後の結果が不明なものを区別します。そろえる比較条件は、移管対象、受付時間、移管方法です。
移管成功率決めた引き渡し先で受付を確認した件数を数えます。有人対応への移管試行数を数えます。受付記録を確認し、リンクの表示だけでは引き渡し完了に数えません。受付完了の条件と、時間外対応の扱いを固定します。
再問い合わせ率分子は、決めた期間内に同じ用件で再問い合わせした件数です。再問い合わせの有無を追跡できた対象件数を数えます。問い合わせ履歴を使い、追跡できない件数を別に残します。決める比較条件は、同じ用件の判断基準と追跡期間です。追跡対象の割合も確認します。
誤回答の確認分子は、内容を確認して誤りと判断した回答件数です。内容を確認した回答件数を数えます。回答と承認済み資料を見比べ、未確認の回答を正解として扱いません。確認対象の選び方、誤りの基準、影響度をそろえます。

受付時間の案内では、回答後に利用者が電話をかけた理由まで確認しましょう。個別相談のために電話した場合と、案内が不明で同じ時間を聞き直した場合は分けます。移管率も低さだけで評価せず、人が判断すべき質問を適切に渡したか、受け付けられたかを確認します。

導入前後の比較で確認するのは、問い合わせ種別や営業時間が変わっていないかです。期間や対象が異なる場合は、その違いを記録してから結果を読みましょう。FAQ内検索の成功を調べる場合も、該当機能を使う範囲に限り、回答候補の表示と解決確認を分けて集計します。

重大な誤回答や有人対応への移管不能を公開停止の条件にする

重大な誤回答、権限外の情報表示、必要な有人対応への移管不能は、公開を止める条件として事前に定めます。影響度ごとの判断基準を責任者が承認し、該当する問題の修正と再試験が終わるまで公開を保留しましょう。

設定が終わった段階でも、回答の承認や人への引き継ぎが未確認なら、公開を保留して準備に戻しましょう。

判断判断条件の例承認・確認する担当次の作業・再開条件
公開可と判断します。承認した対象範囲で必要な試験を終え、公開停止に当たる問題を解消しています。CS責任者がそろえるのは、情報承認者・情シス・運用担当者の確認結果です。公開範囲と監視担当を記録し、停止時の連絡方法と有人対応へ戻す手順を確認します。
範囲を縮小して再試行します。確認事項は、問題のある質問群や連携を除外し、残る範囲を独立して試せるかどうかです。CS責任者と情シスが、除外した範囲の情報が表示されないか確認します。縮小後の回答・回答不可・移管を再試験し、結果を承認してから限定公開を判断します。
判断は、公開の保留です。重大な誤回答、権限外情報の表示、移管不能、担当者未定などが残っています。CS責任者が修正担当者と確認担当者を決めます。再開条件は、原因を修正し、問題が起きた条件と関連する質問を再試験して、承認を受けることです。
導入を中止します。必要な品質や体制を確保できず、範囲の縮小や方式変更でも要件を満たせないと判断します。CS責任者と予算承認者の確認事項は、継続できない理由です。有人対応を継続し、再検討する場合に必要な条件と未解決事項を残します。

段階的に公開する場合も、対象を絞った範囲で回答と移管を試し、障害時は有人窓口の案内へ戻す手順を確かめます。再開時は修正箇所と関連する質問を再試験し、承認者が結果を確認してから対象範囲を戻しましょう。公開後は自己解決や再問い合わせと、回答を更新する負担を継続して確認します。

本番運用の担当と回答の更新手順を決める

公開後は、利用者が疑問を解決できたかと、回答を維持するために必要な作業を確認します。CS責任者が利用記録と運用記録を見比べ、回答の修正、対象範囲の変更、継続の判断につなげましょう。

更新責任者と実質的な工数を踏まえて継続を判断する

継続の判断では、回答品質と有人対応の時間に加え、情報整備、ログの確認、回答更新、連携維持に使った時間も確認します。情報承認者、更新担当者、緊急停止と再開を判断する責任者を決め、確認する頻度と代行者を運用記録に残しましょう。

臨時休業が決まったのに通常の受付時間を案内している場合は、定例の確認日を待たずに対応します。古い情報を使う回答の停止から再開まで、次の更新記録で追いましょう。各作業には担当者名、実施日時、対象資料の版、確認結果を記入し、対応中の質問を誰が受けるかも決めます。

更新の段階担当する役割記録する内容次へ進む条件
旧情報を検知します。変更を知らせる担当は、情報承認者またはログ確認担当者です。変更元の資料、適用日時、影響する質問と回答を残します。影響範囲と緊急対応の要否を責任者が確認します。
次の段階は、該当する回答の停止です。運用担当者が、停止責任者の判断に従って対応します。停止範囲、利用者への案内、有人窓口、停止日時を残します。次へ進む条件は、古い回答が表示されず、代わりの案内が機能することです。
内容を承認して更新します。情報承認者が内容を確認し、更新担当者が反映します。記録する内容は、承認者、変更内容、資料の版、反映日時です。承認した内容と反映後の情報が一致していることを確認します。
関連する質問を再試験します。確認担当は業務担当者と、必要に応じて加わる情シスです。変更した回答、関連質問、回答不可、有人移管の試験結果を残します。次へ進む条件は、停止の原因を解消し、関連する案内にも問題がないことです。
承認を受けて再開します。再開責任者が結果を確認し、運用担当者が再開します。記録する内容は、再開範囲、承認者、再開日時、再開後の確認担当です。再開後の回答と移管を確認し、未解決事項の担当と期限を決めます。

工数を比較する際は、同じ問い合わせ量・種別にそろえ、導入前の有人対応時間から導入後の有人対応時間を引き、さらに追加した整備・レビュー・更新・連携維持の時間を差し引きます。同じ作業を二重に数えず、計測できていない時間は未取得として残しましょう。空いた時間を別の業務に使っても、人件費の支払いが減ったとは限らないため、作業時間と支出は分けて確認します。

回答品質が悪化した場合や、追加作業を含めると負担が増えている場合は、対象を広げずに原因と対応を決めます。更新の多い質問群を有人対応へ戻す、承認できる範囲だけ続ける、修正して再試験するなど、品質と確保できる工数に合わせて判断しましょう。対象範囲票へ変更内容を戻し、継続する質問群の情報源・承認者・更新担当・移管先を確認します。

導入の各段階で使う判断表

チャットボット導入では、作業の予定とあわせて、次へ進むための確認事項を決めます。次の工程判断表は、導入担当者が自社の作業を整理するための記入例です。問い合わせ記録を出発点に、作成した資料を次の工程へ渡し、条件がそろわない場合の戻り先まで決めておきます。

対象業務の選定から本番運用までの流れをつかむ

最初に決めるのは、チャットボットが答える質問と、人が対応する質問です。その範囲に合わせて方式、費用、担当体制を検討し、試験で回答と引き継ぎ、効果と運用負担を確かめて公開可否を判断したうえで、導入後の効果と更新作業を確認します。

  1. 対象業務を選び、回答の情報源と自動化しない範囲を決めます。
  2. 次に行うのは、質問の形式や参照する情報に合わせた回答方式の比較です。
  3. 総費用、必要な作業時間、担当者をそろえ、試験の準備をします。
  4. 試験運用で、回答内容、回答できない場合の案内、人への引き継ぎを確かめます。
  5. 公開前に承認するのは、試験結果、効果と運用負担、未解決事項を踏まえた公開範囲と停止・再開の条件です。
  6. 本番運用で効果と運用負担を確認し、回答や対象範囲を更新します。

NTT東日本の導入方法を扱うコラムでも、目的や情報の整理から試験、公開後の改善までの工程が説明されています。[1]自社で進める際は、工程名に加えて、各段階で誰が何を確認するかを書き添えましょう。

工程入力する情報担当成果物次へ進む条件未達時の戻り先
対象業務を決めます使うのは、問い合わせ記録と現在の回答資料です。CS責任者と情報承認者が確認します。対象・対象外、情報源、移管先を対象範囲票に記録します。次へ進む条件は、試す質問と回答根拠、確認する担当者が決まっていることです。質問の分類と回答資料の整備に戻ります。
方式を比較します対象範囲票と必要な権限・連携条件を使います。確認担当は導入担当者と情シスです。方式条件表に必須条件と検証方法を記録します。候補方式を試す条件と、未確認の仕様が整理されています。戻り先は、対象範囲の見直しや提供者への仕様確認です。
費用と体制を見積もります候補方式の見積もりと社内作業の一覧を使います。CS責任者、情シス、予算承認者が確認します。費用・体制表に記録するのは、費目、担当者、着手条件です。試験に必要な予算と担当者の作業時間を確保しています。試行範囲、方式、作業分担の検討に戻ります。
試験運用を行います使うのは、承認済みの回答資料と試験用の質問です。業務担当者と情シスが確認します。試験評価票に期待動作、実際の回答、移管結果を記録します。次へ進む条件は、公開候補の範囲で必要な試験と修正後の再試験を終えていることです。回答資料、設定、移管方法の修正に戻ります。
公開可否を判断します試験評価票と未解決事項を使います。確認担当は、業務責任者と必要な社内承認者です。公開判定に対象範囲、承認者、停止・再開条件を記録します。次へ進む条件は、公開停止に当たる問題が解消し、更新と有人対応の担当が決まっていることです。試験運用に戻り、必要に応じて公開範囲を縮めます。
本番運用を見直します使うのは、利用記録、再問い合わせ、更新作業の記録です。運用担当者とCS責任者が確認します。運用記録に指標の定義、確認結果、更新履歴を残します。次へ進む条件は、品質と負担を確認し、継続する範囲と改善作業を決めていることです。対象範囲や回答資料を見直し、修正箇所を再試験します。

受付時間の案内を試す場合でも、通常営業日だけでなく、休業日や担当者が不在の時間帯を確認します。回答自体が正しくても、案内先が受け付けていなければ、その時間帯の案内を修正してから再試験しましょう。

参考:チャットボットの導入方法とは?種類・メリット・費用・失敗しない選び方をわかりやすく解説|NTT東日本

まとめ:導入に必要な条件をそろえて次へ進む

チャットボット導入は、対象業務と人が対応する範囲を決めるところから始めます。質問の形式や情報源に合う方式を選び、提供者への支払いと社内の作業時間、承認を待つ期間まで含めて費用・体制を見積もりましょう。

試験運用では、通常の回答に加え、根拠が足りない場合や対象外の質問、有人担当者が不在の場合も確認します。重大な誤回答や権限外の情報表示、必要な引き継ぎができない状態が残るなら、公開を保留して修正と再試験を行います。公開後も、自己解決や再問い合わせと、回答を承認・更新する負担を合わせて見直しましょう。

まずは対象範囲票に戻り、回答の情報源、承認者、更新担当、有人対応への引き継ぎ先、解決を確認する方法を記入してください。未記入の項目は確認する担当者と期限を決め、条件がそろった質問群から試行の準備を進めましょう。

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この記事を書いた人
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元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。