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導入事例 不動産・施設運営

「あの人の頭の中」にしかなかった仕事の進め方を1枚の地図にしたら、店舗誘致未経験のメンバーの声かけが以前の1.5〜2倍に増え始めた ― ある商業施設運営会社の導入検証記録

白背景にFAZOMロゴを中央配置した導入事例用アイキャッチ 16:9

業種=不動産(店舗誘致) / 従業員規模=大手(1000名超)

この記事で分かること

どんな会社にも、できる人が当たり前にやっている勝ち方があります。ところが、その勝ち方の多くは、本人の頭の中にしかありません。言葉になっていないから、次に入る人へ渡らない。その人が抜けたら、勝ち方ごと消えてしまいます。FAZOMがやっているのは、この「できる人の頭の中にある勝ち方」を、本人だけのものから、部署のみんなが使える共有物に変えることです。

この記事は、その最初の1枚が現場でどう効いたかの記録です。商業施設を運営するある会社の、新しい店舗誘致進め方が個人に閉じた状態からどう抜け出し始めたかを事例インタビューしました。

起きていたこと(サマリー)

項目状態
型の決まった業態で、店舗未経験メンバー2名の声かけ(アタック)が増加確認できた(本人談・以前の1.5〜2倍ほど。正確な件数は集計中)
初めての人が全体の流れを追えるようになった確認できた(本人談)
一人前まで早くて1年という立ち上がりの入口が短くなる手応え確認できた(本人談)
つくったマップが、通常業務の基礎的な流れの土台にもなった確認できた(本人談)
新規アイディア構築まだこれから(増えていない)
最終的な売上と目標の数字まだこれから(1年がかりの仕事・導入から日が浅い)

どんな会社・どんな現場か

会社=商業施設を運営する企業(社名・規模は非公開)

部署=新規アイディア検討部署

今回の取り組み=新規アイディア構築をスキルプロセスマップとして残す

お話を伺った方=現場全体を見ている責任者

  • 新規業務中心の為
  • 業務の進め方が十分に整理されておらず、経験者それぞれの知識やノウハウに頼る部分が多くありました。人の入れ替わりもある中で、誰でも業務を理解しやすいよう、進め方やこれまでの経緯を整理していく必要性を感じていました。

このあたりは、FAZOMがご支援させていただく流れとしてよくお聞きするお話です。勝ち方が、できる人それぞれの中にだけある。本人には当たり前すぎて、わざわざ言葉にする理由がない。だから外に出てこない。やり方を残したいという動機は、外から言われて始まったものではありませんでした。現場を回している当事者が、初めて入る人のためにまず整理したい、と考えていた。そこにFAZOMが入りました。

導入前の課題

この会社には、通常の店舗誘致については、会社としてある程度体系立った進め方がありました。ただし、新規アイディアをベースにする店舗誘致には、手順書もマニュアルもありませんでした。

理由はシンプルで、これが「まだ誰も型を持っていない、つくりながら進める仕事」だったからです。進め方は、できる人それぞれの頭の中にしかない。だから、初めて来た人は、どこから何をしたらいいのかが分かりません。

新設の部署で、進め方が体系立っておらず、経験者それぞれの頭の中に閉じていた。初めて異動してきた人には、振り返る資料が何もなかった

新規アイディアをベースにする店舗誘致には、手順書もマニュアルも無かった

店舗誘致自体が初めてのメンバーが2名、一番手順のない仕事に入った。何から手をつければいいか、聞ける相手も開ける資料もなかった

メンバーは固定ではなく、途中で全く経験のない人が入る。そのたびに立ち上がりが一からになる

人員も途中で変わって、全く経験のない方が来られたりした。その人からすると、こういう流れでやるんだなと分かるものがあるのは、何もない時とは全然ちがう。全体像がつかめるのは、すごく助かった。

現場責任者

FAZOMがやったこと:頭の中の進め方を、1枚の地図にした

FAZOMがやったのは、1つです。この仕事の進め方を、業務の流れが一目で追えるスキルプロセスマップにしました。あわせて、マップを運用するための研修も実施しました。

スキルプロセスマップとは、次のものです。

できる人が当たり前にやっていて、誰も言葉にしてこなかった段取りを、業務の単位まで分けて並べたもの

どの業務を、どの順番で、何のためにやるのかが、1ファイルを開けば追える形になっているもの

初めての人が「まず、ここから、この順で」と自分でたどれる地図

この会社の業務は、幅が広く、量も多い。ベテランは頭の中でその全体を持っていますが、初めての人には、その地図がありません。どこから見て、どの順で進めればいいのか。そこが分からないまま、手探りで動くしかない状態でした。

たくさん業務があって、煩雑で複雑なので。どこがどれだけ、みたいになる。マップがあると、全体の流れが、パッと見れば分かる。

現場責任者

勝ち方が個人に閉じている限り、それは会社の資産になりません。その人が抜ければ終わり、次の人はまたゼロから。FAZOMがやっているのは、できる人の頭の中にだけあった勝ち方を、他の人にも渡せる形に変え、部署みんなの共有物にすることです。このマップは、その最初の1枚にあたります。

なぜ「声かけ(アタック)」の数を最初に見るのか

テナント誘致の売上は、いきなり生まれません。次のように分かれます。

売上 = 商談の数 × 受注率 × 単価

商談の数 = 声かけ(アタック)の数 × 接触率 × 商談化率

一番上流にあるのが、声かけ(アタック)の数です。ここが動かなければ、その先の商談も売上も動きません。逆に、進め方が分からず動けなかった人が動き出せば、まずこの一番上流の行動量に表れます。

FAZOMが最初に見るのは、いつもここです。型を渡して本当に人が動いたかどうかは、売上のような最後の数字より先に、一番上流の行動量にあらわれます。行動量が動けば、型が効いた最初のシグナルです。だからこの事例でも、最終の売上より先に、声かけの数の変化を見ています。

成果(確認できた範囲)

① 型の決まった業態で、経験の浅いメンバーの声かけが増え始めた

狙うテナントの形がある程度決まっている業態では、マップで流れがはっきりしたことで、店舗誘致未経験のメンバーでも自分で動けるようになり、テナントへの声かけ(アタック)の数が増えていっています。ご本人の言葉です。

形のあるものに関しては、声かけの数を増やしていけばいい。その部分は、(経験の浅い)2人はすごく今、増えていっている。

現場責任者

これまでは、進め方が分からない、動けない、数も増えない、という状態でした。マップで最初の一歩が見えたことで、動ける人が増え、行動の量そのものが増え始めた。属人的だった勝ち方を型にすると、人が動き、行動量に表れる。まさにFAZOMが狙っている変化の、その最初の一歩が、この現場ではっきり見えています。

声かけの数は、以前と比べて1.5倍から2倍ほどに増えています(本人談)。導入前と直近を正確な件数でそろえる集計はこれからで、固まりしだい精緻にしますが、現場の実感として、明らかに増えたという段階です。

② 「初めての人が、当たり前に分からない」が消えた

慣れた人には当たり前すぎて、これまで誰も書き出さなかった。でも、初めての人にはそこが一番の壁でした。慣れている人ほど、どこが分かりにくいのかが見えなくなります。頭の中では分かっていて、口では伝えられても、初めて来た人の頭には入っていかない。この「当たり前の壁」を外に出すことが、勝ち方を渡せる形にする最初の一歩です。

慣れた人間は、当たり前と思ってしまう内容も、初めて見る方だと分からない。パッと開けば、目的も作業手順も書いてある。全体の流れが理解できた。

現場責任者

③ 一人前まで「1年」の入口を、地図が短くする

この仕事は、未経験から一人で商談できるまで、早くて1年、というのが現場の感覚です。人によってはもっとかかります。その長い立ち上がりの入口で、マップは効いています。

何かないと、自分の経験だけでやらないといけない。(マップがあれば)「このことかな」と想定がつくので、理解が深まるのが早くできる。

現場責任者

④ つくってみたら、通常業務の土台にもなっていた

新規アイディア抽出のためにつくったマップですが、実際にできあがったものには、通常の誘致の基礎的な業務の流れも含まれていました。新規アイディアでも通常の誘致と重なる部分があり、たとえば設備の確認のような工程は共通しているからです。結果として、このマップは、初めてこの仕事に来た人が全体の流れをつかむための、通常業務の土台にもなりました。1枚の地図が、狙った範囲を超えて効いた形です。

現場で進んでいる、AIの使いこなし

この会社では、日々の仕事でAIの活用が広がっています。目立つのは、探すものの形が決まっている仕事です。たとえば、寄せられたクチコミをそのままAIに渡して、次の一手の下書きをつくる。

クチコミをそのままコピペしてAIに入れると、勝手にやってくれる。便利だなと思った。

現場責任者

資料づくりも変わってきました。以前は一から手を動かしていたものを、AIにかなりの部分を任せられるようになってきた。

自分でパワーポイントを作ることが、ほとんどなくなった。ざっくりした指示でも、ちゃんと形にしてくれる。

現場責任者

一方で、AIがまだ届いていない場所もはっきりしています。それが、新規アイディアの「アイデアそのものを生む」ところです。探すものの形が決まっていれば、AIは強い。ただ、何を探すか自体がまだ無いところは、人が当たりをつけるところから始める必要があります。

アイデア出しは、じっくり座って、AIとずっと対話しないといけない。当たりをつけてから質問しないと、得たい答えは返ってこない。そのまま上げる文章はもらえるけれど、当たりをつけたものを入れてあげないと、得たい答えにはならない。

現場責任者

ここは、今回のマップだけでは埋まりませんでした。狙う形が決まっている仕事は型にできる。まだ形のない仕事は、人が当たりをつけるところから。この線引きが、そのまま次にFAZOMが手を打つ場所になります。

まだこれからの範囲

うまくいった話だけを並べても、同じ課題を抱える人の役には立たないため、まだ実現まで届いていない範囲についてもお伝えします。新規アイディアから作る業態はまだこれからとなり、狙う相手の形が決まっていない仕事は、まず「何を探すか」のアイデアが要ります。ここはマップだけでは埋まらず、声かけの数もまだまだこれからです。

最終的な売上と目標の数字は、まだ出ていません。1年がかりの仕事で、導入から日が浅い。いまは「決まった仕事で行動量が増え始めた」段階です

研修も実施しましたが、アイデア出しそのものをAIに任せる部分には課題が残りました。

  • 一番上の結果は、まだ増えていないかもしれない。押しをして、この一番下のところは数が増えてくるけれど、その一番上はまだ増えない。結果として最後の数字はまだ出ていない。この業務は、1年ではちょっと、というところ。

現場との対話 ―― 「あの人の頭の中」を、初めての人へ渡す

ここからは、現場責任者の方とFAZOM谷本による、導入の背景から研修後の手応えまでのやりとりを、読みやすく整えたうえで記載します。まだ型のない仕事の進め方を、初めての人へ渡すという難題に、現場の責任者がどう向き合っていたかの参考になりましたら幸いです。

FAZOM谷本:この度は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。実施させていただいた内容について、インタビューをさせていただければと思います。まず、新規アイディアを構築した業態についての業務は、これまでどのような体制で進めてこられたのでしょうか。

現場責任者:部署業務内容に応じ誰か一人がというより、全体で進めてきたという形です。

FAZOM谷本:ありがとうございます。その中で振り返って、一番大変だと思われたのはどのあたりでしたか。新規アイディアにより少し違うかもしれませんが。

現場責任者:やはり、体系化したものがなかったところです。それぞれの、しかも経験のある人たちだけの、個人に内包されたもので。初めて異動してくると、何も振り返るものがない。だから、当初から整理したいと思っていました。

FAZOM谷本:それは、業務の進め方が体系化されていない、という理解でよろしいでしょうか。

現場責任者:通常の誘致は、個人の特性もありますが、比較的体系化された内容があります。新規アイディアについては構築が必要なのでまず、初めて来た人はどこから何をしたらいいのかが分からない、というところがありました。

FAZOM谷本:ありがとうございます。今回、進め方をマップという形にしてみて、いかがでしたか。

現場責任者:まず出た意見として、人員が途中で変わって、全く経験のない方が来られたりしたのですが、その方からすると、こういう流れでやるんだな、と分かるものがあるのは、何もない時とは全然ちがう。どういう業務フローなのか、全体像がつかめるのは、すごく助かった、と。

FAZOM谷本:店舗誘致業務自体をやったことがない方は、合計で何名いらっしゃいますか。

現場責任者:リーシング自体をやったことがないメンバーが2人。庶務担当1名の合計3名です。他は、店舗誘致ならある程度理解できています、という感じです。

FAZOM谷本:マップにしてみて助かった、という中で、具体的に覚えていらっしゃる項目はありますか。

現場責任者:業務の内容が幅広いので細かいところというより、一覧表で、どういう順番でやるか、というのがありました。そこを確認すれば全体の流れが分かる、というページです。正直、思いもしていませんでした。私たち慣れた人間は、当たり前と思ってしまう内容も、初めて見る方だと分からない。パッと開けば、目的も作業手順も書いてある。こういう流れでやればいいんだな、と理解ができた、と。

FAZOM谷本:逆に、マップにする中で、ここはうまく落とせなかった、もっとできたのでは、という領域はありましたか。

現場責任者:アイデアの部分です。たとえばパン屋を探しています、とはっきり決まっていれば、AIでも探せる。ただ、そもそも何を探すか自体が決まっていない場合もあるので、そこはもう少しできたらな、と。ただ、そこを機械的にやるのは、正直かなり難しいのではないか、とも思っています。

FAZOM谷本:通常の店舗誘致では、声を掛ける回数など、事前と事後で変化はいかがでしたか。

現場責任者:形のあるものに関しては、声かけの数を増やしていけばいい。その部分は、経験の浅い2人が、すごく今、増えていっています。

FAZOM谷本:店舗誘致をやったことがない方が、一人で商談できるまで戦力化するのに、だいたいどれくらいの期間がかかりそうな印象ですか。

現場責任者:人にもよりますが、早くて1年くらい。遅い人はもっとかかります。1年で、大体ある程度はみんなできるようになる、という感じです。

FAZOM谷本:そこに、こういったマップがあると、少し加速する。どういう業務の流れなのかが分かりやすくなる、というところはありそうですか。

現場責任者:何かないと、自分の経験だけでやらないといけない。マップがあれば、このことかな、と想定がつくので、理解が深まるのが早くできるのではないか、と思いました。たくさん業務があって、煩雑で複雑なので。いただいたものを、どこがどれだけ、みたいになる。そこがパッと見て分かるのは、すごく言っています。

FAZOM谷本:AIの活用についても伺わせてください。研修期間中、ある案件でAIを活用されていた、というお話がありましたね。

現場責任者:すごいなと思ったのは、Googleマップのクチコミをコピペして、そのままAIに入れると、勝手にやってくれる。便利だなと思いました。

FAZOM谷本:文章やパワーポイントを作るAIはいかがですか。

現場責任者:有料版が使えるメンバーは、ちゃんとやってくれます。私も含めて、ほとんどコパイロットにやらせています。自分でパワーポイントを作ることが、ほとんどなくなりました。きちんとした指示でなくても、割ときちんと形にしてくれる。AIのスピードの速さには驚きます。1年前に話した時よりも、AI自体も進化しているのかな、と。

FAZOM谷本:アイデア出しの部分は、AIで考えやすくなりましたか。それとも、まだ難しいですか。

現場責任者:アイデア出しの部分は、もうじっくり座って、ずっとAIと対話しないといけない、という感じです。あと、当たりをつけてから質問しないと、得たい答えは返ってこない。そのまま上げる文章はもらえますが、当たりをつけたものをある程度入れてあげないと、得たい答えにはならない、というところです。

FAZOM谷本:一応、KPIについても伺っていましたが、そのあたりの数字の増減はいかがですか。

現場責任者:一番上の結果は、まだ増えていないかもしれません。押しをして、この一番下のところは数が増えてくるのですが、その一番上はまだ増えない。結果として、最後の数字はまだ出ていない。この業務は、1年ではちょっと、というところです。

FAZOM谷本:まず一番上流の、声かけの数を増やしていく。そこは動き始めている、ということですね。ありがとうございます。今日伺ったお話を、私のほうで原稿にまとめて、お送りします。お名前やお話しされた言葉は出ない形で、一度ご確認いただく形で大丈夫でしょうか。

現場責任者:分かりました。社名も出ない形ですね。ありがとうございます。

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難しい仕事ほど、進め方が「できる人の頭の中」にしかなく、その人が抜けたら止まります。人が入れ替わり、増えるたびに、初めての人が何から始めればいいか分からない。勝ち方が個人に閉じている限り、それは会社の資産にならず、毎回ゼロからのやり直しになります。

心当たりがあれば、まずは進め方を、初めての人が一目で追える形に残すところから始められます。動ける人が増えれば、行動量が増える。行動量が増えれば、数字は後からついてきます。FAZOMがやるのは、できる人の頭の中にある勝ち方を型にして、次に入る人へ渡せる形に変えることです。

同じ構造の業務は、たとえば次のようなものです。

進め方がベテラン個人の経験に頼っていて、手順書が無い仕事

人の入れ替わりや増員が続き、そのたびに立ち上がりに時間がかかる仕事

難しい対応が大量に起きて、人の質の差が売上や解約に直結する仕事

もしご関心をお持ちいただけた方は、以下のサービス資料をご参照ください。


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