機能一覧 メトリクスマネジメントプログラム 利用シーン 導入事例 セミナー FAZOM営業ラボ お問い合わせ
資料ダウンロード
サービス概要資料をダウンロード
FAZOM営業ラボ > 商談・営業スキル
商談・営業スキル

営業のフレームワーク24選!具体例や選び方、活用時の注意点も解説

営業活動にフレームワークを活用すれば、効果の出る戦略を立案し、商談を進められます。フレームワークは成功パターンを体系化したものなので、抜け漏れなく分析できます。

本記事では、営業フレームワーク24選を目的・課題別に紹介し、自社に合った選び方から活用ステップまで解説します。

読み終える頃には、最適なフレームワークを選び、すぐに営業活動に活かせる状態になります。


「成果に直結するスキル」を最短距離で身につけるスキルマップを公開中!

▼ この記事の内容

  • フレームワークの役割: 営業活動における「思考の型」です。これを使うことで、個人の勘に頼らず、誰でも抜け漏れのない戦略立案や、説得力のある提案ができるようになります。
  • 目的別の選び方: 自社分析なら「SWOT」や「3C」、商談でのヒアリングなら「BANT」や「SPIN」が定番です。目的(戦略か商談か)に合わせて最適な型を選ぶことが、成果を出す近道です。
  • 活用のコツ: 一つだけでなく、SWOTで現状分析してからTOWSで具体策を考えるなど、「組み合わせ」て使うと効果倍増です。分析に時間をかけすぎず、チームで共有して実践に移すスピード感が重要です。

営業組織の仕組み化レベルを10の質問で可視化。レベル別の「明日からの1手」まで分かる診断ツールを公開中!
>>無料で『営業組織の現在地がわかる組織診断チェックリスト』をダウンロードする

営業フレームワークとは

営業フレームワークとは、営業活動を進めるときに使える考え方の型のことです。複雑な問題を整理したり、抜け漏れなく検討したりするための道具として多くの企業で使われています。

営業の現場では、どの顧客を狙うべきか、競合とどう差別化するか、この商談は成約できそうかなど、さまざまな判断を求められます。こうした判断を個人の勘だけに頼ると、担当者によって成果にバラつきが出てしまいます。

そこで、フレームワークを使えば、誰でも同じ視点で考えることが可能です。たとえば戦略立案の場面では市場や競合を整理する型として、商談の場面では顧客のニーズや購買意欲を見極める型として活用できます。

種類主な目的代表的なフレームワーク
戦略立案向け市場や自社の分析、方針決定SWOT分析、3C分析、STP分析
商談向け顧客理解、提案の組み立てBANT条件、SPIN話法、FABE分析

経済産業省の経営力向上計画策定の手引きでもSWOT分析などの活用が推奨されており、ビジネスの基本ツールとして広く認められています。

(参考)経営力向上計画策定 第4章 知的資産経営マニュアル|経済産業省

営業フレームワークを活用するメリット

フレームワークを使うメリットは、以下の4つです。

  • 戦略立案を効率化できる
  • 営業課題を発見しやすくなる
  • 提案の説得力が増す
  • チーム全体の営業力が底上げされる

戦略立案を効率化できる

フレームワークを使うと、営業戦略を考える時間を大幅に減らせます。何もない状態から考え始めると「どこから手をつければいいのか」と迷いがちですが、型があれば検討すべき項目が明らかです。

たとえば3C分析なら、自社、顧客、競合の3つを調べればよいと最初から決まっています。ゴールが見えているので、余計な情報収集に時間を取られません。

複数人で議論するときも、同じフレームワークを使えば全員が同じ土俵で意見を出せるため、合意形成がスムーズになります。

営業課題を発見しやすくなる

フレームワークを使えば、営業活動のどこに問題があるのかを見つけ出せます。「なぜ売上が伸びないのかわからない」という悩みを、具体的な原因として特定できます。

たとえばバリューチェーン分析を使うと、営業プロセスをリード獲得、商談、提案、成約のように段階ごとに分けることが可能です。各段階の数字を確認すれば、どこで顧客が離れているかが一目でわかります。

どの段階に課題があるかを特定できれば、的確な改善策を打てるようになります。

提案の説得力が増す

フレームワークに沿って整理した提案は、顧客に伝わりやすくなります。なぜこの商品が必要なのかを順序立てて説明できるからです。

たとえばFABE分析(詳細は後述)を使うと、他社より優れている点、お客様が得られるメリット、実際の導入事例という流れで話せます。この機能がある、だけでなく、この機能のおかげで御社はこんな成果が出せます、と伝えられるようになります。

このように、押し売りではなく、顧客が自分で「必要だ」と納得できる提案ができるようになることが重要です。

チーム全体の営業力が底上げされる

フレームワークを使えば、個人の経験やセンスに頼らない営業が可能です。チーム全体で同じ視点を持てるため、担当者によって成果がバラつくことを防げます。

新人でもベテランと同じ枠組みで考えられるので、育成期間の短縮にもつながります。また、成功事例をフレームワークに沿って共有すれば、ノウハウがチーム全体に広がりやすくなります。

営業フレームワーク一覧比較表

本記事で紹介する24種類のフレームワークを、定番レベル順に整理しました。 まずは定番度の高いものから始めて、少しずつ使えるものを増やしていくのがおすすめです。

戦略立案向けフレームワーク18選

定番レベルフレームワーク名カテゴリ主な用途
★★★SWOT分析自社分析強み・弱み・機会・脅威の把握
★★★3C分析自社分析自社・顧客・競合の関係整理
★★★STP分析ターゲット設定狙う顧客層の決定
★★★4P分析ターゲット設定製品・価格・流通・販促の検討
★★★PEST分析市場分析社会全体の動きを把握
★★☆TOWS分析自社分析SWOTから具体策を導く
★★☆4C分析ターゲット設定顧客目線でのマーケティング
★★☆ファイブフォース分析市場分析業界の競争状況を理解
★★☆ロジックツリー課題整理問題の原因を探る
★★☆MECE課題整理漏れなくダブりなく整理
★★☆パレートの法則課題整理重要な20%への集中
★★☆ABC分析課題整理顧客・製品の優先順位付け
★★☆5W1H全体俯瞰情報の整理
★☆☆バリューチェーン分析自社分析価値を生む活動の特定
★☆☆VRIO分析自社分析自社資源の強さを評価
★☆☆アンゾフのマトリクスターゲット設定成長の方向性を決める
★☆☆ランチェスター戦略ターゲット設定自社の立場に合った戦い方
★☆☆ビジネスモデルキャンバス全体俯瞰事業の全体像を描く

商談向けフレームワーク6選

定番レベルフレームワーク名主な用途使うタイミング
★★★BANT条件見込み客の見極め初回の聞き取り
★★★SPIN話法隠れたニーズの引き出し序盤~中盤
★★☆FABE分析説得力ある提案づくり提案時
★★☆AIDMA顧客心理に沿った対応全段階
★☆☆DMUマップ決定権を持つ人の把握中盤~終盤
★☆☆MEDDIC大型案件の受注率向上中盤~終盤

商談数を13件→28件に変えた、売上目標を因数分解し「見るべき数字」を特定する手順を穴埋め式ワークシートで解説!
>>無料で『売上を最短で動かすための営業KPI設計ガイド』をダウンロードする

営業戦略立案に役立つフレームワーク18選

営業戦略を立てるときは、自社の状況を知ること、市場を調べること、狙う顧客を決めることなど、いくつかのステップがあります。 目的に合わせて18種類のフレームワークを紹介します。

自社の現状を把握したいとき

戦略を立てる前に、まず自分たちの会社がどんな状態にあるのかを正しく知る必要があります。 強みがわかれば活かし方が見え、弱みがわかれば対策を打つことが可能です。

SWOT分析

SWOT分析は、自社の内側と外側の状況を4つに分けて整理する方法となります。 シンプルなので、初めてフレームワークを使う人にも取り組みやすいです。

  • Strengths(強み):自社が他社より優れている点
  • Weaknesses(弱み):自社が他社に劣る点
  • Opportunities(機会):市場の成長など、追い風となる外部要因
  • Threats(脅威):競合の増加など、向かい風となる外部要因

強みと弱みは自社で変えられますが、機会と脅威は外の出来事なので自社ではコントロールできません。

広告代理店なら、デジタル広告の運用力が強み、テレビCMの制作力が弱み、動画広告市場の成長が機会、大手プラットフォームの参入が脅威のように整理できます。 どの業界でも使いやすいフレームワークなので、まず最初に試してみると良いです。

3C分析

3C分析は、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)の3つの視点で状況を整理する方法です。 経営コンサルタントの大前研一氏が広めたことで知られています。

要素調べること
自社強み、弱み、持っている資源
顧客求めていること、買い方、市場の大きさ
競合戦略、シェア、強みと弱み

大切なのは、3つをバラバラに見るのではなく、つなげて考えることです。

たとえば人材業界なら、顧客企業は即戦力を求めている、自社は業界特化の人材データベースがある、競合は汎用的なサービスが中心とわかれば、業界特化の即戦力紹介という戦略が浮かび上がります。 市場環境の変化が速いIT業界や広告業界でも、定期的に3C分析を行うことで方向性を見直しやすくなります。

TOWS分析(クロスSWOT分析)

TOWS分析は、SWOT分析で出した4つの要素を掛け合わせて、具体的な打ち手を考える方法です。 SWOT分析だけだと現状はわかったけど何をすればいいのかとなりがちですが、TOWS分析まで進めれば行動につなげられます。

戦略名組み合わせ考え方
SO戦略強み × 機会強みで機会をつかむ
ST戦略強み × 脅威強みで脅威をかわす
WO戦略弱み × 機会弱みを補って機会を活かす
WT戦略弱み × 脅威被害を最小限に抑える

4つの戦略を全部やるのは現実的ではないので、優先順位をつけてまず何から始めるかを決めることが大切です。

EC事業者なら、SO戦略として自社の物流網(強み)を活かして、越境EC市場の拡大(機会)に乗るといった具体策を導き出せます。 SWOT分析をやったけど次に何をすればいいかわからないという方に特におすすめです。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、会社の活動を流れで見て、どこで価値が生まれるかを調べる方法です。 ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が考えました。

会社の活動は、直接価値を生む主活動(調達、製造、販売など)と、それを支える支援活動(人事、経理など)に分けられます。 営業で言えば、リード獲得、商談、提案、成約、フォローという流れのどこに強みがあり、どこに課題があるかを見つけられます。

製造業や卸売業など、営業プロセスが長く複雑な業界で特に効果的です。 保険や金融など、契約後のフォローが重要な業界でも、どの活動に注力すべきかを明確にできます。

VRIO分析

VRIO分析は、自社の資源が本当に強みと言えるのかを4つの基準で確かめる方法です。

基準問いかけ
V(価値)お客様の役に立ち、収益につながるか
R(希少性)他社が持っていないものか
I(真似しにくさ)他社が簡単にコピーできないか
O(組織)それを活かせる体制があるか

4つすべてに当てはまる資源は、長く優位に立てる本物の強みです。

コンサルティング業界や専門サービス業界など、ノウハウや人材が競争力の源泉となる業界で特に有効です。 うちの強みは何かと聞かれたときに、根拠を持って答えられるようになります。

市場・外部環境を分析したいとき

自社のことがわかったら、外の世界を調べます。 市場が伸びているか、競争が激しいかによって、取るべき戦略は変わってきます。

PEST分析

PEST分析は、社会全体の大きな動きを4つの視点で整理する方法です。

視点見るもの
政治法律や規制の変化インボイス制度、働き方改革
経済景気や為替の動き円安、物価上昇
社会人々の暮らしや価値観の変化リモートワークの定着、高齢化
技術新しい技術の登場AI、クラウド

同じ出来事でも、会社によって追い風にも向かい風にもなります。

たとえばDXの流れは、ITサービスを売る会社にはチャンスですが、紙の書類を扱うビジネスには脅威かもしれません。 物流業界、医療業界、金融業界など、法規制の影響を受けやすい業界では、政治の視点が特に重要になります。

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析は、業界の競争がどれくらい厳しいかを5つの力で測る方法です。 マイケル・ポーター教授が提唱しました。

  • 既存の競合との争い:同業他社との競争の激しさ
  • 新規参入の脅威:新しい会社が入ってきやすいか
  • 代替品の脅威:別の商品で代用されるリスク
  • 売り手の力:仕入先がどれだけ強いか
  • 買い手の力:お客様がどれだけ強いか

5つの力がすべて強い業界は、利益を出すのが難しくなります。

飲食店向けの食材卸や、建設業界の下請けなど、買い手の交渉力が強い業界では、付加価値サービスで差別化する戦略が有効です。 新規参入を検討している業界の競争状況を把握したいときにもおすすめです。

ターゲットや戦略の方向性を決めたいとき

分析が終わったら、誰に、何を、どう売るかを決めます。ポイントは、すべての顧客を狙わないという決断です。 すべての顧客を狙うのではなく、勝てる場所を選ぶことが大切です。

STP分析

STP分析は、市場を分けて、狙う顧客を選び、自社の立ち位置を決める方法です。

ステップやること
S(セグメンテーション)市場を業種や規模などで分ける
T(ターゲティング)どの顧客層を狙うか選ぶ
P(ポジショニング)競合と違う自社の位置を決める

すべての顧客を狙わないという決断が重要です。

会計ソフト会社なら、従業員10名以下の飲食店に絞り込むことで、汎用製品より高い成約率を実現できます。 BtoB営業全般で使えるフレームワークですが、特に中小企業やスタートアップが限られたリソースを集中させたいときに効果的です。

4P分析

4P分析は、何を、いくらで、どこで、どうやって売るかを整理する方法です。

  • Product(製品):どんな商品・サービスを提供するか
  • Price(価格):いくらで売るか
  • Place(流通):どうやって届けるか
  • Promotion(販促):どうやって知ってもらうか

4つの要素がバラバラだとうまくいきません。

高級家具メーカーなら、高品質な製品と量販店での販売にミスマッチがあれば、直営店やオンライン販売への切り替えを検討すべきです。 メーカーや小売業など、製品と販売チャネルの一貫性が重要な業界で特に有効です。

4C分析

4C分析は、4P分析を顧客の目線に置き換えたものです。

4P(売り手目線)4C(買い手目線)
ProductCustomer Value(得られる価値)
PriceCost(払うコスト)
PlaceConvenience(買いやすさ)
PromotionCommunication(対話)

お客様は製品を買うのではなく価値を買います。

法人向けクラウドサービスなら、導入の手間が購買障壁になっていることに気づけば、導入支援の強化という打ち手が見えてきます。 IT業界やサービス業など、顧客体験が差別化につながる業界で特におすすめです。

アンゾフのマトリクス

アンゾフのマトリクスは、どの方向に成長するかを4つの選択肢で考える方法です。

  • 市場浸透(既存市場 × 既存製品):今のお客様にもっと売る
  • 市場開拓(新規市場 × 既存製品):新しいお客様を開拓する
  • 製品開発(既存市場 × 新規製品):今のお客様に新商品を売る
  • 多角化(新規市場 × 新規製品):まったく新しい領域に進出する

上から順にリスクが高くなります。

オフィス用品販売会社なら、まず市場浸透として既存顧客への追加提案に注力し、その後に市場開拓へ進むという段階的なアプローチが取れます。 成長戦略を検討している経営層や事業責任者に特におすすめです。

ランチェスター戦略

ランチェスター戦略は、市場での自社の立ち位置によって戦い方を変える考え方です。

タイプ対象基本方針
弱者の戦略シェアが低い会社狭い領域に集中、差別化
強者の戦略シェアが高い会社広く展開、追随者を潰す

全国では弱者でも、特定の地域や業種に絞れば強者になれることがあります。

地方の印刷会社なら、医療機関向け印刷物に特化することで、その領域では圧倒的なシェアを獲得できます。 中小企業や地方企業が大手と戦うときに特に有効な考え方です。

課題の整理・優先順位付けをしたいとき

やるべきことがたくさんあるとき、全部に同じ力を注ぐのは非効率です。 何が大事かを見極めて、優先順位をつける必要があります。

ロジックツリー

ロジックツリーは、問題を枝分かれさせながら分解していく方法です。 なぜを繰り返して原因を探る使い方と、どうすればを繰り返して解決策を探す使い方があります。

タイプ問いかけ目的
Whyツリーなぜ起きている?原因を探る
Howツリーどうすれば解決できる?打ち手を考える

成約率が低いという問題なら、ヒアリングが浅い、提案がずれている、競合に負けているのように分解できます。

通信サービスや保険など、成約までのプロセスが複雑な業界で特に効果的です。 どこに問題があるかわからない状況で特に効果的です。

MECE

MECEは漏れなく、ダブりなくという意味で、情報を整理するときの基本ルールです。

たとえば顧客を大企業、中堅企業、中小企業と分ければMECEになります。 一方、製造業、東京の企業、大企業という分け方は、重複が生じるのでMECEではありません。

分析の精度を上げるために、ロジックツリーと一緒に使うと効果的です。 コンサルティングや企画職など、論理的な整理が求められる場面で必須の考え方です。

パレートの法則

パレートの法則は、成果の80%は全体の20%から生まれるという経験則を使います。

  • 売上の80%は、上位20%の顧客から
  • トラブルの80%は、20%の原因から
  • 成果の80%は、20%の活動から

すべてを平等に扱うのではなく、大事な20%に力を集中させることで、効率よく成果を出せます。

広告営業や人材営業など、顧客数が多い業界では、どの顧客に注力すべきかを判断する基準として使えます。 時間やリソースが限られている営業担当者に特におすすめです。

ABC分析

ABC分析は、顧客や製品を貢献度によってA、B、Cの3ランクに分ける方法です。

ランク目安対応
A売上の上位70%手厚くフォロー
B70~90%成長を支援
C90~100%効率的に対応

定期的に見直すことが大切です。 今はCランクでも、将来Aランクに育つ可能性のある顧客もいます。

卸売業や代理店営業など、取引先が多い業界で特に有効です。 すべての顧客に同じ対応をしていてはリソースが足りないと感じている方におすすめのフレームワークです。

ビジネスモデル全体を俯瞰したいとき

個別の分析だけでなく、ビジネス全体を見渡す視点も大切です。 自社がどうやって価値を生み出し、収益を得ているのかを理解すると、営業の役割もはっきりします。

5W1H

5W1Hは、情報を整理するための基本的な6つの問いかけです。

  • Who(誰が):誰が担当するか、誰に売るか
  • What(何を):何を提案するか
  • When(いつ):いつまでに
  • Where(どこで):どのエリアで
  • Why(なぜ):なぜその顧客か
  • How(どうやって):どんな方法で

シンプルですが、すべてに答えられるかチェックすると、計画の抜け漏れを防げます。 どの業界でも使える汎用性の高いフレームワークです。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスは、事業の仕組みを9つの要素で1枚の図に表す方法です。

要素内容
顧客セグメント誰に届けるか
価値提案何を届けるか
チャネルどう届けるか
顧客との関係どう関係を築くか
収益の流れどう稼ぐか
主要リソース何が必要か
主要活動何をするか
主要パートナー誰と組むか
コスト構造何にお金がかかるか

営業はチャネルや顧客との関係に深く関わります。 全体像がわかると、自分の仕事の意味がより明確になります。

スタートアップや新規事業担当者が、ビジネスの全体像を整理するときに特に有効です。

商談向けフレームワーク6選

戦略が決まったら、実際の商談で成果を出す番です。 お客様のニーズを引き出したり、提案を組み立てたりするときに役立つ6つのフレームワークを紹介します。

BANT条件

BANT条件は、見込み客が本当に買ってくれそうかを判断するための4つのチェックポイントです。 IBM社が考案したと言われています。

要素確認すること質問例
Budget予算があるか今回のご予算はどれくらいですか?
Authority決める権限があるか最終判断はどなたがされますか?
Need必要としているか今どんな課題をお持ちですか?
Timeline時期が決まっているかいつ頃の導入をお考えですか?

ストレートに聞くと尋問調になるので、会話の流れの中で自然に情報を集めるのがコツです。

IT機器販売やSaaSなど、商談数が多い業界で特に有効です。 見込み客の優先順位をつけることで、限られた時間を確度の高い案件に集中できます。

SPIN話法

SPIN話法は、4種類の質問を順番に使って、お客様自身にこの商品が必要だと気づいてもらう方法です。 イギリスの研究者ニール・ラッカム氏が開発しました。

質問の種類目的
Situation現状を把握今どんなシステムをお使いですか?
Problem困りごとを引き出すそのシステムで困っていることは?
Implication放置した場合の影響を考えさせるこのままだとどんな問題が起きそうですか?
Need-payoff解決したときの価値を語らせる解決したらどんなメリットがありますか?

買ってくださいと言わなくても、お客様自身が解決したいと思うようになります。

人材サービスやコンサルティングなど、顧客の課題を深く理解することが成約につながる業界で特に効果的です。 お客様に営業だと苦手意識を持たれたくない営業担当者にもおすすめの話法です。

FABE分析

FABE分析は、提案を論理的に組み立てる方法になります。

  • Feature(特徴):製品の機能やスペック
  • Advantage(利点):他社より優れている点
  • Benefit(価値):お客様が得られるメリット
  • Evidence(証拠):事例やデータ

この機能があります、で終わらず、だから御社はこんな成果が出せます、実際にA社では成果が出ましたと伝えると、説得力が格段に上がります。

産業機器や業務システムなど、製品の機能が複雑で比較検討されやすい業界で有効です。 提案書の構成を考えるときにも、このフレームワークに沿って整理すると伝わりやすくなります。

AIDMA

AIDMAは、お客様が商品を買うまでの心の動きを5段階で表したモデルです。

段階心の状態営業がやること
Attention知らないまず存在を知ってもらう
Interest興味を持つ詳しく説明する
Desire欲しくなるメリットを伝える
Memory覚えておく定期的に連絡する
Action買う契約の手続きを進める

存在を知らない人に契約を迫っても成功しません。 お客様が今どの段階にいるかを見極めて、それに合った対応をすることが大切です。

不動産や自動車など、検討期間が長く高額な商品を扱う業界で特に有効です。 段階に応じたフォローを設計することで、長期的な関係構築につなげられます。

DMUマップ

DMUマップは、お客様の会社で誰が購入に関わるかを整理する方法となります。 DMUはDecision Making Unit(意思決定に関わる人たち)の略です。

  • 決裁者:最終的にOKを出す人
  • 予算管理者:お金の使い方を決める人
  • 実務担当者:実際に使う人
  • 影響者:意見を求められる人
  • 味方:導入を後押ししてくれる人
  • 反対者:導入に消極的な人

法人向け営業では、担当者がOKでも上の人がNOと言えば決まりません。

システム開発や大型設備など、複数の部門が関わる意思決定を伴う商談で特に重要です。 誰にどんな話をすべきかを整理しておくと、商談が進めやすくなります。

MEDDIC

MEDDICは、大きな案件の成約率を高めるためのフレームワークです。 BANT条件より細かく情報を集めます。

  • Metrics:お客様が達成したい数値目標
  • Economic Buyer:最終的にお金を出す決定権者
  • Decision Criteria:何を基準に選ぶか
  • Decision Process:社内でどう決まるか
  • Identify Pain:抱えている課題
  • Champion:社内で味方になってくれる人

大きな案件は関わる人が多く、決まるまでの過程が複雑です。

エンタープライズ向けのITソリューションや、大規模な設備投資を伴う製造業の営業に適しています。 案件単価が高く、商談期間が長い業界では、MEDDICで情報を整理することで失注リスクを減らせます。

営業戦略の立て方5ステップ

フレームワークは、戦略を立てる流れの中で組み合わせて使うと効果的です。

ステップ1:現状分析と目標設定

最初に、今の状態を正しく把握し、どこを目指すかを決めます。現在地がわからなければ、目的地も決められません。

まず売上データの確認として、ExcelやBIツールで過去の推移を見ます。次に顧客の分類として、ABC分析を使って業種別・規模別に整理することが必要です。そして自社の整理として、SWOT分析で強み・弱み・機会・脅威を明確にします。最後に目標の設定として、数字と期限を決めます。

目標は「売上を増やす」ではなく、「今期末までに売上1.2億円」のように、具体的な数字と期限を入れます。

ステップ2:市場・競合・顧客の分析

外の世界を調べます。市場の動き、競合の状況、顧客が何を求めているかを把握します。

マクロ環境を調べたいときはPEST分析、業界の競争状況を知りたいときはファイブフォース分析、顧客・競合・自社の関係を整理したいときは3C分析などが使えます。目的に合ったフレームワークを選ぶのがポイントです。

既存のお客様への聞き取りや、CRMデータの分析で、実際の情報を集めることも大切です。

ステップ3:ターゲットと方針の決定

分析結果をもとに、誰に、何を提供するかを決めます。

まず市場を分けます。業種、規模、地域などで分類するのが基本です。次に狙う層を選び、自社が勝てそうな顧客層を決めます。最後に立ち位置を決め、競合との違いを明確にします。

すべてのお客様を狙うのではなく、「この層は狙わない」と決めることで、限られた力を集中することが可能です。

ステップ4:KPI設計と行動計画

目標を達成するために、何をどれだけやるかを決めます。

たとえば売上1億円という最終目標に対して、途中の指標として新規商談数を月50件、提案率を60%以上、成約率を30%以上と設定します。

売上は結果なので直接コントロールしにくいですが、商談数や提案件数は自分の行動で増やせます。コントロールできる指標を設定することがポイントです。

ステップ5:PDCAで継続改善

計画を実行し、結果を振り返り、改善を続けます。一度決めた戦略を固守するのではなく、状況に合わせて調整することがポイントです。

Planで目標と計画を立て、Doで実行して記録を残し、Checkで結果を確認して原因を分析し、Actionでうまくいったことを広げ、課題は改善します。

定期的に振り返りの場を設けて、チームで学びを共有することが大切です。

営業フレームワーク活用のポイントと注意点

フレームワークは便利な道具ですが、使い方を間違えると効果が出ません。うまく活用するためのポイントは以下の3つです。

  • 複数を組み合わせて使う
  • 分析結果をチームで共有する
  • 戦略立案に時間をかけすぎない

複数を組み合わせて使う

フレームワークにはそれぞれ得意分野があるので、1つだけで済ませるより、いくつか組み合わせた方が効果的です。

たとえばSWOTからTOWSへの流れでは、現状を整理してから具体策を考えます。3CからSTPへの流れでは、市場を理解してからターゲットを絞りましょう。BANTからSPIN話法への流れでは、見込み度を確認しながらニーズを深掘りします。

組み合わせるときは、何を知りたいのか、何を決めたいのかを先に考えて、それに合ったフレームワークを選びます。

分析結果をチームで共有する