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アカウントマネージャーは、担当顧客との関係維持や取引拡大を担う営業職です。新規開拓担当との違いは、任せる顧客と仕事から整理します。職種名だけで責任を決めず、契約・更新・追加提案の担当者と判断範囲、引き継ぐ情報や時期を自社で確認します。
契約後の問い合わせや更新の相談で担当が曖昧な場合は、仕事の分担を確認することが必要です。新規開拓と既存顧客への対応を分けようとしても、職種名を決めるだけでは、実際の仕事の分担は定まりません。
アカウントマネージャーは、担当顧客との関係を維持し、取引の拡大を担う営業職です。営業全体を新規開拓だけと捉えず、どの顧客に対して、契約のどの段階から何を任せるかを確認します。
新規開拓担当や顧客の活用を支援する担当との違いを整理し、自社の仕事を確認する担当表と引き継ぎメモを紹介します。具体的な確認項目は、契約・更新・追加提案の担当者、判断できる範囲、引き継ぐ情報です。
アカウントマネージャーと営業は何が違うのか
アカウントマネージャーと営業の違いを考える際は、営業全体と新規開拓の担当を分ける必要があります。顧客との取引を続け、広げる仕事も営業に含まれるため、比較する相手によって答えが変わります。
アカウントマネージャーは営業職の一つ
アカウントマネージャーは、担当顧客との関係維持や取引の拡大を担う営業職です。営業と別の職種というより、営業の中でどの顧客を受け持ち、どこまで責任を持つかを表す呼び名です。
Zoho CRMの職務説明では、アカウントマネージャーを、法人顧客の課題を把握して解決策を提案する現場の営業担当者と説明しています。[1]既存の契約を管理するだけでなく、顧客の課題に応じて提案を続ける役割を含みます。
新規開拓を担う営業との分担を考えるなら、初回契約までを誰が進め、その後の顧客対応を誰が受け持つかが比較の出発点です。新規契約を得る仕事と、契約後の関係を維持して追加の取引を検討する仕事では、確認する情報や顧客との接点が異なります。
ただし、この説明だけで自社の更新担当や契約条件の承認者まで決まるわけではありません。役割の意味を理解したうえで、実際に任せる仕事と判断できる範囲を自社の職務定義に照らして確認します。
参考:アカウントマネジメントが注目されている背景|Zoho CRM
職種名だけでは顧客対応の範囲は分からない
同じアカウントマネージャーという名称でも、契約前から顧客を受け持つのか、契約後に引き継ぐのかは、自社の分担を確認する必要があります。職種名を確認しただけでは、契約・活用支援・更新・追加提案の担当者は特定できません。
営業担当が契約前後を通して兼務する場合は、担当者の交代よりも、契約後に何を続けて受け持つかが重要です。契約を締結した後も、顧客への連絡、利用中の課題の確認、更新に向けた調整のうち、どこまで任せるかを明記します。
分業する場合に決めるのは、引き継ぐ時期と受け渡す情報です。契約締結時に担当を替えるのか、導入開始まで元の担当が関わるのかを確認し、移行中の問い合わせに誰が回答するかも合わせて定めます。
職務定義と実務が異なる場合は、現在誰が対応しているかと、正式に誰が責任を持つかを並べて確認します。名称を変更する前に、任せる目的、日々の仕事、成果として確認する内容をそろえることが、分担を考える基準です。
新規開拓営業とは目的・業務・成果指標が異なる
新規開拓が中心の営業とアカウントマネージャーは、主に担当する顧客と取引の段階から比較できます。目的や仕事の分担を確認してから、それぞれの責任に合う成果指標を検討します。
目的と担当業務を比べる
新規開拓が中心の営業の目的は、新しい顧客との取引開始です。アカウントマネージャーは、担当顧客との関係を維持し、課題に応じて取引を広げる役割として比較できます。Zoho CRMの職務説明でも、新規開拓を担う担当と、契約後の顧客を引き継ぐ担当を分けて説明しています。[2]
以下は、自社の分担を確認するために整理した比較例です。企業共通の職務定義ではなく、成果指標も候補として示しています。同じ担当者が両方を受け持つ場合は、顧客や契約の段階ごとに担当業務を照合します。
| 比較項目 | 新規開拓が中心の営業 | アカウントマネージャー | 自社で確認すること |
|---|---|---|---|
| 目的 | 新しい顧客との取引開始を目指します。 | 担当顧客との関係を維持し、取引の拡大を目指します。 | 確認するのは、初回受注と継続取引を誰が受け持つかです。 |
| 主な顧客 | これから取引を始める見込み顧客を担当します。 | すでに取引のある顧客を担当します。 | 確認するのは、既存顧客の別部門への提案を誰が担当するかです。 |
| 契約段階 | 初回契約に向けた商談を進めます。 | 契約後の対応や次の取引に関わります。 | 確認するのは、契約前後で担当を替える条件です。 |
| 主な仕事 | 課題の確認、提案、条件調整を進めます。 | 継続的な課題の確認、更新調整、追加提案を進めます。 | 確認するのは、活用支援や問い合わせ対応との分担です。 |
| 成果指標 | 新規受注件数や初回受注額などを検討します。 | 担当顧客の取引額や更新状況などを検討します。 | 確認するのは、指標が担当業務と判断権限に合っているかです。 |
既存顧客から新しい相談が出た場合は、顧客との関係を把握する担当と、提案・契約を進める担当が異なることも想定しておきます。比較表の左右に顧客を当てはめるだけでなく、その相談を誰が受け、誰が提案し、誰が条件を判断するかまで確認すると、実際の分担を決められます。
参考:アカウントマネジメントが注目されている背景|Zoho CRM
任せる業務に合った成果指標を確認する
成果指標を検討する基準は、職種名ではなく、任せる仕事です。初回契約を受け持つなら新規受注、更新を受け持つなら担当契約の更新状況というように、何の結果を確認したいのかを先に決めます。
更新に複数の担当者が関わる場合は、売上の結果だけで個人の責任を判断しないことも必要です。顧客の活用を支援する担当、更新条件を提案する担当、条件変更を承認する担当の仕事を確認し、誰がどの行動を受け持ったかを合わせて整理します。
全員に同じ指標を置く前にそろえるのは、対象顧客、担当期間、契約のどの段階を受け持つかです。指標の選び方や確認の進め方まで決める場合は、法人営業の成果指標を設計する方法で、仕事の工程と指標を対応させる手順を確認できます。
営業AI・営業DX 法人営業のKPI設計|成果が出る指標の選び方と5つの設計ステップ
商談担当・活用支援・営業管理の役割を比べる
顧客に関わる職種を比べる際は、商談を進める仕事、顧客の活用を支援する仕事、営業チームを管理する仕事を分けて考えます。活動が重なる場合も、最終的に何を受け持つかが、担当者間で調整する内容を明確にする手がかりです。
アカウントエグゼクティブは商談を担当する
アカウントエグゼクティブは、商談や契約を進める営業担当です。Salesforce Trailheadの教材では、見込み顧客の情報を受け取り、商談を成立させる活動を担う職種として説明しています。[3]担当顧客との継続的な関係を担うアカウントマネージャーとは、主に責任を持つ仕事から比較します。
ただし、アカウントエグゼクティブという名称だけで、新規顧客専任と断定することはできません。同教材では、営業チームの活動に、顧客となった後の上位商品や関連商品の提案も含めています。自社で既存顧客の商談を誰が進めるかは、別途確認する必要があります。
分担を決める際に具体化するのは、追加提案が生じたときの動きです。顧客の課題を把握する担当、提案内容をまとめる担当、契約条件を調整する担当と、顧客への連絡担当が確認項目です。
参考:営業担当のあり方について学ぶ|Salesforce Trailhead
カスタマーサクセスと重なる業務を確認する
カスタマーサクセスは、顧客が商品やサービスを活用し、目標を達成するための支援を担います。セールスフォース・ジャパンの職務解説では、顧客の活用と成果を支援する役割と、関係を維持しながら取引拡大に注力するアカウントマネージャーの役割を区別しています。[4]
両者の違いを、売上に関わるかどうかだけで説明するのは適切ではありません。同解説では、カスタマーサクセスの業務にも上位商品や関連商品の提案機会をつくる活動を含めています。顧客の課題を把握する活動や、追加提案に関わる仕事は重なり得ます。
自社の分担で分けて記すのは、活用上の課題を誰が確認し、追加契約の必要性を誰が検討し、条件を誰が提示するかです。更新についても、継続利用を支援する仕事と契約手続きを進める仕事の担当を確認し、顧客に異なる案内をしないよう調整します。
参考:カスタマーサクセスマネージャー(CSM)とは?業務やスキルを解説|セールスフォース・ジャパン
営業マネージャーはチームを管理する
アカウントマネージャーは、名称にマネージャーと付いていても、必ずしも部下を持つ管理職ではありません。担当顧客との取引を受け持つ役割と、営業チームを管理する役割は区別します。Salesforce Trailheadの教材でも、営業の実務担当と、戦略の策定に重点を置く管理者の役割を分けています。[5]
担当者間の分担を調整し、チームとして誰が何を受け持つかを決めることも、営業マネージャーの仕事です。アカウントマネージャーが顧客の相談を受けた場合も、値引きや契約条件の変更まで単独で判断できるとは限らず、自社の承認権限を確認します。
顧客担当と管理職を兼務している場合に分けて記すのは、顧客の窓口として行う仕事と、管理者として判断する仕事です。肩書きから権限を推測するのではなく、担当表で主担当、協力する担当、判断できる範囲を確認します。
参考:営業担当のあり方について学ぶ|Salesforce Trailhead
顧客担当者との分担を整理した後、チーム全体の目標・行動・案件・育成をどう管理するか検討する場合は、営業マネジメントで扱う管理領域を確認できます。
営業AI・営業DX 営業マネジメントの基本と実践|成果が属人化しない仕組みの作り方
契約・更新・追加提案の担当者を決める
担当範囲を決めるときは、顧客対応を仕事ごとに分け、主担当と判断できる範囲を並べます。職種名に加えて、顧客からの相談を受ける担当者と、その担当者だけでは判断できない場合の確認先を記します。
業務ごとに主担当と判断範囲を明記する
担当表には、契約、活用支援、更新、追加提案、問い合わせ対応を分けて記入します。各行で、その仕事を進める主担当、協力する担当、顧客への連絡窓口、判断できる範囲を確認すると、担当が未定の仕事や責任が重なる仕事を特定できます。
自社の職務定義と実際の分担を照合する際は、以下の表に担当者と判断できる範囲を記入する方法があります。部署名や権限を職種名から推測せず、各業務を受け持つ担当者と確認して書き込みます。担当者や判断範囲が決まっていない欄は、管理者と確認する項目として残します。
| 仕事 | 主担当 | 協力する担当 | 顧客への連絡窓口 | 判断できる範囲 | 引き継ぐ条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 契約 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 活用支援 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 更新 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 追加提案 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 問い合わせ対応 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 | 自社で記入 |
判断できる範囲には、担当者が回答できる内容と、上司や別部門への確認が必要な内容を分けて記します。顧客窓口が決まっていても契約条件を承認する権限があるとは限らないため、窓口と判断者が異なる仕事は確認先も残します。
兼務時は顧客窓口と判断者を確認する
新規開拓と既存顧客対応を兼務すること自体を、職種名を理由に避ける必要はありません。同じ担当者が受け持つ場合も、契約前の提案と契約後の支援を分け、更新や追加提案のどこまで判断を任せるかを確認します。
兼務なら担当交代に伴う説明を省ける一方、複数の仕事が同じ時期に重なった場合の対応も考える必要があります。分業なら担当者を分けられますが、引き継ぎや連絡の調整が必要です。どちらの場合も、担当者が不在のときの顧客窓口と、判断を求める相手を決めます。
担当者が決まらない仕事は、管理者が確認先と決定期限を設定します。未定のまま顧客対応を止めないためには、正式な分担が決まるまで誰が連絡を受けるかも確認が必要です。組織全体を変える前に、現在の担当表で未定の仕事を確かめるところから始められます。
営業担当から引き継ぐ時に確認すること
引き継ぎでは、連絡先や契約書を渡すだけでなく、顧客の導入目的、合意した内容、残っている課題を共有します。引き継ぎ元と先の担当者で、次の顧客対応に向けた確認事項と行動を整理し、それぞれの担当者と実行期限を合わせます。
導入目的・合意事項・未解決課題を引き継ぐ
引き継ぎ先に伝える中心は、顧客が何を実現するために契約し、どこまで対応すると合意したかです。導入目的と契約範囲を別々に残すことで、顧客の期待と、自社が引き受けた仕事を区別して確認できます。
担当者間で引き継ぐ内容を確認する際は、以下の表をメモとして使う方法があります。引き継ぎ元の担当者が、確認済みの内容と、これから確認する内容を別欄に記入し、引き継ぎ先と照合します。合意の根拠になる契約書や連絡記録がある場合は、引き継ぎ先が参照できるよう保管先も添えます。
| 項目 | 確認する内容 | 確認済みの内容・根拠 | 未確認の内容・確認先 |
|---|---|---|---|
| 導入目的 | 確認するのは、顧客が解決したい課題と目指す結果です。 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 契約範囲 | 契約対象、提供する内容、契約期間を確認します。 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 合意内容 | 顧客と合意した対応、条件、日程を確認します。 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 未解決の課題 | 確認するのは、残っている課題と、回答や判断が必要な内容です。 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 関係する担当者 | 顧客側と自社側の関係者、その役割を確認します。 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 次の行動 | 次に行う連絡、確認、対応を具体的に記します。 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 担当者 | 確認するのは、次の行動を実行する人です。 | 自社で記入 | 自社で記入 |
| 実行期限 | 各行動をいつまでに行うか確認します。 | 自社で記入 | 自社で記入 |
未解決の課題は、課題の存在を確認できたことと、解決方法が決まったことを分けて記します。顧客の要望を聞いただけなら合意済みの対応にはせず、何を誰に確認する必要があるかを残すことが大切です。次の行動が複数ある場合は、行動ごとに担当者と期限を対応させます。
引き継ぎ時期と次の行動を担当者間で確認する
引き継ぎ完了の時期は、契約締結日だけで決めず、引き継ぎ先が受け持つ仕事に合わせて確認します。提案するのは、引き継ぎ元と先が、契約内容、未解決事項、次の顧客連絡の担当と期限を共有し、どこから新しい担当が対応するかに合意する方法です。
課題が残っていても、その課題を誰が受け持つか明確なら、引き継ぎを進める判断は可能です。反対に、資料がそろっていても、次の連絡担当や回答責任が決まっていなければ、確認を続ける必要があります。顧客へ担当変更を案内する人と、変更が有効になる時期も合わせて決めます。
引き継ぎ後の顧客対応を検討する基になるのは、共有した導入目的や課題です。活用の支援と追加提案のどちらを優先するかまで考える場合は、既存顧客の状態に合わせた営業の進め方で、利用状況と課題の変化から対応を選ぶ方法を確認できます。
営業AI・営業DX 既存顧客営業の方法|顧客状態別のアプローチと改善ループの回し方
まとめ|職種名より任せる仕事を確認する
アカウントマネージャーは、担当顧客との関係維持や取引拡大を担う営業職です。新規開拓担当と分業する場合も、同じ人が兼務する場合も、職種名だけでは責任の範囲は決まりません。実際に受け持つ顧客と仕事を、自社の職務定義に照らして確認することが出発点です。
まずは契約・活用支援・更新・追加提案・問い合わせ対応について、主担当、協力する担当、顧客への連絡窓口、判断できる範囲を担当表に記す方法があります。担当が未定の仕事や責任が重なる仕事を確認します。引き継ぐ際に担当者間で合わせるのは、顧客の導入目的、合意内容、未解決の課題と、次に行動する人、期限です。
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