▼ この記事の内容
営業の見積もりメールは、添付だけで済ませず、対象範囲、確認してほしい点、次に連絡したい時期を分けて書くと、相手が社内で検討する材料を整理できます。初回送付、条件変更、価格相談、フォローで使う架空の文例とチェック表を、場面ごとに使い分けます。
メール文面を変えるだけで受注や返信が増えるとは限りません。この記事のメール、会話例、記入表は説明用の架空案件であり、実在企業の実績やFAZOMの料金・製品出力ではありません。
見積書を送る担当者と、文面や確認手順をそろえたい営業マネージャーが、案件ごとに差し替える箇所と確認すべき条件を整理できるよう、場面別の文例を示します。
営業の見積もりテンプレートは送付メールと確認事項をセットで用意する
見積書と送付メールの役割を分ける
マネーフォワード クラウドの見積書テンプレート解説では、発行日、顧客情報、品目・数量、金額、納期、支払い条件、有効期限、発行者情報が一般的な記載事項として紹介されています。送付メールでは、見積書のうち特に確認してほしい範囲と問い合わせ先を短く補いましょう。
必要な記載事項や承認手順は、契約内容や社内規程によって異なります。テンプレートをそのまま送らず、案件ごとの条件と自社の確認手順に照らして使用してください。
以下の文例は、初期設定と操作研修を依頼する架空の案件を想定しています。実際に送る際は、対象範囲と取引条件を自社の見積書に合わせてください。
参考:見積書テンプレート・書き方|マネーフォワード クラウド
初回送付メールの全文例を案件に合わせて差し替える
以下は業務システム初期設定支援を想定した架空例です。登場する青葉企画・東雲サポート・佐藤・田中と文書名は架空です。実際の見積書ファイルは添付されていません。使用時には宛先、署名、添付名、金額、税、期限、支払条件を実際の案件に合わせ、添付と本文を照合してください。FAZOMの提供条件を示す例ではありません。
件名:初期設定支援のお見積もり送付について
青葉企画 佐藤様
お世話になっております。東雲サポートの田中です。
お打ち合わせの内容をもとに、見積書「初期設定支援_見積書_第1版.pdf」をお送りします。
対象は初期設定と操作説明です。既存データの移行と個別の追加開発は含みません。金額と税の内訳は見積書の金額欄、有効期限と支払条件は条件欄に記載しています。
対象範囲と開始希望時期に相違がないか、ご確認をお願いいたします。変更や補足説明が必要な点は、このメールにご返信ください。社内確認の予定に合わせてご案内したいため、次にご連絡してよい時期もお知らせいただけますと幸いです。
東雲サポート 田中
送付前に見積もりの前提条件と版を確認する
送付前チェック表で宛先・添付・範囲・金額条件を照合する
マネーフォワード クラウドの見積書テンプレート解説が挙げる顧客情報、金額、納期、支払い条件、有効期限などを、送付前に確認しましょう。下表ではメール送付時の確認も加え、添付した版、対象範囲と対象外、税の扱い、追加費用の条件、確認窓口を照合します。
| 確認欄 | 記入例 |
|---|---|
| 添付と版 | 最新版の見積書を添付したか |
| 範囲と対象外 | 今回含む作業と別途確認する作業 |
| 条件 | 金額・税・有効期限・支払条件の確認先 |
| 次の連絡 | 質問窓口と確認したい時期 |
参考:見積書テンプレート・書き方|マネーフォワード クラウド
概算見積と正式見積の用途を混同しない
概算見積は予算を検討する段階、正式見積は仕様や条件が固まった段階で使い分ける考え方が、弥生の実務解説で紹介されています。どちらを送るかは、相手が今決めたいことと、未確定の条件を分けて判断します。
これは同社の実務解説における用途の区別です。精度、期限、法的拘束力、受注への影響を一律に決めるものではないため、仕様が変わる余地はメールでも明記します。見積もりを提示するタイミングは、顧客と確認する手順も参照してください。
参考:概算見積書とは?正式見積書との違いや作成時のポイント|弥生
条件変更と価格相談は約束できる範囲を分けて伝える
再見積もりでは旧版と変更点を明記する
条件変更後は、旧版と新版を区別し、変更した対象作業、金額変更の有無、有効期限、どちらを参照してほしいかを明記します。古い見積書を誤って社内へ転送しないよう、本文で差し替えを依頼します。
件名:初期設定支援の見積書改訂について(第2版)
青葉企画 佐藤様
お世話になっております。東雲サポートの田中です。
ご相談いただいた操作説明の追加を反映した「初期設定支援_見積書_第2版.pdf」をお送りします。
第1版から操作説明の対象を広げたため、作業範囲と金額を変更しています。変更箇所は対象範囲欄と金額欄に記載しました。有効期限と支払条件も、第2版の条件欄をご確認ください。
今後のご検討には第2版をご使用いただき、第1版を関係者へ共有済みの場合は差し替えをお願いいたします。変更内容に相違があれば、このメールへご返信ください。
東雲サポート 田中
価格相談は相手の前提を聞いてから社内確認の範囲を伝える
予算より高いと伝えられた時は、すぐに値引きを約束せず、どの金額を想定していたか、何を含める必要があるか、誰の承認が必要かを確認します。値引き、範囲の見直し、開始時期の変更は、同じ対応ではありません。
会話例:お客様「予算より高いです」。営業「差し支えなければ、想定されていた金額と、今回外せない範囲を教えていただけますか。確認する内容を整理し、回答できる時期をご連絡します」。社内確認は、確認項目と回答予定を添えて伝えます。
見積もり送付後は催促せず判断材料の不足を確認する
送付直後と検討中でフォロー文を分ける
見積書送付メールでは、添付だけでなく本文にも見積内容を記す例が、ビジネスメールの教科書のメール作成助言にあります。送付直後は到着と確認事項、検討中は不足している資料や論点を聞く、と目的を分けます。
件名:初期設定支援の見積書についての確認
青葉企画 佐藤様
お世話になっております。東雲サポートの田中です。
先ほどお送りした第1版の見積書について、添付を開けない場合や内容が表示されない場合はお知らせください。
対象範囲と開始時期について、補足が必要な点があればご説明します。ご確認が済んでいれば、到着確認へのご返信は不要です。
東雲サポート 田中
件名:初期設定支援のご検討に必要な資料について
青葉企画 佐藤様
お世話になっております。東雲サポートの田中です。
先日お送りした見積書について、ご相談していた確認時期になりましたのでご連絡しました。
社内検討にあたり、対象範囲・開始時期・費用の前提について補足資料が必要でしたらお知らせください。検討予定が変わった場合は、その予定に合わせてご案内します。ご連絡を控えた方がよい場合も、その旨をお知らせください。
東雲サポート 田中
件名:見積書の有効期限と今後のご検討について
青葉企画 佐藤様
お世話になっております。東雲サポートの田中です。
お送りした見積書の有効期限が近づいているため、ご案内します。
期限後も検討を続けられる場合は、対象範囲と開始時期を確認し、条件を改めてご案内します。期限延長や同条件での対応をこのメールでお約束するものではありません。ご希望の予定があればお知らせください。
東雲サポート 田中
営業AI・営業DX 営業の質問力を鍛える5手順|顧客ニーズを引き出す質問設計法
参考:見積書送付メールの例文|ビジネスメールの教科書
見送り後は回答を強制せず記録をチームレビューへ戻す
見送りの返答を受けたら、まず検討への謝意を伝えます。理由を聞く場合も任意とし、連絡不要の意思が示された場合は接触を続けません。
見送りへの返信は、謝意と今後の連絡方針を簡潔に伝えます。営業ロープレの進め方は、実践に近い練習の設計も参考になります。
件名:ご検討のお礼
青葉企画 佐藤様
お世話になっております。東雲サポートの田中です。
今回は見送りとのご連絡をいただき、承知いたしました。ご検討のお時間をいただき、ありがとうございました。
差し支えない範囲で、判断の際に重視された点をお聞かせいただければ、今後のご案内の改善に役立てます。ご回答は任意です。
本件についてのご提案・確認の連絡は、これで終了いたします。また必要なことがございましたらお声がけください。
東雲サポート 田中
テンプレートは会話例と記入表をチームレビューに活用する
会話例は約束の有無と確認行動を分けて評価する
チームレビューでは、価格相談で何を約束したかと、何を確認したかを分けて記録します。相手の前提、承認が必要なこと、回答予定、次の確認事項が会話にあったかを、実際の発言で確かめます。
| 確認観点 | 記入例 |
|---|---|
| 相手の前提 | 想定予算と外せない範囲を質問した |
| 約束の有無 | 値引きを即答せず、確認範囲を伝えた |
| 次の確認 | 回答する内容と時期を合意した |
文面の利用回数だけで成果を判断しない
テンプレートの利用回数だけでは、文面が案件に役立ったかを判断できません。返信の有無、次の確認が決まったか、案件の条件、対象期間を並べ、文面変更だけが結果を生んだとは断定しないようにします。
チームでは、返信がなかった案件も含め、相手が確認できる条件がそろっていたかを振り返ります。営業プロセス全体で次に確認する事項を考える際は、商談の合意事項を整理する確認観点を参照してください。
まとめ
営業の見積もりテンプレートは、帳票だけでなく、確認してほしい条件、変更時の版、質問窓口、次の連絡時期を送付メールに分けて置くと使いやすくなります。架空例を自社の条件へ置き換え、送信前のチェック表と会話例をチームで見直してください。