機能一覧 メトリクスマネジメントプログラム 利用シーン 導入事例 セミナー FAZOM営業ラボ お問い合わせ
資料ダウンロード
サービス概要資料をダウンロード
FAZOM営業ラボ > 営業戦略・KPI設計
営業戦略・KPI設計

売上回復の方法|下降トレンドを立て直す実務ステップ

▼ この記事の内容

売上回復は、集客数・成約率・客単価で売上を因数分解し下降要因を特定して、プロセス・行動・思考の3層で対策を選ぶ取り組みです。2週間サイクルの改善ループで定着させる順序が最短で、値下げや新規獲得を急ぐ前に外的要因と内的要因の切り分けから始めます。

2024年版中小企業白書では、人手不足を感じる中小企業は53.4%に達しました。営業現場では、エースの離任や商談品質のばらつきが、月次の売上を直接下降させる構造があります。

「先月から受注が急に鈍った」「昨年同期比で2割落ちた」。このふたつの症状が同時に出ている場合、値下げや気合の号令では戻りません。下降要因を因数分解で特定し、プロセス・行動・思考の順に打ち手を積み直す設計が必要です。

本稿では、売上回復を4つの構造的要因と5つの実務ステップで整理します。読み終えるころには、自社の下降要因が外的か内的か、内的ならどの層に起因するかを切り分けられるはずです。

参考:2024年版 中小企業白書|中小企業庁


商談数を13件→28件に変えた、売上目標を因数分解し「見るべき数字」を特定する手順を穴埋め式ワークシートで解説!
>>無料で『売上を最短で動かすための営業KPI設計ガイド』をダウンロードする

売上回復の第一歩は「下降要因の因数分解」から

売上回復の最初の一歩は、下降要因を売上の構成要素に沿って因数分解することです。値下げや新規獲得の号令で動き出す前に、どの要素がどれだけ落ちたかを数字で確認する順序が、回復速度を大きく左右します。

売上回復の定義と、なぜ「値下げ・気合」では戻らないのか

売上回復は、下降要因を特定したうえで再現可能な打ち手を組み立て、売上を元の水準に戻す営業活動を指します。値下げや気合の号令は、要因特定を飛ばすため再現性が生まれず、利益率の悪化という副作用だけが残る打ち手です。

下降の構造が外部環境の変化にある場合、値下げは顧客の買い控えを誘発します。内部の営業品質に原因があるなら、値下げしても商談の質は上がらず、案件の失注率が下がりません。

気合・根性での立て直しは、特定の個人の稼働に依存するため、その人が離れた瞬間に売上が再び落ちます。2024年版中小企業白書でも、人手不足を感じる中小企業は53.4%に達しており、個人の稼働に依存する構造は持続可能性が低いと指摘されています。

回復の本質は、下降要因の可視化と、再現できる対策の組み立てにあります。従業員50〜300名規模の営業組織であれば、下降開始から3〜5営業日の分析工数で打ち手の優先順位が定まります。まずは売上を因数に分解し、どの要素が落ちているかを数字で確かめることから始めます。

参考:2024年版 中小企業白書|中小企業庁

売上=集客数×成約率×客単価の3要素で分解する

売上は、集客数・成約率・客単価の3要素の積に分解できます。下降が起きたとき、3つのうちどれが落ちたのか、何%落ちたのかを数字で把握すると、打ち手の範囲が一気に絞り込まれます。

集客数が落ちた場合は、上流のリード獲得やマーケティング施策が検討対象です。成約率が落ちたなら、商談品質の劣化や競合の強化が疑われ、営業プロセスの再設計が必要になります。客単価の低下は、提案内容の変化や値引き頻度の増加が要因の中心です。

3要素をまとめて眺めるほど、対策は散漫になります。数字で下降幅を確定させ、最も落ちている1要素に絞って対策を組むと、1〜2か月での改善が現実的になります。

自社の売上構造が見えにくい段階では、顧客セグメント別と月次の2軸で集計するところから始めます。月次トレンドの中で、どのセグメントの成約率が落ちているかが見えた時点で、打ち手の議論が具体化します。

外的要因と内的要因を切り分けるチェック項目

下降要因は、外的要因と内的要因に分けてチェックします。外的は市場縮小・競合参入・顧客ニーズの変化など自社の外で起きる変化、内的は営業体制・提案品質・育成体制など社内の構造に起因する要因です。

外的要因のチェック観点は、市場規模の縮小、主要顧客業界の業績悪化、競合の新規参入、顧客ニーズの変化、流行や規制の変更の5つです。これらが主因なら、値下げや営業強化より、ターゲットの見直しや商品設計の変更が先行します。

内的要因は、エース営業の離任、新人の立ち上がり遅延、提案の画一化、KPI設計の偏り、育成体制の不在の5観点で点検します。外的と内的が同時に進行している場合もあり、切り分けをせずに内的対策だけ打つと効果が薄くなります。

FAZOMが200社超の支援現場で観測してきた傾向として、下降の初動では外的要因が先に表面化し、数か月遅れて内的要因が露呈するパターンが多く見られます。外的を確認したら内的も点検する、この順序が切り分けを安定させます。

売上が回復しない4つの構造的要因

売上回復の議論が前に進まないケースには、4つの共通した構造的要因が見られます。いずれも「属人化」という漠然とした表現で片付けられがちですが、要因ごとに打ち手は異なります。

要因1 下降要因の特定を飛ばし、打ち手が散発的になっている

最も多い要因は、下降要因の特定を省略してしまい、思いついた施策を同時並行で打ち始めることです。キャンペーン、値下げ、新規獲得、人員増強を同時に走らせると、どの施策が効いたのかを切り分けられなくなります。

要因特定の時間は、3〜5営業日で十分です。月次×セグメント別の売上推移をダッシュボードに並べ、どのセグメントで何%落ちたかを確定させるだけで、打ち手の範囲は半分以下に絞り込めます。

分析に時間をかけすぎると経営の不安が高まるため、「1週間以内に仮説を固めて動き出す」制約を最初に置く設計が有効に働きます。仮説の精度は低くて構いません。動きながら検証する前提で進めます。

実際には、下降要因の特定を省く組織ほど打ち手の総量が増える傾向があります。施策数は一見多く見えても、どれが効いたのかを後から説明できないため、次の意思決定で同じ迷いを繰り返します。因数分解の工程を入れるだけで、打ち手の総量は半減し、投資判断の根拠が揃います。

要因2 売上を担当者ごとの勘に委ね、再現性が失われている

2つ目の要因は、売上の作り方を担当者ごとの勘に委ねている構造です。トップセールスが抜けた瞬間に売上が落ち、新人の育成は既存メンバーの背中から学ぶ属人的な方法に戻ります。

FAZOMが支援したある企業では、トップセールス本人が「ヒアリング重視」と公言していました。しかし実際の商談録音を分析すると、冒頭10分で自社事例を語る時間が半分以上を占めていたそうです。

本人の自己認識と実際の行動はここまでズレることがあり、言語化された勝ち筋を組織で共有する仕組みがない限り、再現性は生まれません。

担当者の勘に依存する構造を崩す起点は、行動ログと商談録音を第三者が言語化する工程です。本人の自己認識に頼らずに勝ち筋を抽出すると、組織知として残せる形になります。

言語化された勝ち筋は、トレーニング教材やロールプレイの台本として二次利用できます。新人のオンボーディング期間は、勝ち筋の形式知が揃った組織では平均で3〜6か月短縮される傾向があります。属人化の解消は、採用・育成コストの削減にも直結します。

要因3 KPIが受注額に偏り、上流の活動量・商談化率が見えない

3つ目は、KPIが受注額に偏る構造です。受注額は結果指標であり、数字に表れた時点で打ち手を打っても遅いケースが大半です。

上流のKPI(活動量・商談化率・提案前進率)が見えない組織では、受注が落ちたことに気づいた時点で2〜3か月の遅行指標しか手元にありません。結果、値下げや新規獲得の号令に走り、回復まで時間がかかります。

先行指標をダッシュボードに並べる設計だけで、下降の兆候を30〜60日早く掴めます。KPIの数は増やさず、「活動量・商談化率・提案前進率」の3つに絞るほうが運用負荷を抑えられます。

3指標のうち、どれが先に変化しているかを見ると、下降の構造が読み取れます。活動量の低下が先行していれば現場の稼働配分、商談化率の低下が先行していれば提案品質、提案前進率の停滞が先行していれば顧客側の意思決定遅延が疑えます。指標の順序を読むと、打ち手の優先順位が自然に決まります。

要因4 短期策と中長期策を混同し、改善ループが回らない

4つ目は、短期策と中長期策の混同です。値下げやキャンペーンは短期の需要喚起、営業体制の再設計や育成体制の整備は中長期の構造改善であり、性質が異なります。

両者を混ぜて「売上回復プロジェクト」として一括管理すると、短期策の効果が出ないうちに中長期策の期待値が上がり、かえって現場が混乱します。改善ループが回りはじめるまでに半年以上かかるケースも珍しくありません。

短期策は1〜2か月、中長期策は3〜12か月と時間軸で分けて管理する設計が基本です。改善ループを2週間単位に区切ると、短期策の検証も中長期策の軌道修正も同じリズムで回せます。

時間軸を分けて管理すると、経営会議での議題の整理も進みます。短期策の進捗は数字で、中長期策の進捗は定性的な組織変化で報告するのが実務的な運用になります。両者を同じフォーマットで報告しようとすると、どちらの報告も曖昧になる傾向が出ます。

売上を回復させる5ステップ

売上を回復させる実務は、5つのステップに整理できます。順序を守ることで、散発的な施策ではなく構造的な立て直しが可能になります。

ステップ1 下降開始点を定量で特定する(時系列×顧客セグメント)

最初のステップは、下降開始点を定量で特定することです。月次の売上推移を顧客セグメント別に並べ、どの月からどのセグメントが落ちたかを数字で確定させます。

時系列×セグメントの2軸で見ると、全体が同時に落ちているのか、特定のセグメントだけが落ちているのかが一目で分かります。後者であれば、外的要因(顧客業界の市況悪化、競合参入)に絞って原因を追えます。

このステップに必要なのは、既存の売上データとスプレッドシート1枚のみです。新規ツールの導入は不要で、3〜5営業日で完了します。

下降開始点を特定する作業は、経営者・営業責任者・現場担当が同じ画面を見ながら進めると精度が上がります。立場によって「直感」と「事実」のズレが浮き彫りになり、前提のすり合わせが先に進みます。前提が揃わないまま打ち手の議論に入ると、施策の優先順位は必ず割れます。

ステップ2 プロセス層を状態ベースで再定義する

2つ目は、プロセス層の状態ベース再定義です。商談フェーズを「提案した」「検討中」ではなく、顧客側の状態(課題認識している/予算化している/決裁者が合意している)で定義し直します。

FAZOMの支援現場で繰り返し観測されるのは、プロセス層の再定義から始めた組織と、行動層のマニュアル化から始めた組織で、半年後の再現性に大きな差が出る傾向です。

行動層から入った組織は、現場が判断に迷う場面で型が折れやすく、状態定義のない行動マニュアルは形骸化しやすい構造にあります。

FAZOM 営業支援ナレッジ 2026年3月時点・類型B(現場体験)

状態ベースで定義すると、進捗確認の会話が「何をしたか」ではなく「顧客がどの状態にあるか」に変わります。結果として、商談の失注リスクを早期に察知できるようになり、案件ごとの打ち手が具体化します。

状態ベースの定義は、営業会議のアジェンダにも影響します。週次の進捗確認では「今週動いた案件」ではなく「状態が進んだ案件・止まっている案件」を議論の中心に据えます。意思決定の粒度が揃い、マネジメント側が介入すべき案件の判別がしやすくなる構造に変わります。

ステップ3 行動層で勝ち筋を形式知化する

3つ目のステップは、行動層で勝ち筋を形式知化することです。トップセールスの商談録音や行動ログを材料に、再現可能なパターンを第三者が言語化します。

形式知化のポイントは、「何を話すか」だけでなく「どの状態で、どんな問いを立てるか」を合わせて記述することです。ヒアリング項目リストやトークスクリプトだけでは、状態判断の再現が難しくなります。

下降要因の切り分けと形式知化の進め方は、営業マネジメントの基本的な進め方にも整理しています。

営業戦略・KPI設計 営業マネジメントの方法|4つの管理領域と実装5ステップ

自社の営業組織がどの層に課題を抱えているかを切り分けたい場合は、以下のチェックリストをご活用ください。10分で診断できます。


営業組織の仕組み化レベルを10の質問で可視化。レベル別の「明日からの1手」まで分かる診断ツールを公開中!
>>無料で『営業組織の現在地がわかる組織診断チェックリスト』をダウンロードする

成果が出る形式知化には2〜3か月、定着まで含めると半年が目安です。売上回復までの期間は、どの層から着手するかで変わります。

ステップ4 思考層で判断基準を明文化し、再現性を担保する

4つ目は、思考層の判断基準を明文化するステップです。同じ状況でトップと新人の判断が割れる場面を洗い出し、「この状態ならこう判断する」という共通言語を組織で持ちます。

判断基準は、商談の失注パターンから抽出すると再現性が上がります。失注した案件を振り返り、「ここで別の判断をすれば結果が変わっていたか」を5〜10件分析するだけで、組織の共通言語が具体化します。

思考層まで踏み込むと、新人が独り立ちするまでの期間が短縮されます。FAZOMの支援先では、独り立ち期間が6か月から3か月に短縮された事例もあります。

判断基準の明文化は、経営者や営業責任者の「暗黙の期待」も同時に言語化する工程になります。期待値が曖昧なまま運用している組織では、現場が判断に迷った際の相談コストが積み上がります。基準を共通化すると、現場の自走度が上がり、マネジメント工数の再配分が進みます。

ステップ5 改善ループを2週間単位で回し、定着させる

最後のステップは、改善ループを2週間単位で回すことです。仮説→実行→振り返り→更新の4工程を、1サイクル2週間のリズムで定着させます。

2週間という区切りには意味があります。月次ではフィードバックが遅く、週次では実行期間が短すぎるため、学習が深まりません。2週間は、仮説検証と行動の修正がほぼ同じリズムで噛み合う長さです。

ループの目的は、改善を継続できる組織にすることであり、1回の成功で終わらせないことです。売上回復は一度戻せば終わりではなく、下降要因を早期に検知できる状態を維持する取り組みになります。

2週間ループの運用では、振り返りの会議時間を30〜45分に収めるのが実務的な目安です。長く取るほど形骸化しやすく、次の2週間への学習転送が弱まります。会議アジェンダを固定フォーマットに揃え、前回の仮説の成否と次回仮説を1枚にまとめる運用に落とし込みます。

よくある失敗パターンと回避策

売上回復の現場では、同じ失敗パターンが繰り返されます。打ち手自体が悪いわけではなく、実行順序や前提条件の扱いで結果が分かれます。

失敗1 値下げを先に打って利益率が悪化する

代表的な失敗は、要因特定の前に値下げを打つことです。売上は一時的に回復しても、利益率が悪化し、翌期の体力を削る結果につながります。

値下げは「競合が新商品を投入した」「自社の強みが相対的に弱まった」など、価格が主因の場合にのみ有効な選択肢です。原因が営業品質なら、値下げでは解決しません。

回避策は、原因特定の工程を省略しないことです。因数分解で「客単価が下がっている」と判明した場合でも、その要因が提案内容の変化なのか、値引きの頻度増加なのかを切り分けてから、値下げ以外の選択肢を検討します。

値下げを避けたうえで取れる代替策には、提案内容の再設計、上位プランへのアップセル、支払い条件の柔軟化などがあります。価格そのものを触らず、顧客が感じる価値の総量を上げる設計のほうが、長期の利益体質を守る結果につながります。値下げは最後の手段として保留するのが基本です。

失敗2 新規獲得だけを強化しリピート・既存深耕を放置する

2つ目は、新規獲得だけに集中して既存顧客の深耕を放置する失敗です。新規獲得は時間と費用がかかるうえ、既存顧客の離反が続くと土台が崩れます。

通説では、売上下降には新規獲得の強化が正解だと考えられがちです。BtoBでは既存顧客のリピートと拡大が売上の大きな割合を占めるケースが多く、新規偏重の対策は回復速度を下げます。売上下降が続く局面ほど、既存顧客の満足度と継続率を先に点検する順序が機能します。

回避策は、既存顧客の解約兆候と追加購買余地を四半期ごとに点検する運用を先に組むことです。既存の土台が揺らいでいなければ、新規獲得の効果も積み上がります。

既存顧客の点検項目は、利用状況・問い合わせ頻度・担当者変更・満足度の4観点で十分です。この4観点を顧客リストに並べて眺めるだけで、離反リスクの高い顧客が可視化されます。離反の先行指標を押さえる運用は、追加コストがほぼ発生しない点で優先度が高くなります。

失敗3 フレームワーク(3C/SWOT/PEST)を形式的に使い打ち手に落ちない

3つ目は、分析フレームワークを形式的に埋めるだけで、打ち手に落ちない失敗です。3C分析やSWOT分析を一通り書き出しても、そこから何を優先して動くかが決まらなければ、時間をかけた意味が薄れます。

フレームワークは、原因特定のツールであり、打ち手を自動生成する仕掛けではありません。分析の出力を「どの要素が一番効くか」の仮説に変換する工程が別に必要です。

回避策は、フレームワーク利用を「分析」で終わらせず、「仮説→検証計画」まで一気通貫で設計することです。IT/SaaSや製造業の営業マネージャーであれば、分析会議を90分以内に収め、会議後24時間以内に検証アクションを1つ着手する制約を置くと形骸化を防げます。フレームワークごとの使い分けは次のH2で整理します。

分析会議の形骸化を防ぐ別の手段として、会議の最後にアクションオーナーと着手期限を明示する運用があります。誰が何を何日以内にやるかが決まらない会議は、分析のための分析で終わる傾向が高くなります。アクションオーナーの割当があれば、次回会議の議題も自然に決まり、継続的な改善サイクルに接続できる形になります。

売上回復を下支えする分析フレームワーク

売上回復の原因特定では、複数のフレームワークを使い分けます。どれか1つで全体を説明しようとせず、目的別に道具を選ぶ姿勢が分析の精度を上げます。

ロジックツリー(Why/How)で原因と対策を階層化する

ロジックツリーは、原因を階層化する道具です。Whyツリーで「なぜ売上が落ちたか」を3段階まで分解し、Howツリーで「どうやって戻すか」を同じ深さで展開します。

3段階まで分解すると、抽象的な「営業力低下」という表現が、具体的な行動レベル(例:商談の冒頭で仮説を提示できていない)まで落ちてきます。現場が自分ごとで動ける粒度まで降ろすのがコツです。

Whyツリーで原因を深掘りした後、同じ深さでHowツリーを展開すると、原因と対策の対応関係が明確になります。原因と対策が1対1で紐づいていない場合、対策が別の課題への流用や場当たり的な施策になっている可能性があります。両ツリーの対称性を検証するだけで、打ち手の筋の良さを見極められます。

3C分析で自社・競合・顧客の変化を捉える

3C分析は、自社・競合・顧客の3者を同時に見る道具です。売上が下降している局面では、3者のどの変化が主因かを見極めることが出発点になります。

顧客側の変化(予算縮小、購買プロセス変更、キーマン交代)を見逃したまま、自社の営業体制だけを触っても成果は出にくくなります。競合の新製品投入や価格政策の変更も、同時に点検する価値があります。

従業員300〜1000名規模の中堅企業であれば、3C分析の点検を四半期1回のリズムに組み込むと、変化を30〜45日遅れで把握する運用が定着します。四半期ごとにわずか2時間の振り返り会議で運用できるため、負荷に対する効果のバランスが取りやすい頻度になります。

SWOT/PEST/ファイブフォースを使い分ける

SWOT分析は、内部(強み・弱み)と外部(機会・脅威)を同時に見る枠組みです。PEST分析は、政治・経済・社会・技術のマクロ環境変化を捉える道具で、ファイブフォースは業界構造の競争圧力を見る枠組みです。

下降の主因が「業界構造の変化」にあるならPESTやファイブフォース、主因が「自社の強み弱みのアンバランス」にあるならSWOTが適します。1つを形式的に回すより、2つを組み合わせて使うほうが発見が増えます。

人材紹介業や建設業のように業界構造の変化が頻繁な領域では、半期1回のPEST点検で外部環境の早期検知が可能になります。政治・経済の変化は売上への影響まで2〜3四半期遅れて現れるため、半期点検のリズムが実務的な粒度として機能します。

売上回復を仕組みに変えるFAZOMの視点

売上回復を一度きりのイベントで終わらせず、組織として再現可能な仕組みに変えることがFAZOMの問題意識です。属人化からの卒業と、改善ループの定着が鍵になります。

プロセス×行動×思考の3層モデルで売上を再現可能にする

売上の再現性を設計するFAZOM独自の枠組みが、3層モデルです。プロセス層(状態定義)、行動層(具体アクション)、思考層(判断基準)の3層を揃えて初めて、担当者が変わっても成果が出る組織になります。

プロセス層だけを整備しても、現場は判断に迷います。行動層だけをマニュアル化しても、状態の読み違いで型が折れます。思考層を組織共通言語化すると、3層が噛み合い、再現性が高まります。

3層モデルの順序は、プロセス→行動→思考の流れで整備するのが基本です。ただし、思考層の整備から入ったほうが早いケース(ベテラン中心の組織)もあり、組織の成熟度に応じた選択が必要になります。

3層モデルが機能しはじめる兆候は、現場の言葉遣いの変化に現れます。「動きが取れない案件」が「今はこの状態にあるから次はこう動く案件」という表現に変わると、状態と行動と判断が接続されている証拠になります。言葉の変化が出てから、再現性の高い売上創出が定着します。

改善ループを「2週間×3層×3指標」で設計する

改善ループは、2週間サイクル・3層(プロセス・行動・思考)・3指標(活動量・商談化率・提案前進率)の組み合わせで設計します。ループの粒度を揃えると、打ち手の効果と副作用を同じリズムで観察できるようになります。

2週間ごとに、3層それぞれの指標を振り返る運用を導入すると、下降の兆候を早期に察知でき、施策の修正も素早く打てます。月次会議だけでは拾えない変化が、2週間サイクルなら見えます。

3層モデルと2週間改善ループの詳細な設計手順と運用ポイントは、以下のFAZOMサービスご案内資料から詳しくダウンロードいただけます。自社の組織規模と営業体制に合わせた導入ステップを、事例ベースで把握できる構成になっています。


エースの暗黙知は「教えてもらう」では取り出せない。チーム営業力を42%改善した「データで発見する」手順をロードマップで解説!
>>無料で『「あの人がいないと回らない」を変える営業属人化解消ガイド』をダウンロードする

FAZOMはこの3層モデルと改善ループを、200社超の営業組織で運用支援してきました。属人化を構造的に解消し、再現可能な売上の作り方を定着させる取り組みとしての実績があります。

売上に、正解はある|属人化からの卒業が回復の本質

FAZOMのタグラインは「売上に、正解はある。」です。売上回復は偶然の産物ではなく、再現可能な要素に分解すれば必ず正解の組み合わせが見つかるという前提に立ちます。

属人化した勝ちパターンを組織知に変換し、誰が担当しても同じ結果が出る構造を作る取り組みが、回復の本質です。個人のスキルを否定するのではなく、組織として再現できる土台に乗せることが目的になります。

下降トレンドの立て直しは、単発の挽回ではなく、下降要因を早期に検知できる体制への移行です。再現性の設計は、売上回復の前半ではなく、最終段階での成果を決定づけます。

この設計は、視点ごとに得られる便益が異なります。現場担当者にとっては、判断の拠り所が共通言語化され迷いが減る点が便益です。

管理職にとっては、メンバーが入れ替わっても成果が維持される再現性の担保が中心です。経営層にとっては、エース依存から脱した投資回収の安定性が主な便益となり、3視点の関心事が同じ仕組みで満たされます。

よくある質問

売上が落ちた時に最初にやるべきことは?

最初は、売上の下降要因を因数分解で特定することです。集客数・成約率・客単価の3要素のどれが落ちたかを時系列×顧客セグメント別に可視化し、外的と内的に切り分けたうえで影響が最大の1要素に絞り、対策を設計します。

売上回復までの期間はどれくらいですか?

短期策の値下げやキャンペーンは1〜2か月で反応が出ますが、営業体制や育成体制を再設計する中長期策は3〜12か月が目安です。2週間サイクルの改善ループで進捗が見えます。

まとめ

売上回復は、下降要因の因数分解から始め、外的要因と内的要因を切り分け、プロセス・行動・思考の3層で対策を選ぶ順序で進めます。値下げや気合の号令では再現性が生まれず、2週間単位の改善ループで定着させる設計が最短ルートになります。

自社の下降要因がどの層にあるかを切り分ける診断から入りたい場合は、FAZOMの無料サービス資料で、3層モデルと改善ループの具体的な設計手順をご確認いただけます。


営業の型・商談振り返り・改善の流れを一連の仕組みにする営業改善プログラムはこちら!
>>無料で『3分でわかる「FAZOM」ご解説資料』をダウンロードする

※具体的な数値は導入企業の許可を得た範囲で一部加工しています

この記事を書いた人
アバター画像
谷本潤哉
元電通、2016年創業。株式会社FAZOM代表取締役。自らの組織崩壊を原点に、営業プロセスを数字で再現する独自メソッド「メトリクスマネジメント」を体系化。累計200社超の営業組織を支援し、売上向上・新人の早期戦力化など成果を創出。