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メトリクスマネジメント

メトリクスマネジメントが必要な理由|指標を判断と次の行動につなげる方法

メトリクスマネジメントが必要な理由|指標を判断と次の行動につなげる方法

▼ この記事の内容

メトリクスマネジメントは、数字を増やすことではなく、会議で決めることと、その判断に必要な指標、次に確かめる行動を結ぶ管理の設計です。まずは指標の定義、担当、確認日を一枚にそろえ、数字を見た後に何を変えるかを明確にします。

営業の数字を確認していても、会議で次の行動が決まらないことがあります。その場合は、新しい管理手法を足す前に、どの判断のために数字を見るのかを整理する必要があります。

ここで示す表と記入例は、営業責任者が自社の会議で、判断に必要な指標と次の行動を整理するために使います。組織の目的、営業プロセス、取得できる記録に合わせて確認項目を調整してください。

メトリクスマネジメントが必要になる場面

メトリクスマネジメントが必要になるのは、数字を確認しているのに、誰が何を確かめ、何を変えるかが会議で決まらないときです。数字そのものではなく、判断と行動の間が途切れている場所を見つけます。

数字を見ても次の行動が決まらないとき

会議で売上や案件数を確認しても次の行動が決まらない場合、数字と意思決定が結び付いていない可能性があります。まず、今回の会議で決めることを一つに絞り、その答えに必要な記録を選びます。

たとえば見込み案件の優先順位を決められないなら、件数だけで結論を出しません。次に確認する事項、顧客側の予定、担当が動かせる作業を見て、追加確認の担当と期限を決めます。

同じ数字でも管理者の判断が分かれるとき

同じ数字を見ても管理者の判断が分かれるなら、集計期間、対象案件、完了条件の定義を照合します。定義が異なるまま活動量だけを増やしても、判断の違いは解消しません。

数字の読み方をそろえる対象は、担当者の考え方ではなく、確認する範囲と記録の意味です。誰が定義を確認し、必要ならどの記録を直すかまで決めると、会議での論点を戻しやすくなります。

結果指標だけでは次の行動を決めにくい理由

売上のような結果指標は到達状況を確認するために必要ですが、それだけでは次に何を変えるかを決めにくいことがあります。結果、活動、案件の記録を、会議で答えたい問いに応じて分けて扱います。

結果と活動を分けても判断の問いがなければ動けない

活動の指標と結果の指標は、同じ役割ではありません。Salesforce Trailheadの学習教材も、営業目標の進捗を見る際に活動と結果を区別する枠組みを説明しています。

ただし、区別するだけでは次の行動は決まりません。結果が想定と違うときに、どの活動や案件の記録を確認するかを先に決めます。先行指標と遅行指標の分け方も、会議で使う指標を分ける際の補助になります。

営業AI・営業DX 先行指標と遅行指標の違いとは?経営で使う設計と運用手順

参考:営業目標に関する学習教材|Salesforce Trailhead

原因の仮説と確認済みの事実を分けて扱う

数字が変わった理由を、その場で個人の能力や意欲に結び付けないことが重要です。対象期間、案件の数え方、担当変更など、確認できた事実と、まだ確かめていない仮説を分けます。

仮説が残る場合は、結論を急がず、次に見る記録と確認する担当を決めます。こうすると、会議は数字への評価ではなく、次の判断に必要な情報を集める場になります。

意思決定から指標を選ぶ手順

指標は、先に選んだ数字を正当化するためではなく、会議で決めることに必要な情報として選びます。目的、対象、定義、確認先が分からない指標は、追加前に役割を見直します。

先に決めるべき問いを一つ選ぶ

最初に「どの案件を優先するか」や「どこで商談が止まるか」のように、会議で決める問いを一つ選びます。その問いが定まると、見るべき指標と、見なくてよい数字を分けやすくなります。

問いごとに、判断に必要な記録、数字が想定と違うときに確かめる条件、決定できる責任者を書き出します。複数の問いを一枚に詰め込まず、必要なら会議の目的ごとに表を分けます。

指標の定義と確認先をそろえる

指標名の横には、対象範囲、集計時点、記録場所、確認する担当を残します。同じ案件数でも、どの段階を含めるかが違えば、比較や判断の意味は変わります。

最終的な到達点と途中で確認する指標をつなぐ必要がある場合は、営業KPIツリーの作り方を参照しながら、指標の関係を整理できます。固定の指標数を正解にせず、会議の問いに必要な範囲へ絞ります。

営業戦略・KPI設計 営業KPIツリーの作り方|売上を因数分解する5ステップと実践例

指標・判断・行動・担当・確認日を結ぶ実務ひな型

以下のひな型では、指標を追加する前に、既存の記録だけで会議の判断に必要な情報がそろうかを確認します。自社で決める事項、利用できる記録、担当者、確認日に合わせて記入してください。後に示す記入例は架空の状況であり、実在企業の実績ではありません。

そのまま記入できる判断表を作る

判断表には、数字だけでなく「何を決めるか」「誰が変えられるか」「次に何を確認するか」を同じ行に記載します。これにより、数字が報告だけで終わっていないかを会議の前に確認できます。

表を埋めた後は、各行で担当と確認日が空欄になっていないかを見ます。空欄なら、その数字を会議で見る目的か、判断できる人の参加を見直します。

記入欄確認する内容
困っている判断今回の会議で何を決めるか
今ある記録判断に使える記録とその定義
追加で確かめる条件数字が想定と違うときの確認先
変更できる担当作業を変えられる人と承認が必要な人
確認日次回に同じ記録を見直す日

架空の記入例で使い方を確認する

これは架空の状況です。見込み案件の優先順位を決められない場合、案件数だけでなく、次の確認事項と顧客側の予定を今ある記録から確かめる、と表に書きます。

記録がすでにあるなら、項目を追加する前に会議で読む場所を決めます。担当者が変えられない承認手順が原因なら、行動量を増やすのではなく、判断できる責任者を次の確認に加えます。

指標を増やす前に既存の記録と判断権限を確認する

新しい指標や管理画面が必要かは、既存の記録がないことと、記録を会議で使えていないことを分けて判断します。入力の追加は、判断に必要な情報が本当に不足している場合に限ります。

記録があるなら会議で確認する場所を決める

顧客管理や営業日報に必要な記録があるなら、最初に会議で誰がどの項目を読むかを決めます。記録場所、定義、閲覧者が定まらないまま項目を増やすと、入力負担だけが増えるおそれがあります。

既存の記録で答えられない問いだけを特定し、その不足が定義、閲覧、更新、項目のどこにあるかを分けます。この順番なら、ツールや項目の追加を目的にせずに済みます。

承認が必要な作業は担当者の行動量と分ける

数字を見て対応が必要でも、担当者が変更できる作業と、責任者の承認が必要な作業は同じではありません。改善案には、実行担当だけでなく、判断を引き受ける人を明記します。

営業会議の進め方まで見直す必要がある場合は、営業会議でKPIを改善行動へ変える方法を参照し、会議で確認する順番と次回への残し方を整理できます。

営業AI・営業DX 報告会で終わらせない営業会議のKPIレビュー|見る指標と改善につなぐ手順

指標管理が形骸化する原因と見直し方

指標管理が形骸化する主な理由は、数字が何を表すか、誰が更新するか、見た後に何を決めるかが途中で曖昧になることです。定期的に数字の増減ではなく、管理のつながりを見直します。

数字の定義が変わったまま比較する

対象範囲や集計時点が変わった数字を、以前と同じ意味で比較すると判断を誤る可能性があります。定義を更新したときは、いつから何が変わったかを記録し、必要なら過去との比較を分けます。

Tableau Blueprintは、組織に適した指標は異なり、分析の実践に合わせて定期的に評価することを同社のフレームワークとして説明しています。これは営業成果を保証する説明ではなく、指標を固定せず見直す視点として限定して参照します。

参考:データドリブン組織の中核能力|Tableau Blueprint

会議の決定が次回の確認に残らない

会議で決めたことが次回の確認項目に残らないと、同じ数字を見ても判断が積み上がりません。決定した作業、担当、確認する記録、確認日を会議の終わりに残します。

見直しでは、数字が改善したかだけでなく、仮説を確かめる記録が集まったかを確認します。未確認のままなら、結果の理由を断定せず、次に確認する条件を更新します。

まとめ

メトリクスマネジメントは、数字を増やすための方法ではありません。会議で決めることから逆算して、指標の定義、確認する行動、担当、確認日を結ぶと、数字を見た後の判断を整理しやすくなります。

この記事を書いた人
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谷本潤哉
元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。