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営業戦略・KPI設計

営業代行で失敗する10原因と防ぐ判断軸|導入前に潰す発注側チェック

営業代行で失敗する10原因と防ぐ判断軸|導入前に潰す発注側チェック

▼ この記事の内容

営業代行の失敗原因は10個あり、発注側起因7つとベンダー起因3つに分かれます。失敗回避には、KPI定義・業務分解・活動報告・専任窓口の4判断軸と、月次レポートから予兆を読む14シグナル表、丸投げ可否を線引きする営業7工程マトリクスの併用が有効です。

営業代行を入れたのに成果が出ない、契約終了後に社内の営業力が弱まる、という声は珍しくありません。10原因のうち7つは発注側で先に起き、残り3つのベンダー側原因を誘発する構造が見られます。

原因を漠然とベンダーの質のせいにする議論を続けていても、次に選ぶ代行先でも同じ失敗が再発します。営業ノウハウが社内に残らないまま費用だけが積み上がり、契約終了後には営業体制が一からやり直しになるリスクが残ります。

この記事では、営業代行で失敗する10原因を発注側7つとベンダー3つに分けて解説し、失敗を防ぐ4判断軸と契約中に使える14シグナル表までを整理します。導入前の判断だけでなく、すでに契約中の方が月次レポートから予兆を検知する運用チェックにも活用できる構成です。

読み終える頃には、自社が代行に向いているか、どこまで任せるべきかが明確になります。契約後にどの数字を見れば予兆を掴めるかまで、上層部に説明できる粒度で整理できているはずです。

営業代行で失敗する10原因|発注側7つとベンダー3つで分解

営業代行で失敗する原因は10個あり、発注側に起因する7原因とベンダーに起因する3原因で構成されます。発注側の割合が大きく、自社の営業プロセスが定義できていないまま契約するほど、どの代行会社を選んでも同じ失敗が再発しやすくなります。

営業代行の失敗は発注側とベンダー双方で起きる

営業代行の失敗は、ベンダー選定の巧拙ではなく、発注側とベンダー双方の条件が揃って初めて起きます。発注側が営業プロセスを定義できていないまま契約すると、どの代行会社を選んでも同じ失敗が再発しやすくなります。

失敗を一方の責任に帰す議論は、実務では再発防止につながりません。発注側で整えるべき条件と、ベンダーに求める品質条件は別レイヤーで検証していく必要があります。

仮に従業員150名規模のBtoB製造業を想定すると、月次で約束したアポ数にベンダーが届かなかった場合でも、架電量の不足に見える裏で、発注側の商材理解支援が抜けていたケースが考えられます。営業マネージャーにとっては、月4時間の商材レクチャーを契約前に設計するだけで、解約検討のリードタイムを2〜3ヶ月短縮できる余地が残ります。

本記事では、原因を発注側7つとベンダー3つに分けて解像度を上げていきます。まず発注側の7原因から順に見ていきましょう。

発注側起因の失敗原因7つ|KPI・丸投げ・業務範囲ほか

発注側起因の失敗原因は、代行目的の曖昧さ・業務分解の不足・活動報告の運用設計不在・専任窓口不在・丸投げ・業界知識の共有不足・コミュニケーション設計不足の7つに整理できます。いずれも契約前に潰しておかないと、稼働後の修正コストが跳ね上がります。

1つ目の「代行目的の曖昧さ」はKPIをアポ数だけで定義することで表面化しやすく、商談化率や受注率まで追わないと成果の実像が掴めません。2つ目の「業務分解の不足」は、営業7工程のうちどこを任せるかを線引きしないまま発注するため、認識齟齬が後工程で噴出します。

3つ目から5つ目は運用レイヤーの原因で、月次の活動報告テンプレ未整備・部署横断の問い合わせ窓口散在・顧客理解やクロージングまで外に出す丸投げが典型です。6つ目と7つ目は情報レイヤーで、自社の業界知識を事前共有する仕組みがなく、定例MTGや議事録運用が曖昧なまま進行します。

仮に従業員200名規模のBtoBメーカーを想定し、KPIを月次アポ50件のみに置いた場合、アポ数は達成する一方で商談化率が半減し、3ヶ月後に契約見直しへ進むケースが典型的に考えられます。7原因は単独で発生するより、2〜3原因が連鎖するほうが多いのが実情と言えます。

次に、残り3原因であるベンダー起因の失敗を確認していきます。発注側の課題と対を成す視点として読むと、責任分担の線引きが鮮明になります。

ベンダー起因の失敗原因3つ|品質・知識・体制

ベンダー起因の失敗原因は、架電品質やトーク品質のバラつき・業界知識の不足・体制変更や人員離脱の通知遅延の3つにほぼ収束します。いずれも契約時の条件交渉だけでは検知が難しく、稼働後に露呈しやすい特徴が見られます。

1つ目の品質バラつきは、架電する担当者のスキル差で商談化率が月次で上下する形で現れます。2つ目の業界知識不足は、顧客が専門用語で返したときの切り返しが弱く、提案に進まないケースが続く兆候として見えてきます。

3つ目の体制変更や離脱の通知遅延は、担当者交代の事前共有が1〜2週間ずれるだけで、引き継ぎが不十分なまま稼働が続きます。仮に従業員50名規模のSaaS企業を想定すると、主力担当の退職通知が稼働後の月次MTGまで共有されないケースでは、アポ品質が1ヶ月分劣化し、発注側の定例MTGチェック項目に担当者の稼働状況を加える再発防止が必要になるパターンが考えられます。

この3原因は発注側で完全に制御はできないものの、契約書への品質SLA明記と定例MTGでの稼働状況チェックを仕込むことで、発生時の検知速度と切り返しの余地が残せます。次のH3では、原因10個のうちなぜ発注側起因が7割を占めるのか、構造的な理由を整理していきます。

発注側起因が7割を占める構造的理由

ベンダー選定の巧拙で失敗が決まるという通説に反して、実務では発注側起因の7原因が先に発生し、残り3原因を誘発する構造が見られます。ベンダーの品質問題に見える事象の多くは、発注側の設計不足が上流で起きた結果として現れるケースが少なくありません。

理由は3つあります。第一に、営業プロセスの定義はベンダーが代行できず、発注側でしか設計できません。第二に、業界知識や顧客理解は発注側の資産で、共有の仕組みを作らないと品質が安定しないためです。

第三に、活動報告と定例MTGの運用設計は発注側が主導しないと、ベンダーは標準テンプレで納品するため、自社の意思決定に必要な情報粒度に届きません。この3点は、どれほど優秀なベンダーでも代替できない発注側の責務と言えます。

したがって失敗回避の軸は、ベンダー探しよりも発注側の設計・共有・運用の3領域を先に固める方向に置くのが合理的です。仮に従業員100名規模のIT商社を想定すると、設計・共有・運用の3領域を契約前の1〜2ヶ月で整えることで、稼働後の手戻り工数を月20時間程度削減できる余地が残ります。

中小企業庁の白書でも、中小企業の外部リソース活用は自社のマネジメント設計と連動して初めて成果につながると整理されています。次のH2では、この設計論を実務で使える4判断軸に落とし込んで解説していきます。

参考:中小企業白書・小規模企業白書|中小企業庁

失敗を防ぐ4判断軸|KPI・業務分解・活動報告・専任窓口

営業代行の失敗を防ぐ判断軸は、KPI定義・業務分解・活動報告・専任窓口の4つに集約できます。いずれも発注側で先に設計し、ベンダー選定と契約交渉の議題に組み込むことで、稼働後の手戻りを大きく減らせます。

  1. KPI定義:アポ数ではなく商談化率・受注率で測る
  2. 業務分解:営業7工程のうち任せる範囲を線引きする
  3. 活動報告:月次で数字の裏の商談品質まで確認する
  4. 専任窓口:発注側に1名の窓口を置き定例MTGで認識合わせする

このリストは、契約前チェックと契約中の運用レビューの両方に使えます。4軸のどれか1つでも曖昧なまま進むと、前章で整理した10原因が連鎖する確度が上がっていきます。

KPIはアポ数でなく商談化率で定義する

KPI設計は商談化率と受注率を主軸に置き、アポ数は補助指標として扱うのが有効です。アポ数だけを追うと、量は達成するのに商談に進まないという典型的な失敗パターンに陥りやすくなります。

商談化率は「アポから商談へ進む割合」、受注率は「商談から受注へ進む割合」で定義します。たとえば月次アポ50件のKPIに対して、商談化率20%以上・受注率10%以上という副条件を明記すると、ベンダー側の架電スクリプトの質まで評価対象に入ります。

ただし新規リード発掘フェーズに限り、アポ数を先行指標として併用するケースも合理的です。自社が立ち上げ段階かスケール段階かで、どの指標を主に置くかを契約前に言語化しておくと、稼働後のKPI議論で揉める余地が残りません。

KPIを4階層で設計し直す具体的な手順は、商談化率・受注率のKPI設計ガイドにまとめています。

営業戦略・KPI設計 営業マネジメントと売上の連動設計|KPI 4階層と日次運用の実務論

業務を7工程に分解し任せる範囲を線引きする

営業プロセスをリード発掘・アポ取得・初回商談・ヒアリング・提案・クロージング・契約後フォローの7工程に分解してから、どこを代行に任せるかを契約前に決めます。工程を曖昧にしたまま発注すると、顧客理解やクロージングまで丸投げになり、社内にノウハウが残りません。

実務では、リード発掘とアポ取得の前半2工程を代行に任せ、ヒアリング以降は社内に戻すケースが多く見られます。仮に従業員100名規模のITサービス企業を想定すると、前半2工程のみを代行に任せ、後半5工程は社内で巻き取る方式で、解約時の引き継ぎコストを最小化できるパターンが考えられます。

線引きの基準は、「契約終了後に社内で回せるか」の一点です。任せた工程はノウハウが蓄積しないため、戻す前提の範囲なのかを契約前に整理しておくと、自分が異動した後の営業体制も守れます。

活動報告で数字の裏の質を月次確認する

活動報告はアポ数の裏にある商談品質まで確認する設計にします。数字だけの報告では、アポ数を達成していても商談化率が崩れている兆候を見落としやすく、契約終了間際まで気づけない場合もあります。

月次レポートには、商談ログ・議事録・録音サンプル・離脱理由の4要素を含めます。たとえば商談化率が20%を下回った月には、録音サンプルから切り返しトークの弱点を特定し、翌月のスクリプト改修へつなげる運用が現実的です。

こうした質のチェックは、ベンダーに自主提出を求めても出てこないことが多いのが実情です。発注側で月次レポートのテンプレを先に作成し、契約書の納品仕様に組み込んでおくと、運用初月から質の確認が回り始めます。

専任窓口を置き定例MTGで認識合わせする

発注側に専任窓口を1名置き、月次定例MTGで認識合わせする体制が有効です。窓口を複数部署に分散させると、ベンダーへの指示が食い違い、スクリプト修正や方針変更の反映が1〜2週間遅れるケースも出てきます。

専任窓口の役割は、社内意見の一元化・ベンダーへの指示集約・月次レポートのレビュー・エスカレ判断の4つです。仮に従業員300名規模のBtoBサービス企業を想定すると、営業企画の主任を専任窓口に任命し、定例MTGで翌月の方針を30分で確定する運用に切り替えることで、スクリプト修正のリードタイムを従来の半分以下に短縮できるパターンが考えられます。

専任窓口は兼務でも構いませんが、週2時間程度の工数を公式に確保しておくのが現実的です。窓口の稼働を曖昧にしておくと、ベンダー側の品質管理も連動して崩れます。

4判断軸を実務で運用するには、商談化率や受注率を基軸にしたKPI設計を先に固めるのが近道になります。以下のガイドで、判断軸の運用手順を確認できます。


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丸投げ度ゲージ|代行範囲と社内保持範囲のマトリクス

丸投げ度ゲージは、営業7工程のそれぞれについて「代行可・条件付き・社内保持」を判定する独自フレームワークです。工程ごとに丸投げ可否を可視化することで、契約終了後に社内へ戻せる範囲と、最初から社内に残すべき範囲を明確に線引きできます。

営業7工程別の丸投げ可否マトリクス

7工程の丸投げ可否は、作業の標準化しやすさ・顧客理解の深さ・判断の社内資産化の3条件で決まります。下表は発注側が契約前に線引きの議論をする際の叩き台として使えます。

工程丸投げ可否判断理由
リード発掘◎ 代行可リスト作成と架電はスクリプト化で品質安定
アポ取得◎ 代行可一次架電はトークスクリプトで標準化可能
初回商談△ 条件付き商材理解の浅いベンダーだと取りこぼしが出る
ヒアリング× 社内保持顧客課題の解像度が自社の提案資産になる
提案× 社内保持商材知識と条件調整は代行できない
クロージング× 社内保持条件交渉と決裁折衝は社内責任で判断
契約後フォロー△ 部分可定型連絡は代行可、関係構築は社内主体

表を実務で使うときは、自社の商材特性によって△の工程を◎か×に振り直します。仮に従業員80名規模のBtoB SaaS企業を想定すると、初回商談も社内に戻す判断に切り替え、代行はリード発掘とアポ取得の前半2工程のみに限定するパターンが考えられます。

社内に必ず残すべき3工程|顧客理解・スクリプト・クロージング

社内に必ず残すべき工程は、顧客理解のヒアリング・トークスクリプトの設計・クロージング判断の3つです。この3工程を外出しすると、契約終了後に営業ノウハウが社内に何も残らない状況が生まれやすくなります。

顧客理解は商材の競争優位の源泉で、自社でヒアリングを積むことで提案資料や導入事例が厚くなります。トークスクリプトは代行会社が案を出すこともありますが、最終版は自社で承認し、定例MTGで月次更新する運用に切り替えるのが現実的です。

クロージングは値引き判断・納期調整・契約条件の確定を含むため、社外では判断できません。仮に従業員150名規模の製造業を想定すると、クロージング時の値引き幅を営業部長判断に戻すことで、受注率が前四半期比で約15%改善する展開が考えられます。

丸投げ度が高い企業に共通する3兆候

丸投げ度が高い企業には、KPIがアポ数のみ・社内の商談ログ未運用・ベンダー定例MTG不在の3兆候が共通して現れます。この3つが揃うと、契約終了時に社内へノウハウが引き継がれず、次の代行先探しに時間を奪われるループに入りやすくなります。

1つ目の兆候は、アポ数以外のKPIを追っていないことで、商談化率や受注率の劣化に気づけません。2つ目の商談ログ未運用は、代行会社の報告だけに頼る状態で、社内の営業会議で議論する素材が積み上がっていかない状況を指します。

3つ目の定例MTG不在は、月次で認識合わせをしないまま数ヶ月が流れ、契約更新時に初めて成果ギャップが顕在化しやすくなります。仮に従業員120名規模のBtoB商社を想定すると、3兆候が揃った段階で契約を継続した場合、ノウハウの再構築に半年から1年の追加期間と、次の代行選定で月50時間程度の選定工数が発生しやすくなります。

代行の前に、自社の営業属人化の解消アプローチをどこまで進められているかを点検するのが先決です。以下のガイドで、属人化解消の実務手順を確認できます。

営業戦略・KPI設計 売上の属人化を脱却する方法|段階的に進めて成果を落とさない順序

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失敗予兆チェック表|月次レポートから読む14シグナル

失敗予兆チェック表は、月次レポートから失敗のサインを先回りで検知する14シグナルの独自フレームワークです。活動量5・品質5・体制4の3カテゴリで、契約中でも使える運用ツールとして整理しています。

活動量シグナル5つ|架電・接続・アポ・商談化・受注

活動量シグナルは、架電数・接続率・アポ率・商談化率・受注率の5つで構成されます。上流から下流まで順に並べることで、どのファネル段階で失速しているかを月次で特定できます。

シグナル検知基準の例初動
架電数計画比85%未満が2ヶ月連続稼働時間とリスト配布状況を確認
接続率前月比10ポイント以上の低下架電時間帯とリスト鮮度を点検
アポ率前月比5ポイント以上の低下トークスクリプトの刷新を検討
商談化率20%を下回る月が2ヶ月続くアポ質の録音サンプル確認
受注率前四半期比で大幅劣化ヒアリング精度と提案内容の見直し

仮に従業員200名規模のBtoB商社を想定すると、アポ率が計画比60%まで落ちた月に初動として録音サンプルを確認することで、新人担当者のトーク品質が原因と判明し、翌月からベテラン担当への切り替えで回復するパターンが考えられます。5シグナルは上流が崩れると下流にも波及するため、月次で並べて確認するのが実務的です。

品質シグナル5つ|商談ログ・議事録・録音・反応・離脱

品質シグナルは、商談ログ・議事録・録音サンプル・顧客反応・離脱理由の5つで把握します。活動量の数字が順調に見えても、品質シグナルが崩れていると受注率の劣化が2〜3ヶ月後に現れる場合もあります。

商談ログは顧客別の商談履歴で、項目の欠落が続くと次の打ち手が決められません。議事録は要点抜粋で、箇条書きが3行以下に減った月には、商談の密度が下がっている可能性があります。

録音サンプルは月3本程度を発注側でレビューし、切り返しトークの再現性を確認します。仮に従業員180名規模のIT商社を想定すると、離脱理由に「商材理解不足」や「提案ズレ」が2ヶ月続いた段階でスクリプトを刷新することで、商談化率を翌四半期に5〜8ポイント回復できる余地が残ります。

体制シグナル4つ|担当変更・定例・期限遅延・エスカレ

体制シグナルは、担当変更頻度・定例MTG出席率・納品期限遅延・エスカレ件数の4つで判断します。数字の変化よりもベンダー側の運用姿勢に現れる兆候で、検知が遅れると契約更新時に問題が噴出しやすくなります。

担当変更が3ヶ月以内に2回発生したベンダーは、内部の人員体制にリスクを抱えている可能性があります。定例MTGの出席率が下がってきた場合や、月次レポートの納品期限が1週間以上ずれ込む月が続く場合も、稼働品質低下の先行指標として扱います。

エスカレ件数は、発注側から指摘や是正要求を出した回数を指します。仮に従業員150名規模のIT企業を想定すると、エスカレ件数が月4件を超えた時点で契約更新見送りを検討し、次のベンダー選定に3ヶ月前倒しで着手する判断に切り替えるパターンが考えられます。14シグナルは月次の定例MTG資料にテンプレ化しておくと、検知漏れが防げます。

代行導入前のセルフ診断|発注側の仕組み化成熟度5項目

代行導入前のセルフ診断は、発注側の仕組み化成熟度を5項目で評価する独自フレームワークです。成熟度が低い段階で代行を入れると失敗確度が跳ね上がるため、自社で固めてから契約に進むのが費用対効果を守るうえで現実的です。

診断項目5つ|KPI設計・プロセス分解・録画・議事録・週次レビュー

成熟度診断の5項目は、KPI設計・プロセス分解・商談録画、議事録運用・週次レビューで構成されます。各項目を「できている・一部できている・できていない」の3段階で自己評価し、できていない項目が2つ以上あるかで代行導入の可否を判断します。

KPI設計はアポ数だけでなく商談化率と受注率まで追えているか、プロセス分解は営業7工程が定義されているかで判定します。商談録画は月3本以上が週次で確認される仕組みか、議事録運用は顧客会議の記録が社内で共有されているかを見ます。

週次レビューは営業会議で数字と質が並列で議論されているかが判断基準です。仮に従業員100名規模のBtoBコンサル企業を想定すると、5項目のうち3項目が未整備の段階で代行を入れた場合、稼働3ヶ月で契約解除に進み、初期費用と月額費用を合わせて数百万円規模の投資が成果につながらない展開も考えられます。

成熟度が低い企業が代行を入れた時の典型失敗パターン

成熟度が低い企業が代行を入れると、KPIブレ・丸投げ・ノウハウ流出の3パターンで失敗します。発注側に仕組みがないため、ベンダーからの報告を評価する基準すら社内に存在せず、契約終了時に何も残らない状況に陥りがちです。

KPIブレのパターンでは、契約当初はアポ数で合意したものの、3ヶ月後に「商談に進まない」という不満が社内から上がり、KPIの後出し変更で揉めるケースが多くあります。丸投げのパターンは、顧客理解やクロージングまで外出しするため、契約終了後に営業体制がゼロから組み直しになる展開です。

ノウハウ流出のパターンは、ベンダー側に顧客理解と商談スキルが蓄積され、自社は契約費用を払い続けないと営業が回らない構造に固定化される問題を指します。仮に従業員120名規模のSaaS企業を想定すると、KPIブレで稼働3ヶ月の契約見直し、切替先選定に追加2ヶ月を要した場合、年間で約6ヶ月相当の施策空白が発生するケースも考えられます。

成熟度が低い場合は、代行を「仕組み化の伴走者」として使うのが唯一の例外で、ノウハウ移管を契約条件に盛り込んでおく必要があります。

代行を入れる前に自社で固めるべき最小セット

代行導入前に自社で固める最小セットは、KPI定義・営業7工程の文書化・月次レビューの運用開始の3つです。この3つが回り始めてからベンダー選定に進むと、契約前の議題が整理され、稼働後の手戻りを大幅に減らせます。

KPI定義はA4一枚で「主KPIと副KPI・目標値・測定方法」を記述します。営業7工程の文書化は各工程で「誰が何をする」を箇条書きで整理し、代行に任せる範囲と社内保持範囲を色分けで示すのが実務的です。

月次レビューは、初回は社内メンバー5名以下のコンパクトな会議で始め、数字と質の2軸で議論する型を作ります。最小セットの準備期間は1〜2ヶ月が目安で、この段階を飛ばして代行に急ぐと、10原因のうち複数が連鎖する確度が上がってしまいます。

5項目セルフ診断と最小セットの重心は、役職によって変わります。現場担当者には商談録画と議事録運用の日常負担、管理職にはKPI再設計と週次レビューのリードタイム、経営層には代行投資の回収期間とノウハウ残留が主要論点になります。3視点それぞれに対応する論点を定例MTGに1つずつ乗せておくと、意思決定が上層部まで通りやすくなります。

自社の仕組み化成熟度を一度棚卸ししておくと、代行導入の可否判断が短時間でできるようになります。以下のチェックリストで、5項目の現状を自己診断できます。


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よくある質問

Q1. 営業代行はなぜ「やめとけ」と言われるのか

営業代行が「やめとけ」と言われる背景には、発注側の設計不足で失敗するケースが多くを占める構造があります。KPIを商談化率で定義し、業務分解と活動報告の運用設計を固めてから契約すれば、失敗確度は大きく下げられます。

Q2. 丸投げは本当にダメなのか、社内にノウハウを残す方法は

丸投げ自体が悪いのではなく、顧客理解とクロージングまで外出しする状態に問題があります。社内にノウハウを残すには、営業7工程のうち前半2工程のみを代行に任せ、商談ログ・議事録・録音サンプルを自社で月次レビューする運用が有効です。

Q3. 契約前に代行会社とすり合わせるべきKPIは何か

契約前にすり合わせるべきKPIは、アポ数に加えて商談化率と受注率です。月次アポ件数だけでなく、アポから商談への移行率と商談から受注への転換率を副条件として明記し、副条件未達時の見直し基準まで契約書に盛り込みます。

まとめ|失敗を防ぐために今日できる3ステップ

営業代行で失敗する原因は10個あり、発注側起因の7原因とベンダー起因の3原因に分かれます。発注側起因が多くを占める構造が背景にあり、ベンダー選定の前に自社の設計を固めることが失敗回避の起点になります。営業代行は売上向上施策の全体像のなかで外部リソース活用として位置づける施策のひとつです。

営業戦略・KPI設計 BtoB売上向上の施策と順序|200社超の逆転事例から学ぶ進め方

失敗を防ぐ判断軸は、KPI定義・業務分解・活動報告・専任窓口の4つです。さらに丸投げ度ゲージで営業7工程のどこを任せるかを線引きし、14シグナル表で契約中の予兆検知を回すことで、運用の手戻りを大きく減らせます。

今日から着手できるのは、第一に自社の営業7工程を文書化すること、第二にKPIを商談化率と受注率で再定義すること、第三に仕組み化成熟度5項目のセルフ診断を実施することの3ステップです。この3ステップを踏んだうえでベンダー選定に進むと、契約前の議題が整理され、稼働後の手戻りが最小化できます。

自社の営業組織が代行導入の前提を満たしているかを短時間で確認したい方は、以下のチェックリストを活用いただけます。


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この記事を書いた人
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谷本潤哉
元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。